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第3回イベント(10月28日〜29日;岩手県大船渡市、釜石市)実施報告

日本旅行業協会では2016年10月28日と29日の2日間にわたり岩手県大船渡市と釜石市で、環境省の設定する東北地方太平洋沿岸地域のトレイルコース“みちのく潮風トレイル”を活用した「JATAの道」プロジェクトの3回目となる活動を実施しました。

実施日: 2016年(H28)10月28日(金)〜29日(土)
実施場所: 岩手県 大船渡市区間、釜石市区間
活動内容: トレイルコースの一部散策、地元関係者と意見交換(1日目)
案内板除幕式、トレイルコース内の視察(2日目)
参加者: 65名(JATA役員・会員会社社員、プレス関係者など)
協力: 環境省、大船渡市、釜石市をはじめ地元関係者

スケジュール

月日 時間 行程
10月28日(金) 08:48発 東京〜仙台〜一ノ関
13:00 旧タピック45(陸前高田市)
14:15 米崎(リンゴ園)及び水産等加工会社見学
14:45 出発式  碁石海岸インフォメーションセンター
<みちのく潮風トレイル(大船渡市中南部ルート)区間を歩く>
17:00 大船渡の新しい街づくり計画プレゼンテーション
18:30 地元観光関係者とJATA参加者との交流会(110名参加)
10月29日(土) 07:30 ホテル発
08:00 三陸鉄道 盛駅より 三陸鉄道・南リアス乗車(震災学習列車体験)
09:00 唐丹駅下車
<みちのく潮風トレイル(釜石市ルート)区間を視察>
10:00 除幕式セレモニー(釜石「鉄の歴史館」にて)
12:40 鵜住居・根岸海岸・(車中より)ラグビーワールドカップ会場予定地視察
16:19発 新花巻〜仙台〜東京

10月28日〔1日目〕

“みちのく潮風トレイル”大船渡市中南部ルート(碁石海岸ウォーク)

県内一の規模を誇る大船渡港、奇岩や島・洞穴が続く荒々しい絶景を持つ碁石海岸と季節の草花など見所が続くルートの一部を散策しました。バリアフリー向けに道路を整備し、車いすの方にも楽しんで頂けるような工夫があり、また、地元の訛りを含んだ話し方で丁寧かつ楽しいボランティアガイドの案内は大きな観光資源の一つになると大変好評でした。


  • 環境省 岡本 光之国立公園課長

  • 椿の里 大船渡ガイドの会の案内による散策

旧タピック45(道の駅高田松原)

陸前高田市の国道45号沿いにある道の駅として、観光案内・売店などがありましたが、震災の津波により被災し、現在、津波の恐ろしさを後世に語り継ぐための震災遺構として保存されています。
語り部の釘子氏によると、この地を襲った津波の速さは、オリンピックの短距離走者を超える時速100kmほどもあったそうです。近くには、震災前の町の様子や、震災時の状況、復興の過程などが分かるパネル等が展示されている施設もあり、津波の凄まじさを伝える場所となっています。


  • 旧タピック45(建物外壁)

  • (建物内部)


旧タピック45にて献花

米崎(リンゴ園)及び水産等加工会社視察

被災地で企業成功モデルを目指しており、インバウンドの観点からも期待できる2つの事業を見学しました。

  • 1) 岩手県内で最も古い歴史を持つ米崎町のりんご文化を次の世代に残すために自然の力を借りたエコなりんご栽培やぶどう畑で商品の開発販売に取り組んでいるスリー・ピークス・ワイナリーを見学。米崎町で三陸沿岸から世界に発信できるワインをつくる構想についてお話いただきました。
  • 2) IT木工と製麺業、三陸の海の幸を使用した加工品を主に、「復興」のシンボルでもある椿に想いを込め、2年間研究し完成した椿茶など地元産のものを取り入れながら多数の商品開発に取り組んでいる潟oンザイファクトリー。行政の支援を受けずに地元の人達を雇用している工房としても紹介がありました。
    参加者からは震災後に起業をしたプロセス、復興の話、食の話等、複数組み合わさったこのプロジェクトは、とても興味深いとの感想が寄せられました。

  • 製麺工場の様子

  • スリー・ピークス・ワイナリーのりんご農園

大船渡の新しい街づくり計画プレゼンテーション

セミナー形式で、まちづくり会社(株)キャッセン大船渡の代表臂(ひじ)氏による講演を行いました。大船渡市が津波災害から再生を目指し、これからの大船渡に希望を持てるプレゼンテーションで、「関与しやすい仕組みづくり」、「観光客にまた来てもらうための仕掛け」などの地元企業と自治体が一体となり、まちづくり会社を設立して復興に努めているレベルの高い講演となりました。


臂氏による講演の様子

意見交換会(大船渡プラザホテル)

戸田公明大船渡市長をはじめ、大船渡市や釜石市、各市の観光物産協会の方など地元観光関係者45名と参加者がトレイルを通じた観光による復興支援活動とともに、新しい東北観光の実現に向けて意見交換を行いました。
今回、当プロジェクト過去最高の総勢110名が参加し、地元の方の高い期待がうかがえました。


