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P12 【シリーズ:添乗員のための旅行医学 Vol.57】


 水虫は、医学的には足白癬の病名で呼ばれている皮膚病です。皮膚糸状菌による感染が原因で、気温と湿度が上昇すると皮膚糸状菌が活発化して病状が悪化しやすくなります。


 皮膚糸状菌の感染力はそれほど強力ではありません。このため、たとえ皮膚糸状菌が肌に触れても、清潔に保っていれば感染することはないでしょう。ただ旅行中は日常と生活環境が異なるために、罹患するケースがあります。たとえば、登山や僻地への旅で毎日の入浴が難しくなると、罹患しやすく、あるいは悪化しやすくなります。またアジアなど高温多湿の国では、悪化しやすいので注意が必要です。


 ビジネス渡航でスーツと革靴を着用する必要がある場合、革靴ではむれて水虫が増悪しやすくなります。足底は多数の汗腺があるため、汗ばみやすい部位です。歩き回って足がむくむと、足の指と指の皮膚が密着することにより、じっとり汗ばみ、水虫の悪化する環境が整えられてしまうのです。爪白癬のある方で、旅行中に足白癬も発症してしまうことがありますが、それはこのような理由です。

入浴できない時は、固くしぼったタオルか、ない場合には乾いたタオルでもいいので、足の指の間までよく拭いて、清潔を保ちます。すでに水虫を患っている方は、顔や体を洗うタオルを、患部用とは別に用意します。
靴下が湿ったら取り替えられるように、余分に持参しましょう。素材は、汗を吸収しやすい綿や麻などの天然素材が好ましいです。ストッキングは汗を吸収しないので、よく歩く日は靴下を着用しましょう。
革靴を履かなくてもよいときには、スリッパなど風通しのよい履物に取り替え、できるだけ乾かして、足が気持ちよく過ごせるようにすることが大切です。
足底には多数の汗腺があり、体温の上昇を抑えるために発汗します。つまり、涼しい服装で心地よく過ごすことが、ひいては足がむれないことにつながります。
白癬を治療中の方は、薬を持参して治療を続けましょう。
公共の場所が不衛生な場合には、水虫をうつされることがあるかもしれません。たとえば、足マットや共用スリッパが汚い場合は、接触を避ける方が無難です。


 稀に赤味を帯びて腫れ、強烈な痛みにより歩きづらくなり、靴を履けないほど悪化するケースがあります。これは水虫に加え、かぶれか二次感染など別の病態を伴った可能性が示唆されます。このようなときは、まず冷やして、患部をゆったりと保てるスリッパに履き替えてください。そのうえで、できるだけ早く受診しましょう。このように悪化すると抗菌薬の内服など、適宜、特別な治療が必要です。


 現地の薬局で購入した市販外用剤が合わなかったり、「酢をかける」「にんにくを塗る」などの民間療法による自己流の処置で、ひどい接触皮膚炎となったケースもあります。さらに二次感染が皮膚の深部まで進行して、蜂窩織炎(ほうかしきえん)を発症し、歩行困難になるなど、治療期間を更に長引かせる可能性もあります。早めの受診が肝心です。




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