(広報資料)
2008年4月2日

「2008年3月期 旅行市場動向調査」

 JATA(日本旅行業協会)では、旅行市場の動向を捉えるため、会員各社に定期的にアンケートを実施し、旅行の種類、方面、顧客層別に業況判断を指数化して四半期ごとにまとめている。
(調査の概要については末尾に記載)
 2008年2月中旬から3月上旬にかけて実施した「旅行市場動向調査」によると、海外旅行市場は予測以上に大きく悪化したが、国内旅行市場は依然マイナス値ながら横ばいと、前回の予測通りに推移した。
 3ヵ月後も海外DIは低迷、一方、国内DIは上昇に転ずる見通し。

海外旅行全般の業況について
国内外の景況感の悪化や燃油高の長期化、加えて海外市場を牽引してきた中国の不振で、海外旅行全般のDIは前回見通しよりさらに20ポイント悪化した。
3ヵ月後もこれら諸問題に加え、GWの日並びなどで厳しい局面が続く見通し。
現 況: 景況感の悪化や長期に渡る燃油高が海外旅行離れを促進、中国の不振も響いて海外DIは悪化





「弱含みの個人消費、燃油サーチャージ等の問題で、海外旅行が低迷している。」(総合旅行会社)
「オリンピックを契機に中国旅行ブーム到来を期待したが、食問題で手控えが増した。」(海外旅行系旅行会社)
緩やかな後退局面とみられた海外市場だが、DIは前回見通しよりさらに20ポイント下回った。
3ヵ月後(4〜6月)の見通し:
前出のマイナス要因のみならず、GWの日並びも思わしくなく低迷が続く



「4月以降も燃油サーチャージの値上げが相次ぐなど好転する要因が見当たらない。」(海外旅行ホールセラー)
「GWは日並びの関係で出足振るわず。」(インハウス)
3ヵ月後(4〜6月)は、今回の急落に対する反発が期待されるが、海外市場全体として低迷が続く見通し。
総 合 
  長期化する燃油高に国内外の景況感の悪化が加わり、さらにこれまで海外旅行市場を牽引してきた中国が、食の問題に端を発する信用不安で大きく後退したことなどにより、海外旅行市場は予測以上に悪化した。 
 現状ではこれらの問題に解決の糸口が見出せず、GWの日並びが長期旅行には適していないことも含め、今後も厳しい局面が続く見通し。
(単位:DI)
  2年前
(1-3月)
1年半前
(7-9月)
1年3ヵ月前(10-12月) 1年前
(1-3月)
9ヵ月前
(4-6月)
6ヵ月前
(7-9月)
3ヵ月前
(10-12月)
現況
(1-3月)
3ヵ月後
(4-6月)
海外
旅行
全般
- 18 9 -6 -2 - 10 - 7 - 11 - 33 - 28
※- 13




※は2008年3月期調査見通し数値
  1年半前
(7-9月)
1年3ヵ月前(10-12月) 1年前
(1-3月)
9ヵ月前
(4-6月)
6ヵ月前
(7-9月)
3ヵ月前
(10-12月)
現況
(1-3月)
3ヵ月後
(4-6月)
総合旅行
会社
14 - 12 0 - 14 - 12 - 16 - 47
- 35
海外旅行
ホールセラー
12 - 22 - 11 - 28 - 20 - 27 - 42 - 58
海外旅行系
旅行会社
- 11 9 - 40 9 9 0 - 63 - 38
リテーラー 1 7 - 4 18 - 10 - 24 - 22 - 40 - 35
リテーラー 2 - 5 - 11 - 10 - 19 - 6 - 3 - 27 - 22
インハウス 47 20 10
21 11 - 6 - 13 - 10

海外旅行の需要動向(顧客層別)
比較的好調に推移してきたシニア、商用・視察のDIもマイナス値に後退し、プラス値を示す層はなくなった。
3ヵ月後はハネムーン、インセンティブでやや上昇が見込まれるが、全般に低迷が続く。



