立川 ロシアにビジネス上のことで問い合わせをしても、なかなか話が進まないことがあって大変だよね。でも、一歩ビジネスから離れると、仲間をとても大切にする、一生付き合っていける人たちだと思う。
成川 当社のツアーで初めてチャイコフスキーの生誕地を訪れたとき、町に着いた途端、地元の人たちがパンと塩を使ったロシアの伝統的なおもてなしで出迎えてくれたことがありました。さらには副市長や地元テレビ局まで来ていました。
大森 こちらからは特に何も頼んでいなかったんですが、当時、団体で訪れるツアーは珍しかったようで、地元の方が気をきかせてくれたんですよね。地元の人たちとの交流も生まれ、お客様はすごく喜んでくれました。
成川 同行する先生がフィールドワークの中で現地の博物館や美術館の館長と仲がいいと、地元ボランティアによるミニコンサートを特別に開いてくれることもあって、そういうところがすごくフレンドリー。
立川 ロシアと繋がりが深い専門家が同行すると、こういう相乗効果が生まれますよね。
成川 もちろん、最初からツアーに組み込むことはできないから、現地でのサプライズ的なものだけど。
立川 ロシア人は日本人に友好的。戦後の復活が早かったことや、高い技術を持っていること、小さな国が世界に名を馳せたことなどが、その理由みたい。
大森 でも、ビジネス上だと大変なことも多い。日本人は前もって詳細まで打ち合わせますが、ロシア人は「なんでそんなに細かく決めるの?」といった感覚。日本人の感覚とのギャップは大きいけれど、本番では上手くやるんですよ。
立川 私はお客様から問い合わせが来たら、そういった国柄の違いを話してしまうことがあります。ただ、ロシアを旅行先に選ぶ方は、世界各地を旅行されていたり、ちょっと違った場所に行きたいと思っている方が多いため、意外に理解してくださいます。
|