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P12 【シリーズ:添乗員のための旅行医学 Vol.56】



 7月27日までにヨーロッパ地域での患者数は3910人にのぼり、46人が死亡しました。ドイツ人が大多数を占め、同国滞在中に感染したアメリカ人旅行者も7人(死亡1人)報告されています。日本人旅行者の感染報告はありませんが、今年のヨーロッパ旅行の際には十分な注意が必要です。


 大腸菌O104型は別名、腸管出血性大腸菌と呼ばれています。日本では5月に、北陸地方の焼き肉チェーン店で大腸菌O111型が集団発生しましたが、基本的には同じ種類です。
 通常の大腸菌は病原性が弱く、軽い下痢で済みますが、腸管出血性大腸菌は毒素を産生するため、赤痢のような強い下痢や血便を起こします。さらに、この毒素は腎臓や脳にも傷害を与え、腎不全や意識障害など重篤な症状を併発します。
 重症者の割合が、今回は患者の2割以上(通常は1割程度)と高く、通常は小児や高齢者など抵抗力の弱い人が重症化するのに対して、今回は20〜40歳代の健康だった人が感染しています。


 腸管出血性大腸菌はもともと牛の腸に寄生しており、最も多い感染源が牛肉です。ただし熱に弱いため、焼いた肉であれば心配はいりません。
 牛の排泄物に汚染された野菜から感染することもあり、今回の流行の原因は「豆と芽野菜」であることが明らかになっています。当初はキュウリが疑われましたが、糸モヤシ、コロハ種子、緑豆、レンズ豆、小豆、ルッコラなどが原因になります。ヨーロッパ旅行の際には原因食品の含まれる生野菜を食べないようにしてください。
 また患者から直接感染することもあります。この菌は患者の便にも排泄されるため、トイレのドアノブなどに付着している可能性があります。トイレ利用後や、食事前には、充分な手洗いが大切です。携帯用の消毒薬などを持参してもいいでしょう。


 潜伏期間は3〜5日で、下痢や腹痛が最初に起こります。旅行中に症状が出たら、まずはホテルで休養をとり、整腸剤があれば服用して水分補給に努めましょう。ただし血便や高熱、激しい腹痛があれば早めに現地の医療機関を受診する必要があります。
 帰国後に症状が出た場合は、早めに近隣の医療機関を受診してください。その際はヨーロッパ旅行から帰国したことを医師に伝えましょう。
 早期に適切な治療を受けていれば腸管出血性大腸菌は完治する病気です。


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