顧客層別DIは、商用・視察、シニア、ハネムーンで3ヵ月前(10〜12月)より10ポイント以上、低下するなど軒並み悪化し、DIでプラス値を示す層はなくなった。
前年同時期を上回る層はなく、商用・視察、インセンティブ、OLは20ポイント近く下回っている。
3ヵ月後(4〜6月)は、ハネムーン、インセンティブで上昇が見込まれるが、卒業旅行時期を終えた学生のDIが大幅に悪化するなど、全般に低迷が続く見通し。
(単位:DI)  
  1年前
(1-3月)
9ヵ月前
(4-6月)
6ヵ月前
(7-9月)
3ヵ月前
(10-12月)
現況
(1-3月)
3ヵ月後
(4-6月)
ハネムーン - 42 - 36 - 39 - 35 - 49 - 41
ファミリー - 27 - 28 - 6 - 36 - 41 - 41
OL - 32 - 35 - 26 - 44 - 50 - 50
学生※ - - - - - 29 - 62
シニア※ 2 6 2 1 - 13 - 10
インセンティブ - 24 - 29 - 32 - 38 - 43 - 36
商用・視察 4 1 1 0 - 18 - 15
※「学生」は、2008年3月期より追加した項目
※「シニア」(旧シルバー)は60歳以上の顧客を指す
 

海外旅行の需要動向(方面別)
中国のDIが続落、アジアも低下し、プラス値を示す方面はなくなった。
今期上昇したミクロネシア、ハワイ、オセアニアも3ヵ月後には再び低下するなど、全方面で低迷が予測される。






方面別DIは中国の下落が続き、3ヵ月前(10〜12月)よりさらに31ポイント悪化した。また、燃油サーチャージの負担が大きいヨーロッパ、アメリカ・カナダといった長距離路線も10ポイント以上低下した。
中国、アジアの低下をうけ、DIでプラス値を示す方面はなくなった。
前年同時期と比較すると、中国は約50ポイント低い水準で、他方面もヨーロッパは約20ポイント、アメリカ・カナダ、アジアは10ポイント程度下回るなど、全般に悪化している。
3ヵ月後(4〜6月)は、ヨーロッパ、中国で反発も期待されるが、ミクロネシア、ハワイ、オセアニアでは今期の上昇分を相殺する低下が見込まれるなど、全方面で低迷が予測される。
(単位:DI)  
(単位:DI)  
  1年前
(1-3月)
9ヵ月前
(4-6月)
6ヵ月前
(7-9月)
3ヵ月前
(10-12月)
現況
(1-3月)
3ヵ月後
(4-6月)
ハワイ - 29
- 35
- 21
- 34
- 31
- 35
アメリカ・カナダ - 35 - 41 - 36 - 34 - 47 - 46
ヨーロッパ - 7 - 1 0 - 14 - 28 - 22
オセアニア - 36 - 47 - 41 - 44 - 41 - 45
ミクロネシア - 29 - 41 - 22 - 35 - 25 - 35
中国 20 27 22 2 - 29 - 24
アジア 9 - 3 6 3 - 1 - 3

国内旅行全般の業況について
海外からのシフトも、物価高などで低迷する国内景気に阻まれて奄美・沖縄などに限定的。
国内旅行全般のDIは3ヵ月前の予測どおり、マイナス値のまま横ばいで推移した。
3ヶ月後には海外からのシフトが顕在化し、好転の見通し。
現 況:海外からのシフトも国内の景気低迷により奄美・沖縄、東京、九州に限定的で、全体として横ばい



「沖縄が引き続き堅調に推移しているが、全体としては横ばい程度である。」(総合旅行会社)
「景気低迷により旅行手控え傾向があることから、前年並みが精一杯ではないか。」(リテーラー1)
国内旅行全般のDIは、3ヶ月前(10〜12月)の予測どおり横ばいであった。
3ヵ月後(4〜6月)の見通し:
海外からシフトの流れが続き、花見シーズン到来で好転の見込み 