戸田大船渡市長(写真右)より
団長・戸川JATA副会長(写真左)へ感謝状の授与

10月29日〔2日目〕

三陸鉄道(震災学習列車体験)

2012年6月から震災の被害や教訓を伝えるために走らせている「震災学習列車」(南リアス線盛(さかり)駅から唐丹(とうに)駅まで)に乗車。同社の熊谷氏、内舘氏がガイド役を務められ、一時停止したり徐行運転したりしながら、当時の状況や復興状況を説明されました。震災を忘れさせない取り組みとして、修学旅行や一般団体でも貸切運行を取り入れてみたい、素晴らしい観光素材だ、との声が参加者より多くあがりました。


三陸鉄道(震災学習列車)

“みちのく潮風トレイル”釜石市ルート

釜石の自然と町の歴史を知ることのできるルートの一部を、ボランティアガイドの方のご案内を受けながら見学しました。
桜並木で知られる本郷付近には、明治、昭和の大津波、そして東日本大震災による津波の記念碑がそれぞれあり、そこには「100回逃げて100回来なくても101回目必ず逃げて」といった地域の学生の思い等が刻まれています。
また、その近隣には、日本地図作成のため、三陸海岸の測量にあたった伊能忠敬の業績をたたえ建立された測量の碑と星座石があります。江戸時代に忠敬の測量事績を残した全国唯一の場所として貴重な資料です。


  • 津波記念碑

  • 星座石

案内板 除幕式(鉄の歴史館)

プロジェクトの取り組みに合わせて刷新した「釜石市観光」案内図を寄贈し、除幕式を釜石市ルート上にある「鉄の歴史館」で行いました。
ご臨席の野田武則釜石市長は「釜石は鉄、魚、スポーツ、特にラグビー、トライアスロンが盛んな町。案内板を活用し、観光客を歓迎したい。」と述べられました。


  • 野田釜石市長

  • 釜石市案内板除幕式

鵜住居・根浜海岸・(車中より)ラグビーワールドカップ会場予定地 の視察

視察の後、鵜住居にある旅館「宝来館」にて釜石市の菊池部長より鵜住居(うのすまい)地区の復興計画、ラグビーワールドカップの会場作りや、実際の運営、またその後のスタジアムの活用について説明がありました。
また、被災した「宝来館」の岩崎女将より、震災体験講話があり、未来に向けた復興にかける前向きな取り組みを聞くことができました。特に旅館裏手の避難経路をラグビーワールドカップ会場予定地まで繋ぐという計画はぜひ実現してほしいとの思いは、参加者の共通の意見でありました。


  • 野田釜石市長

  • 釜石市案内板除幕式

参加者の声

1.視察箇所レポ−ト

(1日目)米崎(リンゴ園)及び水産加工会社視察について
  • 「旧タピック45」での話も非常に重要なことだが、旅行の企画を提案する際には、震災教育に加え、復興の話、食の話等、複数組み合わせる必要があると思ったので、良かった。
  • リンゴ園では立ち話ではなく、ゆっくりと話を聞きたかった。また、水産加工会社もりんご園と同様に、工場見学等のような形にできると、観光素材となるのではないでしょうか。
  • 双方共に1回あたりバス1台程度までの受け入れとみられ、視察を受け入れること事態が負担になるのでは、と感じた。
(1日目)みちのく潮風トレイル”大船渡市中南部ルート”について
  • 快適に散策ができ、完成された十分な観光素材です。
  • 観光地としてもよいし、スポーツクラブなど健康志向の方にも提案できる。ただし、少々アップダウンが厳しいので、事前に注意喚起は必要だと思った。
  • 団体だけでなく個人客に対して、気軽にいつでもガイディングを頼めるような仕組みがあるとより魅力が増すと思った。
(1日目)大船渡の新しい街づくり計画プレゼンテーションについて
  • これからの大船渡に希望を持てるプレゼンテーションで、被災地復興の先駆けとなっていってほしい。キャッセンさんの「関与しやすい仕組みづくり」、「また来てもらうための仕掛け」は私にとっては新しい考え方で、素晴らしいと思った。旅行者が大船渡付近を旅行する際や、住む子供たちが大人になった時に、自分が携わったものが景観の一部になっていれば、そこに足を運ぶきっかけになると思う。
  • 今後整備されていくなかで、実際の商店主などの意見が加わるとなお良い。地域の現状としてまだまだ観光は弱いようであるが、気仙沼などのような成功事例もあるため、産業全体を巻き込んだ取り組みを期待したい。
(2日目)三陸鉄道(震災学習列車体験)について
  • トンネルを出るたびに特徴の異なる地区が広がるという点が興味深く、とても分かりやすい説明で、当時の状況を理解するに十分でした。
  • 今回乗車したルートは、被災地だけではなく、ホタテ絵馬が書ける恋し浜駅など、観光要素も含まれており魅力的でした。
  • パンフレットで、各駅の特色や沿線付近のおすすめスポット紹介があれば、三陸鉄道=観光という認識を高めることができるのではないか。
  • 横断幕、大漁旗を振ってのお見送りが大変嬉しく、お客様にも喜ばれると思う。乗車前のホームで列車について等ご案内いただけるとなお理解が深まると感じた。
(2日目)みちのく潮風トレイル”釜石市ルート”について
  • 星座石までの道は足元が滑りやすく注意が必要だが、本郷の桜並木と津波の被害の様子も見ることができるため、ぜひコースに入れるべきところだと思う。
  • 体験ウォークとしては少し短く、8月の台風影響もあるのかもしれないが、トレイルの楽しみやその道の整備状況など具体的なトレッキングルートを知ることができなかったのが残念。
(2日目)鵜住居・根浜海岸・ラグビーワールドカップ会場予定地視察について
  • 半島の遊歩道が整備されたらラクビーワールドカップ会場と共に観光名所になる。ただし、2019年のラグビーワールドカップまで今の状況から宿泊施設の建設には限りがあると思いますので、近隣の宿泊施設の有効活用を前提に進めてはいかがでしょうか。
  • ラグビーワールドカップ会場の予定地の現状を見る限り、まだ周辺地域の設備完成には時間を要するのではという印象を受けました。宝来館は食事もおいしく、海を間近で楽しめるという点も魅力的なので、今後ぜひ取り入れたいです。
  • 宝来館の女将さんの震災の講話をセットにして、昼は合宿、夜に震災学習講話はいかがでしょうか?そうすれば、他にはない素材になるのではないかと思いました。

