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    新春企画 森永氏  
P2-4 【新春企画:念頭のご挨拶/社長が語る“2009年の抱負・期待”】



社団法人 日本旅行業協会
会長 金井 耿

 2008年を振り返ってみますと、石油価格の急昇に伴う物価上昇、アメリカに端を発する株価下落に続き、景気が悪化し、また旅行業界にとっても四川大地震以来の中国旅行の大幅な落ち込み、燃油サーチャージ、ゼロコミッションなど課題の多い大変厳しい年でした。そうした中、4月に日本人海外旅行者数2,000万人に向けたビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)を立ち上げ、さらに10月には観光関係者の悲願であった観光庁が発足するなど、旅行業界にとっては今後の飛躍への大きな布石となる年でもありました。
 2009年は、観光庁が本格的に稼動する年でもあり、当協会としては旅行業界という「民」の立場から、観光庁と共同し、国が掲げる観光立国推進基本法の5つの目標達成に向け、現在推進している国内観光に併せて、インバウンド・アウトバウンド双方向の交流を拡大することにより、より一層の需要喚起と不況に打ち克つ業界体質の強化に努めたいと思います。
 海外旅行においては、昨年秋以降、円高、燃油サーチャージの値下げなど、旅行業界にとっての追い風が吹き始めており、2年目に入るVWCを強力に推進し、目標である2010年の2,000万人達成に向け大きな歩みを進めたいと思います。国内旅行においては、国が進める新しい観光のあり方を提案するニューツーリズム創出事業に主体的に取り組むなど地方との有機的な連携で地方の活性化を進めるとともに、併せて国民1人当たりの年間宿泊数4泊に向けて取り組んでまいります。
 JATAは今年創立50周年を迎えます。この記念すべき年にあって、景気対策の観点からも「旅の力」がいきいきと発揮されることを期待するとともに、会員サービスのさらなる充実を期すことにより、旅行業界全体を活性化させていきたいと考えております。
 本年も一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 旅行業界をあげて2010年までに海外旅行者数2,000万人を目指すVWCがスタートした2008年。アメリカを発端とする金融危機や押し寄せる景気後退感の影響で、旅行市場は厳しい状況にありますが、経営者の皆様は2009年をどのような年にしたいと考えているのでしょうか。こうなればいいなという市場への期待感、目標、業界展望、願いなどを込めて、2009年の抱負・期待を色紙に直筆で書いていただきました。
※50音順に掲載


 私が生まれ育った中国には、日本では使われない難しい漢字が多数ありますが、この「上」という字は、日本と共通で昔から書き方も意味も変わらない漢字の一つ。上質、上品など、上向きな意味を持ち、シンプルで分かりやすいところが好きです。
 日中友好30年になり、日中間は輸出・輸入・生産等のビジネスで、一層緊密になっており、併せて、観光面でも必ず拡大すると信じています。在日中国人50万人のうち、10万人は留学生。1人っ子の多くが年に数回帰国します。当社では中国人社員4人を在籍させ、母国語で対応。日本人の業務渡航に関しても、携帯電話を利用してタクシーやホテルで同時通訳を行うなど、マニュアル通りではないサービスで他社との差別化を図っています。
 競争相手は他社ではなく、過去の自分。サービスや提案など自信を持って差別化できれば、厳しい現実の中でもやっていけそうな気がします。


2008年度はユニットの取り扱いも含め、海外旅行の売上は大変厳しい状況です。しかし、円高で旅行しやすい環境になっていること、原油が値下がりしていること、全日空の燃油サーチャージ込みの運賃をうまく利用するなどして、2009年度は前々年を上回るのが目標です。また、リテーラーの皆様には分かりやすいコミッション形態にして、すっきりした形でやっていきたいと思います。昨年からVWCが始まったことですし、停滞する海外旅行市場をぜひ2,000万人に向けて押し上げたいですね。円高でインバウンドは影響があるかもしれませんが、アウトバウンドにとっては追い風です。
 円高、燃油の値下がりをはじめ、明るい要素もあるものの、旅行会社にとっては試練の年になりそうです。価格を上げずに内容を充実させること、お客様が求めるものを追求すること、こうした原点回帰の取り組みが、海外旅行大増売に、さらに海外旅行者2,000万人につながると確信しています。


