留学・語学研修取扱ガイドライン

平成元年11月17日制定
平成3年4月19日改正
平成10年5月8日改正
平成19年5月14日改正
留学・語学研修等協議会(CIEL)

改正の趣旨

平成17年4月の旅行業法及び旅行業約款の改正・施行を機にホームステイツアー等適正化協議会(当時)の中に専門部会を設立し、旅行業者の現場の人達に生きたガイドラインとして使用されることを念頭において、留学・語学研修等協議会が主体となりガイドラインの改訂作業を行った。

主な改正は、従来の「ホームステイツアー取扱ガイドライン」の名称を、寮への滞在等と並んで、ホームステイは単なる宿泊の一形態であるが、ガイドライン本来の対象が留学や語学研修であるという現状に即すよう「留学・語学研修等取扱ガイドライン」と変更した。

また、平成18年12月の公正取引委員会の指摘に従い、景品表示法上の表示に関する遵守項目を加えた。

更に、平成17年4月の国民生活センター報告では、留学業者へのクレームの8割以上が申し込み時及びキャンセル時の内容であるため、新たに契約時及びキャンセル規定についての項目を追加した。

1.旅行会社の責務とこのガイドラインの適用範囲

(1)  旅行会社の責務
  留学・語学研修等は、その国の風俗習慣に親しく接し、伝統・文化に触れ、外国の人々とのコミュニケ−ションをはかり、国際 的交流に必要な感覚を養う好機会であり、その意義と必要性は高い。したがって留学・語学研修等に携わる旅行業者としては、これが一般の海外観光旅行とはおのずから性格が異なることを認識し、それへの取組みにはより慎重な姿勢をもってあたる必要がある。
(2) このガイドラインの適用範囲
このガイドラインの適用範囲はホームステイツアー等適正化協議会の会員会社である。ただし、会員以外の旅行会社がこのガイドラインを使用することを妨げるものではない。

2.パンフレット表示等に関して

(1) 募集型企画旅行における募集用パンフレット
〔1〕 公正取引委員会の指摘による景品表示法上の遵守項目
ア. 大学において語学研修を行なう旨を表示する場合、大学が語学研修の運営主体でない場合には語学学校が運営主体である旨を明瞭に表示すること。
イ. 語学学校における日本人比率を表示する場合は、語学学校のクラスに参加する時期及び参加する者の語学レベルによって日本人比率が大きく異なる旨を明瞭に表示すること。
ウ. 現地における充実した家庭生活の体験やホストファミリーとの触れ合いの内容について表示をする場合は、ペイイングシステム によるホームステイにおいて、家庭生活の体験やホストファミリーとの触れ合いが可能な場合と可能ではない場合がそれぞれどのような場合かを明瞭に表示する こと。
エ. ホストファミリーを通じて語学力が向上する旨の表示をする場合は、ホストファミリーの言語環境について、例えばホームステイ先が英語圏であれば、ホストファミリーが日常会話において英語を話す場合と話さない場合がそれぞれそのような場合であるかを明瞭に表示すること。
オ. 事業者名としては、その事業者が会社法人である場合には、「株式会社○○協会」「株式会社○○センター」等と旅行業者登録簿どおりの社名をフルで表示すること。
カ. 優位性を意味する用語は、客観的事実に基づく具体的数値又はその根拠なしに使用することはできません。「最大」「No.1」「業界随一」「唯一」等の表示を行なう際には、合理的な根拠を記載すること。
キ. 「○○大使館賛同」「○○国××省認定」等の表示を行う際には、事実に反して表示することはできない。
ク. 留学あっせん業者が留学生の体験談を掲載する場合は、事実に即したものとするとともに、留学した時期(年月)を表示すること。
ケ. 上記ア〜ウの詳細な運用に関しては別紙の「公正取引委員会の『短期語学留学等の表示』に関する指摘を受けて制定したガイドライン」に従うこと。
〔2〕 パンフレット表示の適切な表示並びに留意点
上記〔1〕の趣旨を踏まえ、
ア. 「留学・語学研修とは」「ご参加に際して」等の項目を設け、たとえばホームステイ利用の場合は、『日本からの参加者が、外国の家族と一緒に生活し、互いの国の文化・習慣・物の考え方の違いを実際に体験し、相互の理解を深める事が目的です。』等その意義を明確にする。
イ. 旅行者の心得をパンフレットの見やすく目立つ所に表示する。
ウ. 記載事項は具体的かつ事実に基づく正確なものとする。特に旅行代金に含まれるものと含まれないものの区別を明確にする。
エ. 語学研修等が含まれている場合は、その受入れ機関等並びに実施予定のプログラムについて、具体的に表示する。
オ. ホームステイツアー等適正化協議会の会員である旨、また、旅行契約であることを表示すること。