「海外と比較して安全、安心、安値、キーワードとしてこの3安で好調だと思う。」(リテーラー2)
「団体旅行の伸びを期待。季節物の日帰りバス旅行なども期待している。」(リテーラー1)   
3ヵ月後(4〜6月)も依然DIはマイナス値を脱するには到らないながら、好転の見通し。
総 合:
  燃油高などで海外旅行から国内へシフトする流れは続いているが、季節的に市場の動きが鈍化する時期であることに加え、下方修正を余儀なくされた国内景気の低迷が逆風となり、恩恵は奄美・沖縄など一部にとどまった。
今後の不安要素として、貸し切りバスに対する規制強化の影響や、間際予約の拡大といった意見が複数みられるが、海外敬遠の反発から国内需要の増加が予測され、花見シーズンの到来とともに国内市場は好転する見通し。
(単位:DI)
  2年前
(1-3月)
1年半前
(7-9月)
1年3ヵ月前(10-12月) 1年前
(1-3月)
9ヵ月前
(4-6月)
6ヵ月前
(7-9月)
3ヵ月前
(10-12月)
現況
(1-3月)
3ヵ月後
(4-6月)
国内
旅行
全般
-13
- 5 6 - 7 - 7 5 - 6 - 7 - 1
※- 7




※は2007年12月期調査見通し数値
  1年半前
(7-9月)
1年3ヵ月前(10-12月) 1年前
(1-3月)
9ヵ月前
(4-6月)
6ヵ月前
(7-9月)
3ヵ月前
(10-12月)
現況
(1-3月)
3ヵ月後
(4-6月)
総合旅行会社 -27
-11
-16
-20 -8
-27
-18
-13
国内旅行
ホールセラー
-19 0 -9 -37 -45 -50 -10 10
リテーラー 1 8 32 0 -3 20 -23 9 17
リテーラー 2 - 12 -5 -7 -4 2 14 -7 -5
インハウス 22 17 0 6 25 0 0 2

国内旅行の需要動向(方面別)
奄美・沖縄は20ポイント近く上昇、東京、九州もプラス値へ好転したが、東北は大きく低下した。
3ヶ月後は概ね上昇もしくは横ばいの見込み。





方面別DIは、奄美・沖縄で3ヵ月前(10〜12月)より18ポイント上昇したほか、東京(含横浜・浦安)、九州も10ポイント以上上昇してプラス値へと好転した。一方、東北は24ポイント、甲信越、静岡(含伊豆)、京阪神、愛知・岐阜・三重はそれぞれ10ポイント前後低下した。
前年同時期と比べても奄美・沖縄は14ポイント高く、関東、愛知・岐阜・三重も10ポイント前後上回るが、静岡(含伊豆)は7ポイント下回る。
3ヵ月後(4〜6月)は、奄美・沖縄で低下が見込まれるものの引き続きプラス値を維持し、東北、北海道、静岡(含伊豆)、甲信越では10ポイント以上の上昇が見込まれるなど、概ね上昇もしくは横ばいの見通し。
(単位:DI)  
  1年前
(1-3月)
9ヵ月前
(4-6月)
6ヵ月前
(7-9月)
3ヵ月前
(10-12月)
現況
(1-3月)
3ヵ月後
(4-6月)
北海道 - 13 1 30 - 11 - 10 5
東北 - 45 - 37 - 10 - 25 - 49 -31
東京〈含横浜・浦安〉 14 5 15 - 7 9 11
関東 - 22 - 25 - 8 - 18 - 11 - 12
甲信越 - 38 - 36 - 27 - 25 - 37 - 27
静岡〈含伊豆〉 - 30 - 28 - 20 - 25 - 37 - 26
愛知・岐阜・三重 - 40 - 44 - 24 - 22 - 31 - 30
北陸 - 31 - 45 - 32 - 30 - 26 - 25
京阪神 - 20 - 4 - 4 - 2 - 13 - 10
近畿 - 20 - 16 - 12 - 11 - 17 - 12
山陽・四国 - 29 - 29 - 24 -26 - 32 - 24
山陰 - 39 - 42 - 32 - 33 - 37 - 34
九州 2 - 11 3 - 7 5 6
奄美・沖縄 14 14 31 10 28 20

