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TOPICS

ツーリズムEXPOジャパン2016
ツーリズム・プロフェッショナル・セミナー(概要)

「入社後の早期退職にどう向き合うか 〜ベテラン人事担当者が本音を語る〜」

2016年12月5日

JATA研修・試験委員会では、9月23日に「ツーリズムEXPOジャパン2016」のツーリズム・プロフェッショナルで・セミナーとして「入社後の早期退職にどう向き合うか〜ベテラン人事担当者が本音を語る〜」をテーマにセミナーを開催しました。セミナーには観光関係者42名が参加しました。
主催者として研修・試験委員会の福田叙久委員長(株式会社アサヒトラベルインターナショナル 代表取締役会長)が「本日のセミナーが旅行会社各社の課題解決に何らかのヒントを与え、有意義になることを祈念する。」と挨拶をしました。

プログラム

1.主催者挨拶

(1)JATA研修・試験委員会とは

<法定業務>
総合旅行業務取扱管理者試験(国家試験)事務代行
総合旅行業務取扱管理者研修
旅程管理研修 など
<法定外業務>
エリア・スペシャリスト養成講座
新入社員基礎研修 など

(2)旅行業における人材の重要性

  • 旅行業界は注目を浴びており、就職人気ランキングに旅行大手もランクインしているが、早期退職による人材流出が他の業界より顕著といわれている。
  • WTTC理事長デイビッド・スコースィル氏:旅行業の将来像として成長戦略の5つの柱のうち、トップにhuman capital(人材)を挙げていた。

2.基調講演※下記リンク先PDFの当日配布資料参照

玉川大学観光学部長 教授  香取 幸一氏
「大卒正社員の3年以内の早期退職の実態とその対応策」PDF

(1)若年労働者の旅行業における実態

  • 若年労働者の割合:16業種中第2位(「生活関連サービス業、娯楽業」の一つとして)
  • 正社員若年労働者の割合:16業種中第11位
  • 正社員以外での若年労働者の割合:16業種中第2位

(2)学歴別早期退職(入社後3年以内)の状況

  • 平成10年より5年毎の統計で、大卒の早期退職が毎回3分の1程度となっている。
  • 平成22年から最近5年間の統計で、大卒の早期退職は1年目:12%、2年目10%、3年目:8%強という状況は毎年変わらない。
  • 今後も、上記の状況は続くと思われる。

(3)早期退職者の退職理由

  • 大卒の退職理由トップ5では、「第2位:仕事が自分に合わない」「第5位:ノルマや責任が重過ぎる」といった業務に関連するものが2つも入っている。
  • 大卒の退職理由全般を見ると「仕事が自分に合わない」「ノルマや責任が重過ぎる」のほかに「自分の技能・能力が活かせない」「責任のある仕事が任されなかった」という4つが業務との関連のある退社理由としてあげられ、その割合は45.2%にものぼる。

(4)企業の定着対策と大学の取り組み

  • 採用時:採用基準として、「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」「コミュニケーション能力」「マナー・社会常識」「組織への適応性」「体力・ストレス耐性」が中心となっている。
  • 採用後:定着のための取り組みとしては、「職場での意思疎通の向上」「本人の能力・適性にあった配慮」「教育訓練の実施・援助」「採用前の詳細な説明・情報提供」「仕事に見合った賃金」が中心となっている。
  • 大学は就業支援(定着を含む)活動として「教育訓練の実施・援助」に注目している。

(5)大学が講じる就活・就業支援活動

  • 就活支援:大学の就活支援は、キャリアセンターや就職課が中心となって、進路選択の土台作りから自己分析、書類選考対策、業界・企業研究、筆記・面接試験対策等手厚い内容になっている。
  • 就業支援:内定後は卒業準備期間として、卒業要件を満たすための消化試合的な学習と、卒業旅行のためのバイトが中心になってしまっているのが現状であり、大学生活の集大成としての学びがない。
  • 大学としては、卒業生の質保証と言う観点からも、内定取得後を中心に大学生活の集大成としての卒業論文の作成を取り組ませ、それを通じて就業力の養成に取り組むべきであると考える。
  • 就業力の養成に資するという観点からProject Based Learning(PBL)型の卒業論文を提案したい。
  • PBL型の卒論では、テーマの設定に当たっては企業と大学、更に学生が一体となり、どういうテーマで何を取り上げるのかを決定し、大学のゼミでの指導のほか、企業への報告及び相談を踏まえて、テーマを深掘りしていくという仕組みがポイントになる。
  • PBL型論文の作成を通じて、業界や企業が抱える問題を的確に理解し、それらへの対処に関する意見を持ち、また新入社員として担当する仕事の意味が分るようになる。それは内定者研修の実質化といった意義もあることからご理解とご協力をいただきたい。
  • 玉川大学観光学部では、ホテル業界との間でいくつか話が出来上がっている。旅行業界でもそういう動きを評価する事業者が出てきた。
  • 就職活動を通じての企業研究では企業の優れた点、自分が活躍できる場面などの都合のいいところだけの理解にとどまり、企業選びをそれに基づき行っているが、新卒者の定着には企業の本当の姿を学生に正確に理解させて就職させることが肝要である。
  • そうした考えは、新入社員として就職した後の成長にも多いに貢献するはず。

