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P12 【シリーズ:添乗員のための旅行医学 Vol.59】


 デング熱は熱帯、亜熱帯地域に生息するヤブ蚊属のネッタイシマカやヒトスジシマカによって媒介される感染症です。ヒトからヒトへ直接感染することはありません。原因となるデングウイルスには4種類の型が存在し、理論的には4回までかかる可能性があります。病態によってデング熱と、重症型のデング出血熱やデングショック症候群に分けられ、重症例では死に至る場合もあります。


 アジア、中南米、アフリカと流行地は広がっていますが、最も蔓延しているのはアジアです。世界で毎年5千万から1億人の患者報告があり、その内50万人が重症だと世界保健機構(WHO)は報告しています。日本国内でもデング熱が流行したことがありますが、現在はすべて海外で感染して日本に持ち込んだ症例で、2010年度には245件の報告がありました。多いのはインドネシア(バリ)、フィリピン、インドからの帰国者です。
 なお、流行情報は厚生労働所検疫所のホームページから入手することができます。
http://www.forth.go.jp/topics/fragment4.html


 感染後4〜14日の潜伏期間を置いて、突然38度を超える発熱や頭痛、筋肉痛、関節痛が初期症状として現れることが多い
ようです。高熱が数日続き体幹部に発疹が現れますが、解熱剤を服用して休んでいれば多くの場合1週間程度で回復します。
 ただし、発熱がおさまった頃に歯肉出血や皮下出血などの出血傾向や顔や手足にむくみが現れ、死の危険性がある重症型
へ移行するケースもあります。また、2度目の感染時に重症になりやすいとも考えられています。早期に適切な処置を受ければ死亡率は1%以下ですが、処置しなければ数十%にもなるため、デング熱が疑われる場合は帰国を待たずに渡航先で受診しましょう。


 デング熱のワクチンは実用化には至っておらず、予防は蚊に刺されないようにすることです。蚊は自然環境の中だけでなく、空き缶の水溜りや植木鉢の水など生活圏でも活動しています。人が密集する地域では流行しやすいため、都会でも注意が必要です。外出時にはなるべく肌が出ない服装を心がけ、防蚊剤(むしよけ)を塗布しましょう。

 帰国後にデング熱の診断を受けた場合、発熱時の外出は控えてください。日本国内に生息するヒトスジシマカ(やぶ蚊)はデング熱を媒介できます。気候的に、デングウイルスが国内に定着する可能性は低いですが、地球温暖化などの影響で冬場でも蚊が生息できるようになる可能性があり注意が必要です。



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