チームヨーロッパレポート

クラブツーリズムのヨーロッパ担当者に聞く、今年の市場分析

2013年5月24日

クラブツーリズム ヨーロッパ旅行センター リーダー 
奥山剛氏

オフ・シーズン部会のメンバーとして、ワーキンググループにも積極的に参加している奥山剛氏。今上期のヨーロッパ商品の動向や、Team EUROPEにかける思いなどをお話いただきました。

奥山剛氏
クラブツーリズム 奥山剛氏

二極化が進むシニア・マーケット

当社のヨーロッパ商品に関して言えば、今年のゴールデンウイークは前年の8割程度でした。4月27、28日のピークにお客様が集中しすぎて、その前後1〜2日の動きが弱かったですね。日並びの関係で近場に人気が集まったのでしょう。
GW以降は、各方面で明暗が分かれた印象です。スペイン、フランス、スイスあたりは昨年よりも強い印象。定番方面だけでなく北イタリア(ドロミテ)もぐっと増えました。従来は、スイスのリピーターに好まれるデスティネーションでしたが、メディアでの紹介が増えたせいか、ここ数年かなり注目されています。逆に伸び悩んでいるのは、イギリス、ドイツ、中欧、北欧あたりでしょうか。

傾向としては、良い意味で平均的な、もっとはっきり言うと中途半端な商品は売れなくなってきたように思います。例えば、安い商品ですと、従来のヨーロッパのキャリアを利用する商品より、中東やアジアのキャリアを利用した10万円台後半から20万円台前半の商品がよく動いています。その一方で、ビジネスクラスやプレミアム・エコノミー利用の40〜60万円台の商品の動きもいい。当社の顧客はシニア層が中心ですが、シニアの嗜好も廉価な商品と高額な商品に二極化している印象ですね。

オフ期も価格重視から品質重視へシフトを

アベノミクスの影響で経済は上昇気味と言われますが、その分、円安に進む動きもあり、今年の夏はお客様が国内旅行に流れるのではと懸念しています。楽観視はできませんし、冬のオフ期はさらに厳しくなるかもしれません。
私は、オフ・シーズン対策部会に参加させていただいていますが、今までのヨーロッパの冬のほとんどが価格重視の商品だったと思います。今のオフ・シーズンの価格は、日本からヨーロッパに行ける底値のレベルまできているのではないでしょうか。

業界の中には、「10万円でどれだけ集客するか」というような考え方もありますが、個人的には、とてももったいないことだと思います。日本と同様、ヨーロッパにも四季がありますから、冬の楽しみ方、晩秋、早春の楽しみ方などがたくさんあるはず。個人的には、旅行販売の面白さは、「どれだけ付加価値をつけて、どれだけ高く売るか」だと思いますし、Team EUROPEとして、どれだけオフ・シーズンの価値を提供して、それをお客様に伝えていくか、というところに、業界の今後がかかっていると思います。

プロフィール

奥山剛氏 (クラブツーリズム ヨーロッパ旅行センター リーダー)
東京大学理学部化学科卒だが、在学時の留学経験から2006年に入社。現在はヨーロッパ旅行センターに所属。北欧・ロシア・ベネルクスなどの添乗・企画担当を経て、現在はクロアチアなど東ヨーロッパの企画を担当。趣味はフットサル、マラソン、ダイビングなど。