2008年3月末に社長に就任して9カ月。今年が正念場ととらえ、「二年目の挑戦」を掲げました。観光庁もVWCも2年目となる今年が手腕を問われるのではないでしょうか。2015年の創立60周年を前に、KNTでは2009年を初年度とする3カ年に及ぶ中期経営計画を策定。私自らが経営戦略本部長となって強いリーダーシップを発揮し、この局面を乗り切ります。ウェブ上で展開している体験・交流型などのニューツーリズムを定着させ、2015年には旅を基盤として世界中に「豊かな時空間」を創造する企業グループを目指します。今年をそんな第一歩にしたいと思います。
 しかし、それにはまず、旅行業全体の発展が不可欠。呉越同舟ではなく、まずは協調して需要を喚起し、その中で競争をしなければ業界の未来も危うい。JATA国内旅行委員会としても観光旅行消費額30兆円、1人年間4泊の目標達成に向けた「宿泊旅行拡大」への具体策を詰めています。2008年が「景気の底だった」と言えるように、共に頑張りましょう。


 厳しい経済環境が続きますが、いろいろ難しく考えずに「常に前向きで元気に明るく出航しましょう!」という意味を込めてSail Away。世界の主要客船は、季節の良い波の穏やかな場所に配船されます。青い海、青い空、明るい太陽の下で、しがらみ、苦しみ、悩みなどを脱ぎ捨てて、思い切り癒されるのがクルーズの醍醐味。思い悩んだらクルーズに乗り、オーシャンヒーリングの力で気分を一新して、エネルギーを蓄えましょう。
 クルーズは電話1本で手配ができ、お客様に必ず喜んでいただける商品。オールインクルーシブだから満足度も高く、リピーターの多さがそれを実証しています。今はカジュアルクルーズもあり、手軽に乗船できます。「高い、売るのが難しい」などと独自の先入観やハードルを設けずに、自信を持ってどんどん大海原の魅力に挑戦しましょう。
 市場は新しい提案を待っています。まずは旅行業界が明るくなくちゃ。


 27年間旅行業をしてきましたが、ここ数年、特に業績が悪かった昨年は方向性を見いだせず、何をしてよいのか分かりませんでした。航空券やホテルの販売、他社商品の販売…。コミッションが消えつつある中、このような業態で将来もやっていけるのか、不安でした。そうした中、ニッコーバリリゾート&スパのチャペルの建設に携わったことをきっかけに、自社でバリ島にチャペルを立ち上げ、自分たちで主導権を持って市場に商品を提案していこうと決心しました。自社でハードを持って仕事がしたい。この一心で、日本市場だけでなく、インドネシア国内からも集客しようと、ジャカルタでもセールスしています。
 オープンから間もないため、まだまだ刈り取れていない状況ですが、今後はウェディングツアーなど、旅行をベースに目的を持ったツアーを自社で企画・実施していきます。チェンジ旅行業ビジネス。リスクを背負ってでも自社でしかできない商品をつくり、旅行業の発想そのものを変えていきたいですね。


 今年、海外旅行市場がどこまで復活するか、VWCの活動に期待します。また、地域の活性化は、日本経済における観光の位置付けを高めるチャンスでもあります。旅行業がどのように地域にかかわっていけるかが重要になります。
 旅行会社の規模を大きくする「成長」は必要ですが、これにプラスして何の目的で海外へ行くかなど、ライフスタイルを提案する「発展」が必要。旅行業も新たな変革で現在の業態を価値創造産業へと変えるべきです。
 アジアにおける3国間ビジネスを展開させ、交流文化事業を発展させるのもその一つ。交流、文化、経済、教育、健康の5つの「旅の力」を活かし、従来の総合旅行業から「交流文化産業」へ発展することがブランド価値の向上につながります。
 2009年は、翌年の羽田空港の新滑走路供用開始、バンクーバーオリンピック、南アフリカでのサッカーワールドカップ、上海万博などを控えた年。ここで何かを仕掛けた会社が生き残るでしょう。


