(広報資料) 2009年4月1日




 JATA(日本旅行業協会)では、旅行市場の動向を捉えるため、会員各社に定期的にアンケートを実施し、旅行の種類、方面、顧客層別に業況判断を指数化して四半期ごとにまとめている。
(調査の概要については末尾に記載)
 2009年2月中旬から3月上旬にかけて実施した「旅行市場動向調査」によると、深刻な景気悪化で旅行市場は海外、国内ともさらに冷え込み、ことに国内DIは前回見通しを大きく下回った。3ヵ月後は燃油サーチャージ値下げにより海外市場では好転が期待されるが、好材料を欠く国内市場は横ばいの見通し。

海外旅行全般の業況について
景気悪化による個人消費の低迷や企業の経費削減で、海外DIはさらに低下。
しかし今後はウォン安で好調な韓国に加え、燃油サーチャージの値下げが
ロング方面の需要を喚起するものと期待され、海外DIは良化に転ずる見通し。
現 況: 景気悪化で海外旅行市場は低迷が続くが、韓国は好調



「経済環境悪化の影響で業務出張は原則禁止、個人消費も低迷しており、最悪の状態である。」
(インハウス)
「景気の低迷が顕著にあらわれている中で、韓国はウォン安で渡航者が多い。」(リテーラー2)
海外旅行全般のDIはさらに8ポイント悪化し、−72と前年同時期を約40ポイント下回る結果となった。
3ヵ月後(4-6月)の見通し:  燃油サーチャージ値下げによる需要喚起が期待され、好転の見通し



「燃油サーチャージの大幅値下げにより、ロングデスティネーションが増加すると推定。また、韓国も継続して好調に推移すると考える。」(総合旅行会社)                                   
「4月以降、燃油サーチャージが下がることにより、若干良くなると思う。」(海外旅行ホールセラー)
3ヵ月後(4〜6月)には底を脱し、15ポイントの上昇が見込まれる。
総 合
 景気悪化と先行き不安感から個人消費は低迷し、企業では経費削減策として業務出張の自粛が一層進むなど、海外旅行市場をとりまく情勢は一段と厳しさを増した。
 ウォン安の韓国などアジアの一部が需要を伸ばしているのが現状だが、今後は燃油サーチャージの値下げにより、ヨーロッパなどロング方面の需要喚起が期待される。



(単位:DI)
  2年前
(1-3月)
1年半前
(7-9月)
1年3ヵ月前
(10-12月)
1年前
(1-3月)
9ヵ月前
(4-6月)
6ヵ月前
(7-9月)
3ヵ月前
(10-12月)
現況
(1-3月)
3ヵ月後
(4-6月)
海外
旅行
全般
-2 -7 -11 -33 -53 -62 -64 -72 -57
※-69




※は2008年12月期調査見通し数値
  1年半前
(7-9月)
1年3ヵ月前
(10-12月)
1年前
(1-3月)
9ヵ月前
(4-6月)
6ヵ月前
(7-9月)
3ヵ月前
(10-12月)
現況
(1-3月)
3ヵ月後
(4-6月)
総合旅行会社 -12 -16 -47 -67 -81 -81 -66 -41
海外旅行
ホールセラー
-20 -27 -42 -73 -82 -87 -85 -63
海外旅行系
旅行会社
9 0 -63 -28 -64 -64 -82 -73
リテーラー1 -24 -22 -40 -71 -73 -80 -81 -55
リテーラー2 -6 -3 -27 -48 -60 -53 -62 -48
インハウス 11 -6 -13 -39 -36 -54 -84 -86


海外旅行の需要動向(顧客層別)
商用・視察、インセンティブは続落したが、卒業旅行シーズンの学生は大きく上昇、
他の顧客層も小幅ながら良化に転じた。3ヵ月後は学生以外で上昇が見込まれる。
3ヵ月前(10〜12月)と比較した顧客層別DIは、商用・視察では引き続き大きく22ポイント後退したほか、インセンティブも7ポイント低下した。一方で卒業旅行シーズンを迎えた学生では19ポイントの上昇があり、他の顧客層も小幅ながら上向きに推移した。
前年同時期と比較すると、商用・視察は55ポイント下回り、インセンティブ、学生、ファミリー、シニアも30ポイント以上低い水準だが、ハネムーンはほぼ前年並みを維持している。
3ヵ月後(4〜6月)は、学生で低下が見込まれるものの、シニア、ファミリーは10ポイント前後、その他の顧客層では5ポイント前後上昇する見通し。



(単位:DI)  
  1年前
(1-3月)
9ヵ月前
(4-6月)
6ヵ月前
(7-9月)
3ヵ月前
(10-12月)
現況
(1-3月)
3ヵ月後
(4-6月)
ハネムーン -49 -53 -63 -56 -52 -45
ファミリー -41 -57 -67 -78 -74 -65
OL -50 -61 -73 -72 -69 -65
学生 -29 -75 -74 -82 -63 -70
シニア -13 -30 -38 -51 -46 -32
インセンティブ -43 -54 -58 -72 -79 -76
商用・視察 -18 -21 -28 -51 -73 -70
※「シニア」(旧シルバー)は60歳以上の顧客を指す  