(2) 受注型企画旅行及び手配旅行の取引条件説明書面

ア. 上記〔1〕及び〔2〕「ウ〜オ」に準拠して、取引条件説明書面に表示する。

3.申込時の注意

(1)  留学関連にかかる旅行契約の締結にあたっては、取引条件の説明及び取引条件説明書面等の書面の交付を確実に行う。
(2) 留学関連における契約において、個人情報の扱いに関しては、個人情報保護法を遵守する。
(3) 接客時において申込を強要してはいけない。
(4) 接客時において消費者の意思に反して、長期間拘束してはならない。
(5) キャンセル規定については十分に説明し、旅行者の理解を得ること。

4.旅行契約前の説明

次の留学・語学研修等の意義と特殊性を説明する。

ア. 国・地域によって異なる風俗・生活習慣の違いから生ずる文化の違い等。
イ. 中学・高校生を対象とする場合には、保護者にも留学・語学研修等の意義について十分理解できるようにする。

5.旅行契約後(出発前)の説明

(1)  留学・語学研修等に係わる苦情・トラブルがえてして、日本側旅行者の理解不足、一方的思い込みに起因することが少なくない実情に鑑み、説明会(オリエンテーション)において、できるだけスライド・ビデオテープ等を使用するなどして、生活習慣の違い等を充分理解させるよう努める。
(2) 事前説明会は、旅行者が余裕をもって事前に準備が出来るよう、できるだけ前広に実施する。
なお、本人が参加できない場合は、通信手段等を利用して本人にその内容を説明する。
中学・高校生を対象とする留学・語学研修等については、できるだけ保護者にも説明会(オリエンテーション)への参加を求めることにする。
(3) 旅行申込者に、例えば、「ホ−ムステイハンドブック((社)日本旅行業協会・ホ−ムステイツア−等適正化協議会発行)」等の解説書を渡して、参加者個々でも、学習ができるよう配慮し、留学・語学研修プログラムを説明・理解してもらう。

6.ホームステイの場合の受入機関の設定基準及びホストファミリーの決定

(1) 受入機関の選定基準・決定方法等

ア. 緊急事故に際しての連絡体制が必ずとれること。
イ. 所定の時間的余裕をもって申込のあった場合、旅行者とホストファミリーとの間で事前のコミュニケーションが行なわれるよう、出発日の一定期日前(3〜4週間前が好ましい。)にホストファミリーの情報を通知できること。
ウ. 受入機関の事業内容・実績・経営者・資金・評判・取引銀行・過去の苦情処理状況等を契約前及び定期的に調査すること。
エ. 受入機関との交渉において、トラブルが発生した場合において参加者にしわ寄せがゆくことがないよう、慎重に契約する。
オ. 選定した受入機関との間で、実施した留学・語学研修等の内容についてフォローアップするとともに、留学・語学研修プログラム内容の充実をはかるための打合せをできるだけ定期的に開催する。
カ. 受入機関と旅行者との間で契約関係が生じる場合は、その旨及び受入機関との間の契約内容や責任に関する事項が明確になるような措置を講ずること。

(2) ホストファミリーの決定及び旅行者とのコミュニケーション

ア. ホストファミリーを決定する手続きと必要な日数をあらかじめ(契約時期に)明らかにする。
イ. 契約段階でアプリケーションフォーム(個人データ等を記載する申込書)を作成してもらい、受入機関がホストファミリーを調整する時に役立たせるように努める。
ウ. ホストファミリーについての情報を具体的に把握するように努める。
名前・家族構成・住所、電話、言語
但し、提供される情報についてはホストファミリーのプライバシー保護の為制限される場合があることを、あらかじめ参加者に伝える。
エ. ホストファミリーと旅行者の事前コミュニケーションができるだけ行われるようにする。
オ. 滞在中、旅行者とホストファミリーとの間でコミュニケーションが円滑に行なわれるように、あらかじめ日常生活ルールに関するホストファミリーへの質問事項を用意し、参加者が現地到着後にこれに基づき、相互に生活ルールの確認を行なうよう案内する。

7.参加に必要となる語学力について

語学能力が特に必要な場合には、旅行希望者に事前に必要とする語学レベルについて正確な情報提供を行う。

8.トラブル処理

(1)  受入機関と旅行業者間で緊急連絡体制を確立し、旅行者とホストファミリ−、日本の旅行者家族とも十分な情報交換を行いながら、トラブル処理にあたる。
(2) トラブル発生の際には、JATA作成の『事故対応マニュアル』などを参考にして現地と日本の間で常時連絡可能な状態にしておく。
(3) 旅行業者の現地支店スタッフならびに現地手配代行者等にも応援を求め、トラブル処理にあたる。
(4) その他トラブルに対応して、必要な措置がとれるよう、次のことを行なう。
ア. 連絡先リストを作成し、日程表に明記する等して事前に旅行者・家族に配布する。
イ. 参加者に対し、海外旅行保険の必要性を説明し、必ず保険に加入していただくよう強く勧める。

付属資料

下記のような場合は付属資料をご参照ください。

1.標準旅行業約款で対応できない場合。

2.やむをえず例外的に旅行業法に付随しない留学のみの斡旋を行う場合。