(6)文部科学省の動き

  • 平成27年4月14日に文部科学大臣から中央教育審議会に対して「個人の能力と可能性を開花させ、全員参加による課題解決社会を実現する為の教育の多様化と質保証の在り方について」の諮問がなされ、今年(平成28年)5月30日に答申が出されている。
  • 答申は、1.質の高い専門職業人養成と2.大学での生涯教育による自己実現・社会貢献・地域課題解決の2つからなる。
  • 文科省としては、高等教育の終了・入職時点で、専門的な業務を担うことの出来る実践的な能力を身につけた人材を養成するということは、就職後に早期退職することのない人材を育てるということに繋がるとも考えている。
  • 文科省としては、専門的な業務を担うことの出来る実践的な能力を身につけた人材の養成の方策の一つとして、600時間におよぶインターンシップの導入も必要と考えている。
  • 現行の日本のインターンシップ制度では、2週間程度の期間で企業に協力いただいているが、600時間となると企業側に多大な負担をかけることになると大学側も認識している。
  • 600時間すべてをかけて旅行業界だけではなく関連業界とタイアップしたインターンシップを経験することも有用と考えられるので、そうした制度を文部科学省に働きかけるなど、より実践力のある人材、質保証のできる人材を社会に輩出するという観点から対応していきたい。

3.パネル・ディスカッション

モデレーター (株)ジェイアール東海ツアーズ 代表取締役社長  吉田 修 氏
パネリスト (株)ジェイティービー 人事部 JTBユニバーシティ運営事務局 事務局長  鈴木 良照 氏
(株)阪急交通社 総務人事部 人事課副課長  菅沼 孝陽 氏
名鉄観光サービス(株) 総務部 課長  吉田 雅子 氏

モデレーター 吉田氏

  • ツーリズムEXPOも盛況で旅行業界も大変盛り上がっているが、それを支えるのは人材であり、人材育成が非常に大事と言うのは論を待たない。同時に、人材育成するということは、そこで育てた人材が他産業に行かない、旅行業界に留まって質を上げていくことがとても大事だと思う。そのために、今回のテーマである早期退職をいかに防止するかと言うのも、大変大事なテーマだと思う。本日は業態の異なる旅行会社の人事担当者をパネリストにお招きした。簡単に満点がとれる性格のテーマではないけれども、パネリストの皆さんには「本音トーク」をお願いしているので、会場の皆さんにはその中からひとつでもふたつでもヒントになるものをお持ち帰りいただければ成功と思っている。

パネリスト 鈴木氏

<早期退職の現状>

  • 1年目から4年目ぐらいまでを能力開発期間と定めて集中的に教育。
    2012年まで:17〜18%ぐらい
    2013年以降:12.5%ぐらい

<定着策の現状>

★社員の意識の把握

  • 色々な施策を打つ前に、現状どうなのか、社員はいったい日々何を考えているのかと言うようなニーズ、意識を把握するということが大事だと思う。
  • 国内社員22,000人を対象に働き方意識調査を年1回実施。
    回答率87%。
    ダイバーシティの考え方が職場で定着しているか、ワークライフバランスは両立できているか、キャリアに関する志向、働きやすい職場と感じているか、特に女性に絞って女性の能力について活用できているかなど。
  • 年間1,000本の研修の中で受講生から色々な意見を聞くと言う草の根の活動。職場だとなかなか言い難いことでも、研修講師に対してだと割りと率直に言って貰える。