海外旅行の需要動向(方面別)
アジアのDIは上昇し、他方面に比べても高い水準。
一方、アメリカ・カナダ、ヨーロッパ、中国は大きく低下した。
3ヵ月後はヨーロッパの良化が見込まれる。
方面別DIを3ヵ月前(10〜12月)と比較すると、韓国が好調なアジアは9ポイント上昇し、ハワイも4ポイント上昇した。一方、アメリカ・カナダ、ヨーロッパ、中国は10ポイント以上低下した。
全方面で前年同時期を大きく下回り、中国は53ポイント、他の方面も30〜40ポイント程度低い水準となっている。
3ヵ月後(4〜6月)はヨーロッパで11ポイント、中国では8ポイントの良化が見込まれ、アジア、ハワイ、アメリカ・カナダも5ポイント前後上昇する見通し。




(単位:DI)  
  1年前
(1-3月)
9ヵ月前
(4-6月)
6ヵ月前
(7-9月)
3ヵ月前
(10-12月)
現況
(1-3月)
3ヵ月後
(4-6月)
ハワイ -31 -42 -67 -67 -63 -59
アメリカ・カナダ -47 -52 -68 -65 -79 -75
ヨーロッパ -28 -35 -49 -57 -70 -59
オセアニア -41 -60 -80 -73 -76 -79
ミクロネシア -25 -39 -57 -62 -61 -61
中国 -29 -60 -70 -71 -82 -74
アジア -1 -24 -41 -48 -39 -33

国内旅行全般の業況について
急速な国内景気の悪化で、国内DIは前回の見通し以上に悪化した。
円高や燃油サーチャージ値下げにより海外の復調が見込まれるのに対し、
国内は当面、低迷から脱却する好材料に乏しい。
現 況: 海外から国内にシフトする傾向がみられるものの、景気悪化に伴い、出張激減などの影響
      で国内市場は大幅に縮小


「景気減退により個人消費ならびに国内出張需要等が急激に落ち込んでいる。」(リテーラー1)
「海外旅行をとりやめた団体、個人が国内旅行へシフトしている。」(インハウス)
国内旅行全般のDIは26ポイント下落して−42と、前回見通しの−26を大きく下回った。
3ヵ月後(4-6月)の見通し: 海外からのシフトも期待できず、低迷が続く見通し  




「旅行会社利用が減少して直接手配が多くなってきている。」(インハウス)
「景気悪化による影響が大きく、推移はそう変更ないと思われる。 」(総合旅行会社)
「円高、燃油サーチャージの大幅引き下げによって海外旅行への注目が集まっており、国内旅行のライバルとなりうる状態にある。」(総合旅行会社)
3ヵ月後(4〜6月)もほぼ横ばいで推移する見通し。
総 合:
海外から国内へのシフトは依然続くが、景気の急速な悪化にともない国内DIは大幅に下落した。
海外に比べDI値は高い水準にあるものの、安近短志向の強まりやネット利用による旅行会社離れが指摘され、さらに円高や燃油サーチャージの値下げなどで海外旅行の復調が見込まれるのに対し、国内市場を牽引する好材料に乏しいのが現状。



(単位:DI)
  2年前
(1-3月)
1年半前
(7-9月)
1年3ヵ月前
(10-12月)
1年前
(1-3月)
9ヵ月前
(4-6月)
6ヵ月前
(7-9月)
3ヵ月前
(10-12月)
現況
(1-3月)
3ヵ月後
(4-6月)
国内
旅行
全般
-7
5 -6 -7 -12 -6 -16 -42 -40
※-26




※は2008年12月期調査見通し数値
  1年半前
(7-9月)
1年3ヵ月前
(10-12月)
1年前
(1-3月)
9ヵ月前
(4-6月)
6ヵ月前
(7-9月)
3ヵ月前
(10-12月)
現況
(1-3月)
3ヵ月後
(4-6月)
総合旅行会社 -8 -27 -18 -27 -4 -24
-39
-42
国内旅行
ホールセラー
-45 -50 -10 29 20 -44 -29 -29
リテーラー1 20 -23 9 -21 -8 -17 -46 -54
リテーラー 2 2 14 -7 -13 -6 -10 -36 -30
インハウス 25
0 0 0 -5 -8 -57 -50


国内旅行の需要動向(方面別)
北海道、東北、北陸をはじめ、全方面で2ケタの低下となった。
3ヶ月後に良化が見込まれるのは北海道、東北など一部で、その他は横ばいの見通し。
方面別DIは全方面で3ヵ月前(10〜12月)より2ケタの悪化となり、北海道、東北、北陸のDIは30ポイント前後下落した。
前年同時期よりも軒並み大きく下回っており、中でも奄美・沖縄は58ポイント、北海道、九州は約40ポイント低く、首都圏からロングポーションの不振が顕著となっている。
3ヵ月後(4〜6月)は、北海道、東北、甲信越などでやや良化が見込まれるものの、総じて動きは鈍く、低迷が続く見通し。



