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平成25年度 JATA×JWTC第2回セミナー
「新しい旅行業と女性の役割」

日 時
平成25年11月11日(月)19:00〜20:00
場 所
JATA4階研修室
講 師
田川 博己(JATA副会長・(株)ジェイティービー 代表取締役社長)
参加人数
92名(JATA会員37名、JWTC会員54名)

旅行業を取り巻く環境

 日本の企業が活性化していくにはダイバーシティの考え方が必要です。

 東京オリンピック招致成功要因は佐藤真海さん、滝川クリステルさんと、どういう配置をすれば成功するか、(女性の心揺さぶれるプレゼンテーションによる賜物)ではないかと考えています。

 また、一方でインターネットが普及するなか、リアルとネットを融合して、いかに消費者へ旅の価値を提供していくか、新たな価値の創造が求められています。

 2014年は海外渡航自由化50年の節目の年です。半世紀前は、どのような価値観を持っていたかを振り返り、過去と現在、そして未来を一つのセットにして、新たな需要の創出をすべきです。

 ものづくりの会社は、リーマンショックなどの荒波を乗り越えて、切磋琢磨して進化を遂げました。しかしサービス財の分野では、便利さの追求に終始した感がします。成長と発展における概念を、ただすときに来ていると感じています。ツーリズム産業の成長と発展のために私たちが果たすべき役割は、「縦軸の機能を、横軸で切る」ことです。すなわちダイバーシティ、多様性をもって考えるべきときにきています。

 わが国における観光受容度は世界で74位()と低く、政府ですら観光への認識が浅いのが現状です。また、日本の人たちは「観光地は温泉地」というイメージをもっていますが、海外では一般に観光客の多くは大都市に集まります。日本では、特に都市観光が遅れています。2020年に向け、開催地東京のバリアフリー化が進むことにも期待を寄せています。

 次に企業の役割ですが、CSR(企業の社会的責任)からCSV(社会性を求めながら事業性を求める)の時代へと変化しています。非営利であるNPO法人でさえも今世、収益性が話題になるほど。収益性を上げていくことが、旅行業の在るべき姿だと思っています。

WEF世界経済フォーラムが毎年発表する観光競争力ランキング(通称、ダボス会議)。2013年、日本の観光における開放度、外国人訪問者数の対人口比などを指数化した「観光との親和性」、すなわち、国民の観光受容度は世界74位と低位置にある。

価値創造産業への転換として女性の役割

 企業活性化にダイバーシティは欠かせません。女性の活躍を考えたとき、単に経営数値ではかるのでなく、働き方をどう求めるか、横軸で仕事をする環境を整えることも経営者にとってのテーマです。旅行業はこれまで、個人の能力だけで仕事をしてきました。しかし、その体質のままだと、これからの成長は望めません。

 経営課題のキーワードに休暇制度があります。ドイツでは、自動取得の仕組みが確立していますが、日本も消化率を100%にすべきです。もう一つの発展のカギは、人材育成にあります。ダイバーシティの推進を、いかにトップ(経営者)がコミットメントするか、横軸を大切にするかにかかっています。例えば広報セクションは、女性が担当した方がよい成果を生みます。人事の多様性が求められています。

 働きやすさではなく「働きがい」をどう求めるか。女性登用にKPI(重要業績評価指標)を設けることが重要です。KPI導入は、業界ではJTBが初です。女性に明確な目標・役割を与えつつも一方で、女性の皆さんにも意識を変えて欲しいのです。女性の苦手分野でもある“しっかり謝れるか”も大切で、企業におけるリスクマネジメントにもなります。

 最終的にどのポストを目指すか、社員に確認していますが、自らが社長を目指すビジョンを持ち、未来はどうあるべきか、最終目標から逆算してビジョンを語って欲しい。JTBではメンタリングプログラムの一環に、女性と役員のコミュニケーションをはかる場をもち、表彰制度「ダイバーシティ・アワード」も設けています。

 とはいえダイバーシティだけで業績が上がるわけではありません。個の成績を上げるための土台づくりをしている会社こそが、伸びるだろうと考えます。男女の別を役割区分で考えているうちは、女性の真の登用はできません。企業が発展するためには、自由に発言できる環境づくりが大切で、それが需要創出を生むと考えます。

 ツーリズム産業の皆さんには、ぜひ主体性を持っていただき、この産業の成否を握る中核に女性がいるということを、あらためて申し上げ、タイトルテーマにあるように、女性によって新しい旅行業を創っていって欲しいと期待しています。

JATA田川副会長採録

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