「親子の絆と旅行」アンケート結果

 社団法人 日本旅行業協会では、消費者モニター組織を 活用して、2001年6月1日から14日間、インターネット上でアンケートを実施し、モニター会員1,469人の86.6%にあたる1,272人から回答を得た。
 アンケートのテーマは「親子の絆と旅行」で、日本人の家族旅行の実態をあらゆる角度から検証した。以下にアンケート調査結果で注目すべきポイントをまとめる。

成人するまでに20回以上、つまり平均して年に1回以上家族旅行に行った人は、「我慢強い」「思いやりがある」「協調性がある」「社交的である」等、周囲とのコミュニケーションや気配りに長けている傾向が強い。一方、成人するまでの家族旅行回数が10回に満たない人は、「頭に血が上りやすい」「自分勝手なところがある」「我が強い」等の選択肢で過半数を占めており、わがままになりがちな様子が伺える。また、20回以上家族で旅行している人は「創造性が豊かである」という選択肢でも多くの比率を占めており、子供の情操教育に家族旅行が非常に有効であることが明らかになった。少年犯罪の増加が大きな社会問題となっている今、家族旅行の意義にあらためて注目したい。


20〜40代では、男女問わず家族旅行に行かなくなる平均年齢が15歳代となっている。また、 60代の女性を除くすべての性別年代で、「15歳」と答えた人がもっとも多くなっており、ちょうど中学校を卒業する時期に家族旅行も「卒業」していることが分かる。一方、中高 年層に目を向けると、50代以上の女性および60代の男性では平均年齢が17〜19歳の前後ま で跳ね上がり、また「ある時期を境に家族旅行に行かなくなった」と答えた人数自体も少なく なっている。現在の50代が未成年だった1960年代頃から日本における家族の形態に変化が 現れたことが伺える。

3歳になるまでに家族で国内旅行をした子供の割合は年々増加しており、現在30歳以上の人では50%以下なのに対し、5歳未満の子供では90%を超えている。一方、6歳になるまでに家族で海外旅行をした子供の割合を見てみると、こちらも現在の20歳頃を境に一気に20%以上増えており、現在の5〜10歳では半数以上の子供が6歳までに家族で海外旅行に行っていることが分かる。上のグラフと合わせて、家族旅行に早く「入学」し、早く「卒業」する近年の傾向が伺える。

男性はどの年代でも年間0.2回未満と低い数字を示しており、父と成人した息子のみが一緒に旅行することはほとんど皆無と言える。一方、女性は20〜40代で年間平均1回を超えており、もっとも少ない50代でも0.63回と男性を大幅に上回っている。成人女性の年間家族旅行回数は平均2.07回という結果が出ているため、その約半分が女性のみの家族旅行、つまり母と成人した娘の旅行であることが分かる。近年の消費動向の特徴である母と成人した娘の絆の強さが明確に現れている。

主導権を示す指標として、「提案」「予算決定」「計画」「申し込み・手配」「リーダーシップ」の5つを挙げたが、いずれの指標でもほぼ同じ結果となった。息子しかいない家族では父親が44.5〜50.5%という高い数字を残したのに対し、母親は12.6〜22.5%にとどまった。一方、子供が娘のみの家族では父親は12.7〜21.2%で、母親の40.2〜53.6%を大きく下回った。家族旅行の主導権は、家族の性別構成比の影響を受けて、男性が多数を占める家族では父親が、女性が多数を占める家族では母親が握っていると考えられる。

国内旅行、海外旅行とも、希望に添った家族向けパッケージがあるかどうかの意見は半々に分かれ、いずれも肯定派(「ある」+「あることが多い」)が否定派(「ないことが多い」+「まったくない」)を若干上回った。また、旅行会社に申し込む際に重要視する要素を尋ねたところ、「予算に合った価格」、「ゆったりとした日程」、「家族単位で行動できる自由時間」、「希望に合った宿泊施設」、「親子ともに楽しめる観光施設」が上位に入った。そのうち、「価格」と「観光施設」で肯定派の割合が否定派を上回り、旅行会社がこれらの要素を家族向けパッケージ旅行に採り入れて成功していることが明らかになった。その一方で、「日程」や「自由時間」では否定派の割合が肯定派を上回っており、旅行会社が今後取り組むべき課題が浮き彫りになっている。また、「宿泊施設」は、国内旅行では肯定派が上回ったが海外旅行では否定派が上回り、旅行業界として今後検討が必要な要素と言える。。


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