(単位:DI)  
  1年前
(1-3月)
9ヵ月前
(4-6月)
6ヵ月前
(7-9月)
3ヵ月前
(10-12月)
現況
(1-3月)
3ヵ月後
(4-6月)
北海道 -10 -4 -3 -18 -52 -43
東北 -49 -37 -50 -46 -75 -68
東京〈含横浜・浦安〉 9 8 8 -3 -20 -25
関東 -11 -17 -13 -22 -36 -36
甲信越 -37 -31 -23 -42 -56 -50
静岡〈含伊豆〉 -37 -30 -29 -35 -51 -47
愛知・岐阜・三重 -31 -30 -30 -44 -63 -63
北陸 -26 -32 -26 -31 -57 -58
京阪神 -13 -14 -16 -25 -36 -35
近畿 -17 -17 -28 -29 -48 -48
山陽・四国 -32 -30 -28 -33 -54 -53
山陰 -37 -42 -32 -38 -58 -62
九州 5 -3 -8 -11 -33 -34
奄美・沖縄 28 11 3 -8 -30 -29

国内旅行の需要動向(団体旅行)
団体旅行のDIは、3ヵ月前(10〜12月)に比べて職場は27ポイント、招待・報奨、サークル・親睦は15ポイント以上、教育は5ポイント低下した。
前年同時期と比較しても、職場、招待・報奨、サークル・親睦は20ポイント以上低い水準となった。
3ヵ月後(4〜6月)はサークル・親睦、教育で7ポイントの上昇が見込まれるが、職場、招待・報奨は横ばいで推移する見通し。



(単位:DI)  
  1年前
(1-3月)
9ヵ月前
(4-6月)
6ヵ月前
(7-9月)
3ヵ月前
(10-12月)
現況
(1-3月)
3ヵ月後
(4-6月)
招待・報奨 -41 -34 -50
-49 -67 -66
職 場 -34 -29 -41 -36 -63 -64
サークル親睦 -31 -20 -30 -39 -54 -47
教 育 -37 -22 -21 -35 -40 -33

国内旅行の需要動向(個人観光旅行)
個人観光旅行のDIは全顧客層でさらに悪化し、3ヵ月前(10〜12月)に比べファミリーでは22ポイント、シニアは17ポイント、OLは11ポイント低下した。
前年同時期と比較すると、ファミリーは44ポイント下回り、OL、シニアも20ポイント前後低い水準となっている。
3ヵ月後(4〜6月)については、いずれの顧客層も横ばいで推移する見通し。



(単位:DI)  
  1年前
(1-3月)
9ヵ月前
(4-6月)
6ヵ月前
(7-9月)
3ヵ月前
(10-12月)
現況
(1-3月)
3ヵ月後
(4-6月)
OL -36 -32 -37 -50 -61 -59
ファミリー -11 -20 -21 -33 -55 -55
シニア 0 4 5 -1 -18 -18
※「シニア」(旧シルバー)は60歳以上の顧客を指す  

旅行市場動向調査について
 JATA(日本旅行業協会)では、2009年1月にE-mail会員各社へ調査モニターへの登録を依頼し、登録のあった638社を会員として、四半期ごとに「旅行市場動向調査」を実施し、その結果を発表しております。
 「旅行市場動向調査」は、現況・先行き(3ヵ月後)についてのアンケートに答えていただいたものから旅行市場の動向を把握することを目的としております。
 調査では各質問事項に対し「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」で評価を求め、回答数から「取り扱っていない」(無回答を含む)への回答を除いたものを母数として各回答のシェアを算出し、「DI」(=Diffusion Index ディフュージョン・インデックス)という景気動向指数に加工して発表をいたします。DI値の範囲は、全て良い(100)から、全て普通(0)、全て悪い(−100)の間の評価となります。

調査概要
調査地域 : 全国
調査対象: JATA会員各社の経営者など
調査方法: インターネット調査
調査期間: 2009年2月16日(月)〜3月2日(月)
設定数 : 638社
回収数: 269社
回収率: 42.2%
業態別区分について

「旅行市場動向調査」では、各業況を業態別に分析しています。
各業態の定義と今回調査での回答件数は下記の表の通りとなっています。
業態名 定義 件数
総合旅行会社 全国にネットワークを持ち、全分野に商品を持つ大規模な旅行会社 35
海外旅行ホールセラー 海外旅行を専業とするホールセラー会社 27
海外旅行系旅行会社 旅行業の取扱額が50億円以上で、うち海外旅行の取扱額が80%以上の旅行会社 11
国内旅行ホールセラー 国内旅行を専業とするホールセラー会社 7
リテーラー1 上記以外で旅行業の取扱額が30億円以上の旅行会社 33
リテーラー2 上記以外で旅行業の取扱額が30億円未満の旅行会社 110
インハウス 親会社の業務渡航などを中心に行っている旅行会社 46
この資料についてのお問合せは、JATA広報室までお願いします。
TEL :(03)3592−1244(直)
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