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カンボジア視察研修報告書

2017年4月12日

1. 実施期間

2017年4月2日(日)〜6日(木) 3泊5日

2. 参加者

【団長】
  大畑貴彦(サイトラベル社長)
  松本直哉(エーペックスインターナショナル東京支店長)
  大塚勝利(JTBマーチャンダイジング&サポートアジアオセアニア担当部長)
  松澤智之(サイトラベル大阪支店長)
  水林舞子(エーペックスインターナショナル)
【現地での同行者】
  中本正樹氏(ソカーホテル、ダイレクター)
  鷲田五郎氏(ニューサイトラベルカンボジア支店長)

3. 目的

近年日本人のカンボジアへの渡航者数は減少傾向にあるが、アンコールワット一極集中は相変わらず続いている。全日空がプノンペン線を就航したこともあり、カンボジア観光省は日本人渡航者数増加に向け、在カンボジア日本大使館を経由して、昨年8月に視察団派遣の要請を受けた。JATAアセアン部会と協議の結果、カンボジアを取り扱っている日系ツアーオペレーターを対象に調査団を派遣することとなった。

4. 日程

1日目 成田/プノンペン  NH817 10:50/15:30、着後シハヌークビルへ(4時間)
2日目 シハヌークビル視察(市場、ビーチ)09:00〜11:30
ボコール(展望台)〜タンシュールボコールホテル(昼食・インスぺクション)14:00
プノンペン 17:30
3日目 午前中、関係者とのミーティング  午後市内視察
4日目 午前、JICA・JETRO訪問  午後、ゴルフ場視察

5. 視察先に関するコメント

  • ① シアヌークビル
    • * 現在SGNからシアヌークビルまで直行便あり。REP+リゾートとしての商品開発が必要
    • * プサルー市場:生鮮食品、生活雑貨、土産物等、賑わいがあり一通り何でもそろっている。
    • * マングローブの森をボートで1時間ほどクルーズするエコツアーもあり。
    • * ビーチ:島に向かう桟橋を視察。桟橋沿いが海水浴場となっており、現在は カンボジア人で賑わっている。欧米人は桟橋から30〜40分ほど離れた島に滞在してリゾートライフを楽しんでいるとのこと。中国・韓国人とのすみわけは一定程度進んでいるとのこと。
    • * オートレスビーチ1と2:欧米人が主にこのビーチで楽しんでいる。ビーチ前にはブティックホテルであるWHITE HOTEL(20室程度)あり。
    • * ソカーホテル:カジノも備えた5つ星のリゾートホテル。1.5qのプライベートビーチもあり、ここに滞在してリゾートライを楽しむのもお勧め。
  • ② ボコール
    •     シアヌークビルから2.5時間で標高1,079mのソカーグループが開発中の高原リゾート地。宿泊施設としては4つ星クラスで、客室・食事とも問題なし。最高気温は年間を通じて25度程度でカジノも併設されているため、家族連れやベトナムからのバスを利用した観光客が主要なマーケット。ハイキング、乗馬等自然の中でのレジャーが中心だが、年間を通じて霧の日が多く、日本人のパッケージツアーには不向き。大学のゼミ旅行等昆虫や植物等の研究を目的とした専門性の高い団体向け。天気が良ければ展望台から眺めるフーコック島をはじめとした下界の景色は一見の価値あり。
  • ③ プノンペン
    • * Garden City Hotel & Golf Club
      プノンペン郊外にある昨年末にオープンした5つ星ホテルで、ゴルフコースを 併設。ホテル・ゴルフコースともハード面では最高級レベルの施設になっている。市心から20〜30分程度で将来的には新しい道路開通に合わせてPHN空港から40〜50分程度でのアクセスとなる見込み。ゴルフを中心としたレジャー客への誘客が今後は見込めそう。
    • * JICAカンボジア
      面談者:小島岳晴次長、小川紀子コーディネーター
      小島次長よりJICAカンボジアの活動内容の説明後、訪問団との質疑応答・意見交換
      • Q: 企業のCSRの一環として、短時間でのボランティア活動は?
        孤児院が経営するレストラン「フレンズ」での食事や、現地NGOの活動   内容を視察するスタディツアー等がお勧めとのこと。
      • Q: 日本からの訪問者受け入れでの問題点は?
        日本からの来訪者がコストの点で通訳手配を避けることから、JICA派遣員やカンボジア人へのリスペクトを欠く行為が稀に見受けられる。
        又日本のODAの実態をカンボジア人及び日本人により一層理解してもらうためには、プノンペンの日本語ガイドを対象にしたJICAの活動に関するセミナー等を開催し、ガイドを通じて観光客にODAを含めた日本の支援を理解してもらうことも重要。
    • * JETRO
      面談者:伊藤隆友シニア投資アドバイザー
      カンボジアへの日系企業の進出状況について説明を受ける。
      最近は工場見学の引き受けが困難になりつつある。
      解決策としては、経済特区の事務局に早めに視察の依頼をお願いすること。
    • * プノンペンの散策
      Art Street(国立博物館〜トンレサップ川)の100mと、Street240が安心して散策やショッピングを楽しめるエリア。

