町全体が秩父多摩甲斐国立公園に含まれ、町の行政面積の94%が森林という東京都奥多摩町。都心から電車で約2時間で行ける森林には巨樹が1000本余りあり(環境省の全国巨樹・巨木林調査より)、日本水源の森百選にも選ばれています。この資源を観光と健康、町の経済活性につなげようと、森林セラピー基地としての活動が始まりました。
奥多摩町の観光客は、15年ほど前の270万人から近年は145万人にまで落ち込み、さらに町の主要産業である農業、林業が衰退の危機に直面していました。そこで町の資源を観光や地域活性化の手段として目を向け、2004年の森林セラピー研究会の発足をきっかけに検討を開始。2008年、森林セラピー基地として認定を受けました。奥多摩町観光産業課森林セラピー推進係の原島滋隆課長補佐は、「奥多摩という名前は有名ですが、観光地としての魅力が上手く発信されてきませんでした。森林セラピーは、町に来てもらうための素材の1つ」と狙いを語ります。 |