1月号インデックス巻頭特集11巻頭特集21新春企画「私たちが描くツーリズム 夢の扉」
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   添乗員のための旅行医学
P10-11 【シリーズ:Cafe de JATA Vol.44】




【やまちゃん】
年齢層が高く、男性のイメージが強い鉄道の旅に、新しい切り口でアプローチできないものかと、若い女性向けの「鉄旅ガールズ」プロジェクトを発案しました。まずはチームを作るために、鉄道に詳しい女子を集めて社内をリサーチ。最初に声をかけたのが、とくちゃんなんです。

【とくちゃん】今でもよく覚えてる! やまちゃんに呼ばれて有楽町で待ち合わせて…。初対面だったけど、女子の鉄道の旅を盛り上げようと、お茶をしながら熱く語り合ったよね。
【スミー】私は現在の仕事に就いてから鉄道に興味を持つようになって、とくちゃんとお知り合いに。彼女からプロジェクトの話を聞いて、ガールズに仲間入りしました。

【マイケル】「あの子は鉄道が好きらしいよ」という噂を聞けばその人に声をかけに行き、仲間を増やしています。あと、ガールズと並行したプロジェクトで大学の鉄道研究会(鉄研)の集まりもあるので、掛け持ちで参加している大学生もいますね。彼女たちの知識は「さすが鉄研!」の一言。

【やまちゃん】ミーティングで、2泊3日、九州の鉄道旅行の計画をメンバーそれぞれがプレゼンする機会があったけど、大学生はプランニングが緻密ですよね。





 
駅弁はもとより、旅先でのグルメは
女子には欠かせない


ディープな撮り鉄ではないので
、「列車と自分」の写真は基本


あいづライナーは男子的には
「かっこいい」かもしれないが、
女子的には赤い列車は「かわいい」のだとか…
【スミー】ダイヤを完全に把握していて、無駄なく、たくさんの鉄道を乗りつぶしていくという感じ。一方、社会人組は、「この温泉に寄るためにこの鉄道に乗って」というように旅行の要素を盛り込む傾向にあるよね。みんなの計画を見ていくと、それぞれの個性が出ていて、こちらもなかなか面白い!

【とくちゃん】私は、いわゆる「乗り鉄」だから、お目当ての鉄道に乗ること自体が旅の大きな目的。この前も、上野―青森間を走る『あけぼの』の女性専用車両「レディースゴロンとシート」に乗りました。通常の寝台車と同じで横になることができるけど、寝具がついていないだけで、寝台料金がかからないから、お得なんです。

【マイケル】周りが女性だけっていうのも安心ですよね。

【とくちゃん】それに、乗り合わせたのは鉄道の旅が好きな人たちばかりだったから、「次はどれに乗るの?」なんて鉄道談議で盛り上がりましたね。



いすみ鉄道や小湊鉄道は、
車両のかわいらしさから乗車そのものが目的に


小湊鉄道は列車だけでなく、
ひなびた駅舎や傍らに咲く花も女子心をくすぐる
 

【スミー】
「鉄ちゃん」と呼ばれる男性の鉄道マニアの存在は以前からよく知られていたけど、やはり女性の鉄道好きはマイノリティでしたよね。別に隠しているわけではなかったけど、鉄道に詳しいことを「業務知識ですから」と言ってごまかしたり(笑)。

【とくちゃん】女性マンガ家が鉄道の旅を描いた『鉄子の旅』が出てから世間の認知度が上がって、自分の趣味を公言することに抵抗がなくなりました。そういう、鉄道好きの女子は多いと思うし、最近鉄道好きになった女子も増えていると感じます。

【やまちゃん】私は、今や「鉄子ですけど、何か?」みたいなノリです(笑)。もともと、女性誌の旅行特集では鉄道の旅がよく取り上げられていて、女子の鉄道に対する興味は潜在的にあったように思います。メディアの影響力は大きいですから、「鉄旅ガールズ」のウェブサイトも、情報発信のツールとして重要ですよね。


【とくちゃん】
鉄道の旅を女子にどのようにアピールしていくか。これが目下の課題。コアな鉄道の旅を紹介しても、女子はとっつきにくい。

【マイケル】マニア度が高いと女子は引きますよね。「うっ! 男子的…」って。

【やまちゃん】サイトには、メンバーによる女子の目線で捉えた鉄道の旅のレポートをアップしています。車両ばかりでなく、きれいな景色やご当地グルメなどの写真も載せて、やわらかいデザインにしていますね。

【スミー】鉄道好きの女子にとって、見た目がかわいい鉄道や、車内でイベントがある鉄道に乗ることは大きな目的ですが、それだけではもの足りない。プラスして、外観がおしゃれな駅舎を訪ねたり、おいしいごはんを食べたり、桜や紅葉を見に行ったり。

【とくちゃん】夜景スポットに行くのも女子的かな。

【マイケル】温泉も外せないでしょ。あくまでも鉄道以外の観光目的があって、旅を盛り上げる1つの要素として「鉄道も楽しんじゃえ!」というノリの女子が多いのかもね。



車内で楽しむのは、車窓、
車内&途中駅のグルメ、おしゃべり、音楽。
決して時刻表だけではない!?


右より、徳永さん、佐々木さん、高橋さん、山田さん
 

【やまちゃん】
鉄道の旅には、癒しがありますよね。

【スミー】レトロな駅舎や単線のローカル鉄道が好きなメンバーもいます。そういったのどかな風景に、女子は「キューン」と胸がときめく。

【とくちゃん】仕事でたまったストレスを、「ゆっくり」「のんびり」な鉄道の旅は解消してくれるような気がします。

【マイケル】1人になりたいときは、鉄道の旅はちょうどいいよね。逆に、女子同士で、車窓の風景を眺めつつ、おしゃべりしながら、お菓子をつまんでお酒を飲んでっていうのも楽しい!

【スミー】男子は、鉄道に乗っていてもひたすら時刻表を読んでいるイメージが(笑)。
 

【やまちゃん】
ガールズのメンバーで、都電荒川線の車両を貸し切って「青空電車会議」を開いたことがあったけど、みんなでワイワイっていうのは女子ならではかもしれないですね。その時、鉄道の旅の女子のファッション談議が盛り上がった!

【スミー】「食べ過ぎてもいいように、体のラインが目立たないワンピースが向いている」とか。

【マイケル】「旅行先だからこそ、たくさん食べてしまおう」という意識はあるよね。その土地限定の駅弁とか、この鉄道でしか食べられないスイーツとか、鉄道の旅には誘惑が多い(笑)。

【とくちゃん】今日のようなノリのミーティングが、プロジェクトの主な活動だけど、このガールズトークの中から出てきたアイデアを、今後はどんどん形にしていきたいですね。

【やまちゃん】2009年秋には、女子の鉄道の旅に合う楽曲を集めたCDを、(株)ソニー・ミュージックダイレクトと共同で発売しました。こういった関連商品のほか、旅行商品の企画も実現できればと思います。その目標に向かって、2010年「鉄旅ガールズ」号、出発進行!

●鉄旅ガールズプロジェクト http://www.jtb.co.jp/kokunai/tetsutabi/girls/index.asp


「鉄ちゃん」というとどうしても濃いイメージがありますが、今どきの「鉄子」は、きれいな景色やおいしいごはん、かわいい車両やおしゃれな駅舎など鉄道以外にも目的があり、旅を盛り上げる要素として鉄道も楽しむというソフトなイメージなのだそうです。鉄道好き女性をいかに旅行に結びつけるか、彼女たちの今後の活躍に期待しています。(し)
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