国内旅行の需要動向(団体旅行)




団体旅行のDI値は、軒並み3ヵ月前(10〜12月)より10ポイント以上低下し、職場では24ポイントと大きく低下した。
前年同時期と比較すると、職場、教育はほぼ同水準だが、招待・報奨は9ポイント、サークル・親睦は6ポイント下回る。
3ヵ月後(4〜6月)は、招待・報奨で20ポイント、サークル・親睦、職場では10ポイント程度近い上昇が見込まれる。
(単位:DI)  
  1年前
(1-3月)
9ヵ月前
(4-6月)
6ヵ月前
(7-9月)
3ヵ月前
(10-12月)
現況
(1-3月)
3ヵ月後
(4-6月)
招待・報奨 -32
-26
-22
-25
- 41 - 22
職 場 - 33 -24 - 28 -10 - 34 - 23
サークル親睦 -25 -17 - 21 -16 - 31 - 20
教 育 - 38 - 34 - 27 -24 - 37 - 34

国内旅行の需要動向(個人観光旅行)



個人観光旅行のDI値を3ヵ月前(10〜12月)と比較すると、ファミリーはほぼ横ばいであったが、
シニアは20ポイント、OLは10ポイント低下した。
前年同時期と比較すると、ファミリー、シニアはほぼ同水準だが、OLは10ポイント下回る。
3ヵ月後(4〜6月)は、シニアで11ポイント、OLは6ポイントの上昇が見込まれる。
(単位:DI)  
  1年前
(1-3月)
9ヵ月前
(4-6月)
6ヵ月前
(7-9月)
3ヵ月前
(10-12月)
現況
(1-3月)
3ヵ月後
(4-6月)
OL - 26 - 28 - 22 - 26 - 36 - 30
ファミリー - 13 - 21 13 - 13 - 11 - 11
シニア※ 0 9 16 20 0 11
※「シニア」(旧シルバー)は60歳以上の顧客を指す  
旅行市場動向調査について

 JATA(日本旅行業協会)では、2008年1月にE-mail会員各社へ調査モニターへの登録を依頼し、登録のあった618社を会員として、四半期ごとに「旅行市場動向調査」を実施し、その結果を発表しております。
 「旅行市場動向調査」は、現況・先行き(3ヵ月後)についてのアンケートに答えていただいたものから旅行市場の動向を把握することを目的としております。
 調査では各質問事項に対し「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」で評価を求め、回答数から「取り扱っていない」(無回答を含む)への回答を除いたものを母数として各回答のシェアを算出し、「DI」(=Diffusion Index ディフュージョン・インデックス)という景気動向指数に加工して発表をいたします。DI値の範囲は、全て良い(100)から、全て普通(0)、全て悪い(−100)の間の評価となります。

調査概要
調査地域 : 全国
調査対象: JATA会員各社の経営者など
調査方法: インターネット調査
調査期間: 2008年2月18日(月)〜3月3日(月)
設定数 : 618社
回収数: 275社
回収率: 44.5%

 業態別区分について
「旅行市場動向調査」では、各業況を業態別に分析しています。
各業態の定義と今回調査での回答件数は下記の表の通りとなっています。

業態名 定義 件数
総合
旅行会社
全国にネットワークを持ち、全分野に商品を持つ大規模な旅行会社 37
海外旅行
ホールセラー
海外旅行を専業とするホールセラー会社 24
海外旅行系
旅行会社
旅行業の取扱額が50億円以上で、うち海外旅行の取扱額が80%以上の旅行会社 16
国内旅行
ホールセラー
国内旅行を専業とするホールセラー会社 10
リテーラー 1 上記以外で旅行業の取扱額が30億円以上の旅行会社 26
リテーラー 2 上記以外で旅行業の取扱額が30億円未満の旅行会社 118
インハウス 親会社の業務渡航などを中心に行っている旅行会社 44
この資料についてのお問合せは、JATA広報室までお願いします。
TEL :(03)3592−1244(直)

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