★3つの施策

(1)モチベーションを下げない仕組みづくり

  • メンター社員制度
    新入社員には2,3年目の指導社員をつけるが、どうしても業務指導が絡むと命令的になる側面があるので、2,3年前からあるグループ会社で「社兄・社姉」制度で指導社員とは別にもう一人メンター的な社員をつけて、精神面での側面支援体制を構築したところ、劇的に退職率が改善した。これを参考に、今年からグループ全社で広げてメンター社員制度を設けた。
  • 若手キャリアアップ研修、キャリアデザインセミナーなど
    若手キャリアアップ研修:入社3年目の社員対象。少し落ち着いた時期に立ち止まって自分を振り返り、これからの将来を考えてもらう研修。全員必修。
    キャリアデザインセミナー:入社6年目の社員対象。脂が乗り始めた時期でやはり立ち止まって振り返り、将来を考えてもらう。全員必修。今年から、35歳、45歳、55歳、それぞれの年齢の方にも必修でそれぞれの年代に応じたキャリアデザインを描いてもらうセミナーを設定した。

(2)社員の成長意欲、挑戦意欲を高める仕組みの整備

  • 人財交流共通制度
    グループ横断の制度。例えば入社4年目で海外にチャレンジしたい、財務や法務の勉強をしたいなどの意欲を持った社員に対して公募をして、1〜2年間の研修を行なうようなコースをバラエティに富ませて整備した。
    研修だけではなく、グローバルでチャレンジしたい、スポーツビジネスに携わりたい等の意欲のある社員に対しては、自ら手を上げてプロジェクトに参画してもらうことも。

(3)私たちのビジネスにやりがいがあると感じてもらえる仕組み、取り組みの整備

  • Credoカード「The JTB way」
    グループの経営理念、私たちがお客様に約束することなどブランドスローガンを大切にすることをまとめたThe JTB wayというCredoカードを全社員が携帯し、会議等のたびに唱和をして浸透させる取り組みで、会社へのロイヤルティを高める。
  • 地域いきいきプロジェクト
    地域の清掃活動や食事等、一般のお客様と一緒になって取り組んでいく活動を通じた社会貢献をやりながら、結果として仕事のやりがいを高めていく。

<問題点>

  • 1年目〜4年目までの退職率はそれ程高くないが、5年目〜8年目の退職率が40%を超える。特に、女性の退職率が高いのが課題。
  • 本人だけではなく、ミドルマネジメント、組織運営職の社員の意識改革、行動変容が必要。

パネリスト 菅沼氏

<早期退職の現状>

  • 今年度、昨年度入社:退職者なし、2014年、2013年入社で数名。
  • 入社3年以内:2%弱
  • 入社5年以内:5%ぐらい

<定着策の現状>

  • 同期の絆を非常に大事にさせている。入社時合宿研修2ヵ月間のあと、同年11月、3年目、5年目の研修で全国に散らばった同期を集めている。
  • 自己申告制度
    自分の希望部署と配属部署のミスマッチについて、2年に一度、全社員対象に、今の仕事を続けたいか、あるいはどこかに異動したいか、新たな仕事に挑戦したいかというアンケートを取っている。100%従えるわけではないが、異動の参考にもしているし、一定のガス抜き効果もあると思っている。
  • メンタルヘルスの対応
    色々な実例に対応してきたことで、やり方が社内でも受け入れられてきて、対応が人事でも現場でもこなれてきた。発生そのものを防ぐのが第一だが、かなり復帰率が高くなり、違う職場や仕事にしてみることで却って実力が発揮できているケースも多い。
  • 仕事のやりがい
    当社の場合はメディア販売の事業比率が高く、入社後ツアーの企画部門に配属される場合が多い。そう言う意味では、今の学生は地域貢献、地域活性化など社会貢献意識が旺盛なので、自分の企画したツアーで送客が成功するというやりがいは見えやすい。

<問題点>

  • OJT制度は、3年目ぐらいの社員をつけるが、そのような社員がおらず、社歴の長い上司が指導社員とメンター、相談相手を兼務するケースもある。JTBさんのように、メンターに特化したほうがよいというのも今課題になっている。
  • 入社後のツアー企画部門配属については、責任が重過ぎるという声もある。また、部署や時期によっては長時間労働が発生してしまう。
  • 長時間労働対策も含めて、管理職教育もかなり大きなウエイトを占めると思う。以前のような「俺の背中を見て」のようなことは、今は通用しないので部下のモチベーションを高めるスキルと言うものが今の中間管理職には求められており、それが今後の鍵になってくる。