6. 意見交換会

【現地からの参加者】
  千葉泰三(在カンボジア日本大使館)
  Mr. Kor Vuthy(カンボジア観光省)
  中本雅規(ソカーホテル&リゾート)
  鷲田五郎(New Sai Travel Cambodia)
  青島翔平(Apex Cambodia Travel)
  風見幸太朗(JTB Cambodia)

  • ① 日本側(JATA)からの要望事項
    • * ノービザの導入
    • * 渋滞対策と無断駐車(縦列駐車)の取り締まり
    • * ゴミのクリーンアップ
    • * 運転手のモラル向上
      運転手の携帯電話利用等、改善すべき点は多々ある。ASEANでもゴミ・駐車場・      運転手のモラル等あり。解決策は罰金制度の厳格な導入。公務員(警察)のモラルの向上も必要。
    • * ガイドのライセンス問題に関して取り組んでほしい。ナショナルガイドのライセンスのハードルが高い。リージョナルのガイドをナショナルで利用できるようなバリアの撤廃が必要。
    • * 観光ガイドを養成するには待遇(給与)面での改善が必要。ガイドの待遇改善を国・大使館をあげて取り組んでほしい。
    • * 欧米ではチップを払わないと後日請求書が届く。アジアのチップ制は欧米とは違うのではないか?必要であれば業界として統一して対応すべき。
    • * カンボジアの在日観光局が不在。是非とも観光局を日本においてほしい。日本での情報発信は極めて重要。
  • ② 観光省・在カンボジア日本大使館からの回答
    • * ノービザの導入
      観光省・大使館:ビザは両国間での同条件の合意が原則であることから、現状 ではノービザの導入は困難。但しベトナムやラオス等の事例を参考にしながら導入に向けての努力は行う。
    • * 渋滞対策・駐車場・ドライバーのマナー向上・ごみ対策等
      観光省:要望事項に関しては、局長・大臣等に報告して対応するよう努力する。 しかしながら歴史的に内戦が続き平和な時間が少なく、漸く平和が根付き始め てきたが高等教育を受ける人の数も多くないような状況から、対応には時間がかかる点理解して欲しい。
      日本大使館:公共事業運輸省担当の立場から、観光省はゴミ問題に取り組んでい る。都市毎にクリーンさをランク付けしている。最大の問題は焼却施設の不足。 焼却施設の整備をODA等で取り組んでいきたい。下水処理も支援予定。
      渋滞・違法駐車は交通事故の増加も含め大きな社会問題になっている。日本に比 べ5〜8倍の事故率。LED信号機を100か所設置中(6月頃完了予定)。信号を守る運動も実施中。
      渋滞対策としては、鉄道敷設も計画中(空港〜市内、数年先?)。JICAがバスを 8路線設置して渋滞緩和を目指す。違法駐車は駐車場整備のための土地不足のた め、駐車場確保ができないことで取り締まり強化は困難。運転モラルの教育・向 上は、地域の学校で講習会を開催しているが都市部に関しては脆弱。提案いただ いたメインのエリアでの優先実施はいいアイデア、今後生かす方向で検討したい。
      道の駅を開設したが、利用率はいまいち。ただしトイレの衛生状態は良好。シェ ムリアップまでの道のりで1時間毎の設置を目指しているが、建設は簡単だが維持管理が困難である点が現状。
    • * ガイドライセンス
      ガイドのレベルアップに関しては従来は講習会等で対応していたが、要望を受け再度検討したい。プノンペンの日本語ガイドは現在22名、シェムリアップのリージョナルガイドでもプノンペンでのガイディングは違法だが実態はOK。逆は不可。王宮・国立博物館・ツースレイン・キリングフィールドの4か所はガイドライセンスが必要。
    • * ガイドの待遇改善について

