7月号インデックス特集旅の力JATA NOWVWCニュース │ Cafe de JATA │添乗員のための旅行医学バックナンバー
   添乗員のための旅行医学
P10 【Cafe de JATA】


【久保】昨年の訪日外国人旅行者数は減ってしまったけど、今年の当社の訪日外国人向けツアーはそこそこの滑り出し。春の桜を見に行くツアーの反応は良かったですよね。

【ブライヤン】日本の桜は、最近特に知られるようになったからかな。地獄谷温泉(長野県)に入るスノーモンキーを見るツアーも人気。留学で日本に来ていた当時、私も友だちと見に行きました。

【鈴木】やっぱり行ったんですね!でも、人気No.1は富士山じゃない? 五合目に行って、芦ノ湖から富士山全体を見るツアーは不動の1位。ピーク時にはひと月で4000人以上を案内したことも。

【ブライヤン】日本のシンボルだしね。日本に来たからには行きたいですよ。

【久保】富士山が見える旅館も人気が高いですよね。でも以前、日本全国どこからでも富士山が見えると思っていたお客様がいて驚きました。

【鈴木】「富士山は見えますか?」って問い合わせは多いです。だから、サイトの富士山が見える旅館特集は好評です。

【久保】旅館といえば食事も重要。特にベジタリアンは、肉だけダメというレベルもあれば、卵も食べないレベルまであります。サイトで紹介する宿泊施設との仕入れ交渉は鈴木さんの担当だけど、旅館の対応はどうですか?

【鈴木】以前は言葉の問題もあって「外国人の受け入れは遠慮します」という旅館さんも多かったのですが、最近は受け入れに積極的な旅館さんが増え、外国人への対応も柔軟になりつつあります。むしろ、もっと食事内容をサイトで紹介してほしいなどのリクエストをいただくこともありますよ。



【ブライヤン】日本の旅館はクオリティとともに、徐々に知られてきていると思う。でも露天風呂はアメリカなど少し抵抗がある国も。ヨーロッパはサウナの文化があるから、他人と入ることに抵抗感が少ない。中国や韓国、台湾もほとんど大丈夫だと思います。

【鈴木】他人とお風呂に入ることに抵抗がある人には、個室露天風呂付きの旅館や、家族風呂、時間帯で貸し切り風呂を用意している旅館を紹介しています。そういう特集ページも好評でしたよ。

【久保】ジャパニカンでは英語、韓国語、繁体字、簡体字表記の4種のサイトをそれぞれネイティブの人に作成してもらっているけど、どのようなことを意識していますか?

【ブライヤン】以前のサイトはアメリカ人の私から見ると、ちょっとわかりにくかったね。特にサイト内で使っている言葉や仕組みが理解できなかった。例えば、日本の宿泊施設の予約によくある「プラン」という考え方。欧米では部屋のタイプを選ぶだけなのに、日本では同じ部屋でも夕食の内容や部屋によって「○○プラン」と申し込み内容が変わってしまう。

【鈴木】確かに、その問い合わせが多かったです。そういった指摘を受けて、今は、予約の流れを二段階に分けています。最初に旅館と部屋を選んでいただいて、次に食事を選んでもらっています。

【ブライヤン】ホテル予約サイトでいえば、海外のサイトは客室販売中心のレイアウトが主流。でも、日本を訪れる外国人は目的意識が高い人も多く、日本らしさのあるツアーや文化的な体験を求める人が多い。英語サイトでは写真をメインに、宿泊施設の詳しい特徴や、ツアーで何が体験できるかを紹介しています。

【鈴木】英語サイトでは一昨年、日本食の基本である米を田植えから刈り取りまで追った「米作りブログ」をリアルタイムに更新。訪日を決めた人が当サイトを見て予定を立てるだけでなく、旅行先を検討している人が日本に興味を持ってもらえるよう工夫をしました。最後は稲刈りツアーをして好評でした。


東京、箱根、飛騨・高山、金沢、京都を巡る
9日間のツアー。兼六園での記念撮影


書道を体験するコースなど、
日本の伝統文化への関心は高い


築地場外市場見学の後に、
実際に自分で寿司を握って食べる

日本の忍者に対する
イメージは根強く、
人気の体験型コース

【鈴木】久保さんがツアーに同行したときの外国の方の参加者の反応はどうでした?

【久保】こちらが意図していない何気ないところに感動したり、おもしろがったりするお客様が多いです。例えば、道ばたのお地蔵さんの1つ1つ表情や様子が違うことに興味を持ったり、新幹線の売り子さんが一礼して車両に入ってきて、一礼して出て行く礼儀正しさを楽しがったり。そんな日本人からすると当たり前すぎる部分に文化の違いが転がっているみたいです。それと、地震の多さも驚かれます。

【ブライヤン】そういった外国人が持つ感覚、私はもう日本に来て4年経ってしまったからだんだんと薄れてきたかもしれません。アメリカにいる友人に聞くと、日本は物価が高いイメージがあるらしい。でも、ニューヨークと比べるとそんなことはない。来日前に外国人が抱いているイメージを打ち破るようなお得感あるツアーや宿泊プランがあると、もっと日本に興味を持ってもらえそうです。

【鈴木】サイトを通じてもっと日本の文化や新しいイメージを広めたいですよね。特に、香港、台湾はリピーターが多くFITが主流になりつつあるから、個人では実現できない体験・交流ものは必要でしょう。

【久保】相撲部屋でお弟子さんとちゃんこを食べたり、田舎に泊まるツアーで日本人と外国人の交流を図りたいですね。
日本も外国人観光客の受け入は避けて通れなくなっています。中国、台湾、韓国はもとより、香港、インド、シンガポールのような英語を話すアジアの国々にも注目です。先日、長野の山奥で、シンガポールの女性4人組が旅行をしていて驚きました。聞くと、シンガポールは小さい国で山がないから年に2回は海外旅行に行き、日本は5回目だとか。モダンもトラディショナルも自然もある日本が好きなんだそうです。外国人旅行者は積極的に地方へ繰り出していますし、地方の自治体も外国人に期待を寄せています。日本の文化と自然の良さを紹介できるツアーをつくりたいですね。


アメリカ、ベルギー、中国、韓国の
ネイティブスタッフと日本人スタッフで
運営している




ジャパニカンでは英語、韓国語、繁体字、
簡体字の4種のサイトを用意。
ネイティブがそれぞれの国の特性に合わせた
サイト作りをしている


現在、ワールドカップサッカー南アフリカ大会が佳境を迎えています。サッカーや五輪など世界のトップ選手が国を賭けて戦う真剣勝負はTVを見るだけでも心を打ちます。現地で見ることができればその感動はより一層高いもの。旅行会社が現地観戦のお手伝いができるよう、日本の選手の皆さんには頑張って欲しいですね。(S)

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