チームヨーロッパレポート

ルックJTBの下期商品、今年の傾向は?

2013年9月13日

JTBワールドバケーションズ
執行役員 欧米部長  青木 哲朗 氏


今年のホールセラー下期商品が発売されました。ルックJTBのヨーロッパ商品にはどのような傾向が見られるのでしょうか? デスティネーション開発部会の部長でもあるJTBワールドバケーションズの青木哲朗氏に語っていただきました。


JTBワールドバケーションズ
青木 哲朗 氏

為替と景況感、2大ポイントをどう読むか

 どの旅行会社にも共通すると思いますが、今年のヨーロッパの下期商品については2つの大きなポイントがあります。
まず1つが為替レートですね。円安が進んだため、昨年下期と比べて約20%アップしています。このことによって、コストプッシュが働いているのが問題ですね。どの旅行会社からも「対応に苦労している」という声があがっています。
 下期の旅行商品というのは当然ながら、価格がとても大事です。それなのに、為替の影響で地上費が約2割上がるというのは問題ですよね。さらに燃油サーチャージも昨年下期に比べて横ばいか、若干上がることが予想されるケースもありますが、それをそのまま価格に反映できない状況にあります。

 もう1つのポイントは景況感をどう読むかですね。最近、百貨店で高いものが売れるようになったとか、株価が上がっているといった話はよく聞きますが、実際、本当に景気はよくなっているのか。それが、旅行の申し込みにもすぐに反映するのかというのは悩ましいところです。
 また、学生の内定率や就職率も非常に高まっていると言われます。通常なら下期は学生旅行がよく売れるので好材料に思えますが、果たして本当にそうなるのかは、楽観的に判断はできません。

慎重になりすぎず、積極的な展開を

 果たしてヨーロッパ需要は底堅いと言えるのか、下期は価格重視であるという観点から見ると、円安の影響が大きい今期は苦しい年になるのか。
 測りかねる部分が多いのですが、では、今挙げた2つのポイントについて当社はどう見ているのか。
一応、結論は出していますが、内緒です(笑)。というのは冗談ですが、ルックJTBとしてはヨーロッパ需要の底堅さを信じて、これまで同様、手をゆるめずに積極的な姿勢でいきたいと思っています。
 「積極的にいく」ということは、ある程度の価格を維持し、コースの新設や拡充などについても、極端に慎重にならずに取り組んでいきたいということです。今の景況感についても、好調ということをある程度信じていいのではと思っています。

 ルックJTBの今年の下期商品は昨年に比べ、コース数を約1割増やしました。売れ筋のイタリア、フランス、スペインを中心に、まんべんなく増やしています。この下期も、以前から力を入れている2名催行保証の商品の拡充を行いました。当然、リスクはありますが、手をゆるめずに積極的にやっていきたいと思っています。
 オーロラに関する商品も拡充しました。好調だった昨年に引き続き、今年も人気は衰えないと思っています。半球状の天井が全面ガラス張りのガラスイグルーというフィンランドのホテルに泊まるなどの新コースを加え、出発日の設定も増やしました。クリスマス商品にも力を入れています。
 下期の中でも特に1、2月は安い商品しか売れない時期ですが、臆することなく、ヨーロッパ旅行の需要を信じて、旅行会社全体で盛り上げていければいいなと思っています。

プロフィール

青木 哲朗 氏 (JTBワールドバケーションズ 執行役員 欧米部長
1979年に大学卒業後、JTB(日本交通公社)入社。1986年から92年にJTBワールド(当時)に在籍、ヨーロッパの企画を担当。15年間の札幌勤務を経て、2007年にJTBワールドバケーションズのヨーロッパ部長に就任。2011年より欧米部長を務める。長年ルックJTB商品の企画造成に携わり、特にヨーロッパの企画造成に関しては特別の思い入れがある。趣味は読書。