パネリスト 吉田氏

<早期退職の現状>

  • お二方とは違って、当社では若年層の早期退職の問題を抱えている。
  • 1年経過時:10%、2年経過時:20%、3年経過時:30%以上
  • 退職理由は様々
  • 入社後3週間の本社における研修にて同期の繋がりを形成しており、LINE等のグループで情報交換を絶えず行っている。例えば、九州の同期で起こったことを北海道の同期が、何が起こっているか知っているというようなことがある。
  • 支店の規模に幅があるので、あまりOJTが統一化されていない。
  • メンターも大事だが、メンターを出来る人間がいるのかという問題がある。

<定着策の現状>

★研修面

  • 本社指導の階層別研修は、基本的に昇進・昇格のタイミングで行うが、若手には大変厚くやっている。新入社員は、入社時と半年の時点で、その後2年目、3年目と集まる機会を設けている。
  • 研修では同期の繋がりとして情報交換の場という意味も持っている。若手の研修では、先輩の体験談をいれたりもしている。また、本社の人間が入らず、先輩だけ入れて飲み会等をやっていただいて、ざっくばらんに話をする機会も設けている。
  • 階層別研修では、必ず部下育成、後輩指導と言う項目を必修で入れている。特に上位職は大量採用をした時代の人なので、今ほど厚い研修を受講していない層で、ろくに教えなくても「俺から盗め」というようなことは、今では全く通用しないということを認識してもらうことが研修の目的のひとつとなっている。
  • 昔は画一的な教育をしていたが、きちんと育てていかなければならない時代に変わっていると認識をしている。そのため、一人ひとりの個性に合わせて、柔軟な指導が必要になってくるということをマネージャー層に伝えるため、部下面接のロールプレイング等実践的な研修を取り入れたりもしている。

★危機意識の共有

  • 採用面にしても教育面にしても、どちらの対策も即効性は少ないと思っている。
  • 若年層の早期退職の問題については、会議や研修などあらゆる機会を利用して啓蒙・啓発活動をしており、全社で危機意識を共有するようにしている。

モデレーター 吉田氏

  • 各社それぞれの業態や現状にあわせていろいろ工夫されていることがよくわかった。メンター制度はJTBが実施し他の2社も検討の価値ありと、また同期の繋がりの活用や会社全体の問題として危機感を持つということも共通の検討課題となりそうだ。
  • この3点に加え先ほどの香取先生の産学連携を含めて更にこういうことを検討したい、深掘りしたいということについてお話をお願いしたい。

パネリスト 鈴木氏

  • 私どもも同期の繋がりはなかなか強い。新入社員研修、半年後に新入社員フォロー研修、3年目、6年目に必修の研修があり、その中で同期が集まって色々な情報交換が出来ればと思っている。
  • 何故定着率が悪いとダメなのか?
    - 定着しないことによって蓄積したノウハウが外部に流出してしまう。
    - 定着せずにやめてしまうことによって会社としての生産性が下がる。
    ただでさえ、我々の業界の収益率が極めて低い中で、既存のモデルから安定的な収益性を確保していかなくてはならない。そのためには、今いる社員をしっかり定着させてノウハウをずっと蓄積して高めていくことが重要であり、そのことが生産性向上に繋がる。
  • にもかかわらず、辞めてしまって生産性が下がると、一人にかかる負荷が大きくなって長時間労働につながる。その結果、モチベーションが低下し、退職を招く大きな要因となり、負のスパイラルに陥る。私どもは、長時間労働が諸悪の根源だと思っている。
  • 「働き方見直しプロジェクト」
    組織運営職のための長時間労働風土改善指導マニュアルを作成し、グループの組織運営職3,000人全員に配布。
    「ステップ1:とにかく早く帰らせる、ステップ2:早く帰る訳を教える、ステップ3:ありふれた仕事を始末する、ステップ4:会議を減らす、短くする」など、裏返すとまだこの層の意識改革、行動変容が出来ていないということで、これが課題だと思う。
    また、人事担当者のための説得マニュアルを400人ぐらい対象に整備した。
    とにかく人を育て、定着させてその能力を伸ばす、活かしていくことがマネジメントに求められているということを推進する必要があり、そのための評価や登用、待遇など、マネジメントに対する評価や登用等、人事制度も併せて整備していかないと片手落ちだと思う。

