チームヨーロッパレポート

若者を旅の楽しさに誘いたい

2013年4月26日

スイス政府観光局 日本支局長
阿部かすみ氏

「いつか行ってみたかった」と、シニア層に根強い人気を誇るスイス。近年はスイス1カ国をじっくり回り、ハイキングなどを楽しむ体験型の旅が主流です。「若い世代の需要をもっと育てたい」と語るスイス政府観光局の阿部支局長に話を伺いました。

スイス政府観光局 日本支局長

スイス政府観光局 日本支局長
阿部かすみ氏

「まちおこし」モデルとして注目されるスイス

スイスは、「いつか行ってみたかった場所」として日本のシニア層に人気の高いデスティネーション。若い年代の旅行者は比較的少なかったのですが、最近は母娘や女性同士の旅行も増えています。お母さんとの旅行を考えている娘さんたちを啓蒙するなどして、若い旅行者の需要も育てたいと思っています。

 今、日本では観光まちづくりがさかんですが、私たちの観光局も最近、国内の市町村からお声がかかることが増えています。現地視察はもちろん、地域ブランディングについてレクチャーの要望も多いですね。

 日本とスイスには「山」という共通のキーワードがあります。山という観光素材で成功したスイスに学びたいというニーズがあるのと、昔からスイスが地域ぐるみでデスティネーションマネジメントに取り組んできたことが注目されているのではないでしょうか。

 「スイスが観光立国のモデルケースになる」と言われることはすごくありがたく、それによって日本も元気になればさらに嬉しいことだと思っています。

kleinbase

近隣国とのミニ周遊も楽しい

 スイスで人気の旅は、他の国と組み合わせるより、1カ国をじっくり回るパターンが主流です。以前は都市を巡る旅が多かったのですが、今はハイキングなどを楽しむ体験型の旅が人気ですね。

 スイスは鉄道網が発達しているので、1回目はツアーで行き、2回目からは鉄道バスを買って個人で行く方も多いです。レイルヨーロッパによると、日本でのスイスパスの売上げは、近年常に世界上位5位に入るそうで、こうしたデータからもスイスを訪れる個人旅行者は増えていると感じます。

 とは言え、効率よく回るという点で言えば、パッケージツアーにかなうものはないですよね。スイスは周辺国とのアクセスもすごく便利なので、たとえばフランスなど、スイスからお隣の国にちょっと足を延ばしていただくのも楽しいのでは。Team EUROPEという取り組みを通じて、そういう相乗効果が生まれればいいなと思います。

 今、若い人が旅に出ないとよく言われますが、私自身20代の頃は、お給料を貯めては海外旅行に行っていた世代。若い世代の方々には、私達のように旅への意欲を持ち、世界の広さを自身で体験して欲しいと思います。私はTeam EUROPEではメディア・デイ部会の副部会長も務めていますが、メディアの方々にもご協力をいただき、感動の旅に出かけたくなるような仕掛けができたらと願っています。

プロフィール

阿部かすみ氏 (スイス政府観光局 日本支局長)
短大卒業後、旅行会社へ入社。国際ホテルチェーン日本支社で勤務後、2001年スイス政府観光局へ入局。2011年2月より現職。