      観光省:日本語が難しいわりに収入は多くはない。ガイドの待遇は良いとは言え ない。ベトナム・中国ガイドは増加傾向。カンボジアはチップ制、日本人の認識不足。

      大畑:チップの問題的についてはOTOAやITPF(インドシナ観光促進協議会)等で対応することが重要、今回の3社だけでなく取り扱い会社10社程度で検討して必要と判断されれば欧米並みのチップ制度を導入したい。

  • ③ その他(自由発言)
    • * ソッカホテル中本氏:ホテルスタッフのチップはミラクルという意識改革を実施 中。当ホテルでは10%のサービスチャージを従業員に還元している。
    • * ライセンスガイドに関して観光省としての公式な見解を示してほしい(REPのガイドをPHNで案内できる)。6月に大型団体が予定されているため、至急対応してほしい。
    • * 外国人に門戸を開く=在カンボジア日本人にもガイドライセンスを与えることも 検討したらどうか?日本からの留学生を対象にしたライセンスの発行(インターンシップ的な就労制度の導入や、ワーキングホリデー等でのガイド育成の検討等)。
    • * REPでの日本語ガイドは余っている。このガイドをPHNで活用できないか?
    • * カンボジアでのツーリズム産業においてNo1の実力をを持つソカーホテルから、是非とも観光省のトップに我々の要望を伝えて欲しい。
    • * プノンペンの魅力を高めるためには片道2時間以内での見どころ発掘が必要。 タイのエレファントファーム等の施設を開発する必要あり。聖地・パワースポッ ト的なツーリストにPRできる施設が少ない。プノンペン周辺のレベルの高いゴルフ場のPRも必要。
    • * 今回の研修旅行には女性の視点で参加した。クレアの取材記事が非常に重要。訪問する価値を見出せる素材が必要。クレアの記事だけでは動機づけが弱い。見どころが少ない。怖い、汚い、暗いがPHNの女性が持つ印象。ホーチミンでは歩行者天国が開設され、安心・安全が担保されている。目抜き通りをつくりクローズアップする手法が有効。旧植民地を彷彿とさせる見どころの維持・PRが重要。SNSでの発信、動画の作成、メディアの招待、旅番組への露出、等が重要。
    • * 西日本から直行便がない。西日本では直行便を条件の客が多い。
    • * 千葉書記官:西日本との直行便就航も近い将来可能性あり。REPには領事事務所を年度内にも開設予定。今後は西日本からの来訪者も期待したい。

7. カンボジアへの渡航者数拡大に向けた今後の取り組み

以上のような議論を経て、今後の日本人観光客を増加させるためには、特に次の3点が重要。

  • * 無査証の導入
  • * 日本語ガイドの有効活用
    REPのガイドをPHNでガイディングできるよう、ライセンスに関する対応
  • * バスの確保に向けた対策
    ドライバー・ガイドに対するチップ制度の導入(中国・韓国は高額なチップを支払っている)を日本側で検討する。

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