2.貴社商品の企画・造成・販売に向けて

  • 現段階での予定はまだありませんが、トレイルのみならず今回のような各素材を総合的にお客様の現地での「過ごし方」として提案する手法を検討していきたいと思います。
  • 教育旅行で利用できる素材はすぐに着手したい。
  • インバウンド観光客は被災地に行きたいという要望は少ないので、そう思ってもらえるようなうち出し方を考えていく。
  • 震災学習は、教育旅行はもちろん、一般のお客様にも組み込めると思いますので、今後旅程に組み込めたらと考えている。ただ、海外のお客様にとってはまだ岩手県の知名度があまり高くないと思いますので、少しずつ提案していけたらと思う。
  • 当社顧客は法人であるため、社会貢献、復興支援、自社の歴史学習(鉄鋼関連)、社員の懇親などをキーワードに視察・研修旅行の提案ができないか検討する。
  • 各地セクションごとにトレイルランニングの大会を実施、交流人口を底上げができたところで最終的には全区間ウルトラトレイルランニングを実施する、といった旗振りができたら面白いと思いました。。
  • 大型バスが通行できれば五葉山のハイキング企画ができると考える。

3.「JATAの道」第3回プログラム全体について

  • 過去のプログラムと比べ、商品企画・造成の色彩が濃いものと感じました。
  • 「JATAの道」をきっかけとして、他の観光素材を織り交ぜたのはとても良かった。
  • 東北復興の一環でのJATAの取組ですが、「復興支援」だけでなく、「新たな観光素材の発見・創造」について考えることができた。
  • 観光素材もそうですが、普段の説明会などでは紹介されない、地域の方の話が聞けたことは良かった。
  • 今回は、場所という観光資源よりもそれを説明している人たちが何をしているのか、何故そこにいるのか、どういう思いで、これから何をしようとしているのかについて、強いメッセージを受け取りました。震災遺構を見るだけではなく、その遺構は一つの話のきっかけでそこに住む人の話とその思いを知るという目的の旅行があれば良いなと思いました。私自身が非常に心動かされたプログラムでした。
  • あまり行く機会のない地域へ足を運ぶことができ、復興状況やその地域ごとの差を感じることができてとてもよかった。誰もが、日常生活の中でじっくり被災地について考える機会が少しずつ減っているのが現状だと思う。このプログラムに参加すること、あるいはトレイルを歩いてもらうことでこういった機会を得られることはとても大切だと感じた。
  • 三陸鉄道震災学習乗車体験も個人ではなかなかできないことで有難かった。震災の記憶を風化させないためにも参考になりました。
  • 今回はトレイル実査がほとんどできなかった。せっかくの機会なので、幅広い世代の方々のトレッキングにふさわしい道なのかどうかを自分の目で検証したかった。今回の体験では開通したトレイルの良さがあまりわからなかった。
  • トレイルを本気で広めたいなら、もっとしっかり歩くべきだと思うし担当者の参加を促すべきだと思います。
  • 地域イベントも多い時期のため、そういった地域魅力発信のタイミングに重ねて実施するなども方法かと思いました。また、台風の被害状況の視察やボランティアも方法かもしれません。
  • 1泊2日では限界でしょうが、もう少し余裕を持ったスケジュールが良かったです。有志で夜の大船渡をそぞろ歩きしましたが、そのような時間がもっとあっっても良かったと思います。
  • 旅行会社としてなにができるのか、「観光地」としてではなく「被災地」として見られてしまうエリアへお客様が「行きたい」と思ってもらえるようにどうすればいいのか、とても難しいが、しっかり考えなければならないと感じた。せっかく全国から人が来ているので、全体的にガイドさんの話の内容の精査や、もっと伝わるように、現地ガイドの育成も今後の課題かもしれない。

以上

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