パネリスト 菅沼氏

  • 同期の繋がりの副作用もあって、非正規雇用、契約社員が多いが、そちらには殆ど研修が出来ていないため、新卒ばかり優遇しているという不満も社内にはある。
  • 退職者が出た上司は自分のせいだと全く思っていないことが多く、意識改革も必要で、危機感を全社的に共有できていない。
  • 今までインターンシップの取り組みを殆どやっていなかったが、今年初めてインターンシップを行った。当初は、就活日程からも年中開いているインターンシップのサイトに名前を出すことを目的として実施した。
  • ツアー企画体験ということでインターンシップを募集したら、900名ほどの応募があり、絞って東京と大阪で25名ずつ開催。
  • 自分のお金で旅行に行くのと、ビジネスとしてやることの違いを理解してもらうため、グループワークで、どんなお客様をターゲットにどんなツアーを打つのかというようなマーケティング、原価計算、旅行代金の計算、最少催行人員、集客目標人数、広告費用、ランドフィー、エアー代を仮に計算させたら、収益の違いがはっきりとし、結構反応が良かった。また、受けた学生でも本来の就職活動のときには受けてくれなかった、他業界を目指す学生も来てくれた。
  • 業務では厳しい予算、収益目標があるということをわかってくれた上で入社してくれれば、ミスマッチも防げるかと思うので、インターンシップももっとしっかりやっていけば、いい効果があるのではないかと思う。

パネリスト 吉田氏

  • 未来志向で考えられるようなファシリテートが必要だと思う。
  • 研修の隙間時間に、グループで話し合ってアンケートを書いてもらうことを今年から始めた。アンケートでは、今勤務している中での問題点、その問題に対する改善意識、どのように改善したらいいと思うか、会社をより良くする為の提案等を書いてもらう。本社が直接集める事になり、積極的に関与していくことが出来るのではないか、というのが一つの理由。
  • 今の新入社員は道筋を見せることが大事だと言われているが、先の見通しがつかないからやめるという人には、さまざまな道筋があるということを具体的に話していく必要があるのではないか。そのような指導法を教えていく必要がある。またそれはどうやったら広めることが出来るのかについても模索中。

モデレーター 吉田氏

  • 各社それぞれにやっておられて、その特徴が非常に出ていると思う。真似をするのではなく、それぞれの会社毎にあったことをやらなくてはならないことがよくわかった。一朝一夕に解決する問題ではないので、試行錯誤しながら工夫して地道にやっていくしかない。
  • 同期の絆については、任せてしまうのではなくファシリテーター役が入って悪い方向(同期でそろって辞める)に行かないようにしなければならない。
  • 営業利益ばかりに関心を持つのではなく、早期退職は会社として人材の損失であるというところにも目をやらなければいけない、全社全体で危機意識を持つということが大変重要な点であるという共通認識は得られたと思う。
  • メンター制度については、必要だがそれぞれの会社にあわせて検討を深めることが肝要。
  • 最後になるが、本件は旅行会社にとって非常に大切な問題であること、真似でなく各社の実情にあわせた取組みが必要であること、そして即成果を求めるのではなく試行錯誤しながら地道に取り組むことが必要という話で締めくくりとしたい。何かヒントに気づいたなら、そのままにしないで帰社後に必ず検討をすることを会場の皆さんにお願いしておきたい。

4.質疑応答

質問者(ジェイアール東海ツアーズ):
5年目以降の退職率が多少高いとのことだが、どういう認識でどう対策しているのか。

鈴木氏:

5年目以降の渉外営業の女性担当者の退職が特徴的。渉外営業担当が全社で年間約3,300人おり、うち女性の営業担当者が約500人で、その中で年間約30人が辞めていく。ここに非常に危機感を抱いている。渉外営業なので添乗業務や長時間、土日の拘束などがあり働きづらい。人事としても柔軟に対応し、配置転換や時短等、職場の理解も含めてしっかり浸透させていかなくてはならない。また、女性の営業担当者に対し、既にバリバリ営業で活躍している先輩女性と接点を持って、しっかりとロールモデルを描いて貰うメンタリング研修という取り組みも行っている。

菅沼氏:

  • 当社では女性の退職は以前に比べて減っている。育児短時間勤務も取りやすくなってきている。
  • これから活躍して貰わなくてはいけない世代の10年目くらいの他業種への転職による退職が多くなってきている。転職市場が良くなったと言うこともあるが、このままこの会社にいても、という先行き不安、閉塞感を退職者に感じることがある。他社で実施している社内FA制度やジョブローテーション等、その辺を参考に今後取り組まなくてはならないと思っているが、現時点で有効な何かを出来ているということはない。

吉田氏:

いまや採用時に男性と女性半々、もしくは女性が多くなりつつあるのが現実で、昔みたいに結婚と同時に退職する女性は少ない。営業職としてどのように勤務していくか。そういったロールモデルが出来ていない。女性活躍については、色々と検討模索しているところ。

以  上

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