 経済状況は厳しく、円高や燃油の値下げなどプラスの要因はあるものの、海外旅行需要はすぐには回復しないでしょう。このようなときこそ、旅行の商品価値を高め、品質の良いものをつくってお客様に選んでいただけるように努めなければなりません。安売りで量を稼ぐのではなく、品質+価値で満足度を高め、ビギナーやリピーターを拡大する必要があります。
 価値の向上には、「旅行商品の価値の向上」、「旅行会社の企業としての価値の向上」、「業界全体の価値の向上」という3つのカテゴリーがあります。最近、若い人が海外に行かないといわれますが、自分にあった価値のある商品がないのも理由のひとつ。不況時こそ、個々の価値観に合わせた品質の良いものを提供すべきだと思います。その結果が数につながっていけばベスト。一発狙いではなく、着実に一歩ずつ工夫をしていきましょう。
 ジャルパックブランドは今年45周年。商品の幅を広げ、多様性のある品質と価値で勝負します。


 旅行業界は佳境のときを迎えています。今こそ旅行会社の真の存在意義が問われているような気がします。
 旅行会社の商品は果たして旅行商品なのでしょうか? 本質は形を旅行商品に見立てたサービスなのではないでしょうか。旅行会社は顧客のTPOや好みに合った商品を提案する能力が必要不可欠です。当社でもインターネットでの見た目以上に、顧客サービスの向上に切磋琢磨し、「これでよいのか?」と常に自問自答しています。こうした精神こそがこれからの旅行会社の存在意義であり、長期にわたって旅行業界が繁栄するための使命だと、新世代のリーダーの1人として考えています。
 旅工房は来期、設立15周年の節目を迎えます。これを機に、旅行の真のサービスを追い求め、さらにサービスに磨きをかけるべく、原点に帰って自らの存在意義を問う年にしたいと考えています。疑いを追い続けたデカルトの言葉を胸に抱いて。


 2008年秋の金融恐慌以来、言い続けているのが、Speed, Soft, Smileの3つのSの実行です。
 世の中は加速度的に変化しています。お客様や現場の要望へのレスポンス、市場ニーズのくみ取り、社内のコミュニケーション、商品づくり、事業の展開など、すべてにおいてスピード感が必要です。次にソフト、言い換えれば柔軟性です。今の経済の流れをみると、これまでの概念の変更を余儀なくされており、従来の価値観や既成概念にとらわれない新たな発想が求められています。団体旅行のセールスでも積極的にMICE市場を開拓し、提案するなど、伝統や習慣にとらわれない手法が必要です。スマイルは笑顔。常に笑顔でいることはもちろん、お客様から笑顔をもらえるようになることが重要です。
 3つのSを実践するには、情報にセンシティブになる「ウサギの耳」、広い視野を持つ「トンボの目」、汗をかいて歩き回る「アリの足」が必要です。苦しいときこそ、お客様の満足度を高め、リピーターを育成すれば、業界も必ず明るくなると信じています。


 厳しい経済状況が続く中、燃油サーチャージ低額傾向は旅行業界にとっては喜ばしいことです。とはいえ、業界をとりまく環境は大きく変化しています。海外旅行需要の回復・国内旅行市場の拡大・訪日誘客という業界全体としての課題に向け、昨年新設の観光庁、JATAのもとに各社が最適な事業展開することが求められており、当社も積極的に需要喚起を含め貢献してゆきたい。
 当社では品質の向上を大命題としています。良質な旅行の提供による一層の需要喚起を念頭におき、お客様により満足していただくことを目標に、着実にお客様との信頼関係を築いていくことが必要と考えております。
 また、商品企画力だけでなく、活字媒体、インターネット、携帯電話等を活用したクロスメディア展開など、当社の強みのさらなる強化を図り、業務渡航、国内旅行の強化も確実に進めていきます。堅実かつ的確な策を講じ、旅行市場の需要喚起につなげていきたい。

新春企画 森永氏
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