第25回JATA旅行市場動向調査〜海外(2008年6月期)

2008年6月25日

「2008年6月期 旅行市場動向調査」

 JATA(日本旅行業協会)では、旅行市場の動向を捉えるため、会員各社に定期的にアンケートを実施し、旅行の種類、方面、顧客層別に業況判断を指数化して四半期ごとにまとめている。
(調査の概要については末尾に記載)
 2008年5月中旬から5月下旬にかけて実施した「旅行市場動向調査」によると、底を打ったかにみえた海外旅行市場は予測に反して、なお一層悪化し、国内旅行市場も後退した。
 3ヵ月後はともに好転が見込まれるが、海外DIは低水準で推移する見通し。

海外旅行全般の業況について
食の安全に関する問題等で不振の中国が、四川大地震でさらに悪化。
燃油の高騰も続き、上昇に転ずるとみられた海外旅行全般のDIは、さらに20ポイント下落した。
夏休みシーズンを迎える3ヵ月後はやや好転するも、引き続き低迷の見通し。
現 況: 不振の中国を大地震が襲い、加えて景況感の悪化や一層の燃油高が海外DIの続落を招いた





「中国は食や環境問題に加え四川大地震の影響が多大で、キャンセルが相次いだ。」(リテーラー2)
「燃油サーチャージと国内景気及び物価の値上げから旅行控え。」 (リテーラー1)
「海外旅行全般で、日本からの団体旅行はいらないという現地からの嘆きがきこえる。現地みやげ物屋でも日本人客はあまり大事にされなくなった。」(リテーラー2)
海外市場の低迷も底を打ったかにみえたが、前回見通しに反してDIはさらに20ポイント下落した。
3ヵ月後(7〜9月)の見通し:
夏休みシーズンを迎えるが、燃油サーチャージ等の影響で需要低迷は必至


「中国はオリンピック年にもかかわらず最悪の年となってしまった。」(海外旅行ホールセラー)
「燃油サーチャージ高騰が夏の家族旅行にも影響すると考えられる。」(リテーラー1)
3ヵ月後(7〜9月)はやや上昇するとみられるが、DIは依然低水準が続く見通し。
総 合 
   悪化する景況感や高額な燃油サーチャージによって旅行離れがすすみ、現地では日本人団体旅行客の地位低下を招いているといった指摘が複数みられるなど、海外旅行市場は内憂外患の様相を呈している。
 また、不振の中で大規模な地震災害に見舞われた中国は下支えを失い、目前に迫ったオリンピックにも期待を寄せる声がほとんどないのが現状で、夏休み需要にも多くは望めない状況となっている。
(単位:DI)
  2年前
(4-6月)
1年半前
(10-12月)
1年3ヵ月前(1-3月) 1年前
(4-6月)
9ヵ月前
(7-9月)
6ヵ月前
(10-12月)
3ヵ月前
(1-3月)
現況
(4-6月)
3ヵ月後
(7-9月)
海外
旅行
全般
0
- 6 - 2 - 10 - 7 - 11 - 33 - 53 - 47
※- 28




※は2008年3月期調査見通し数値
  1年半前
(10-12月)
1年3ヵ月前(1-3月) 1年前
(4-6月)
9ヵ月前
(7-9月)
6ヵ月前
(10-12月)
3ヵ月前
(1-3月)
現況
(4-6月)
3ヵ月後
(7-9月)
総合旅行
会社
- 12 0 - 14
- 12 - 16
- 47 - 67 - 42
海外旅行
ホールセラー
- 22 - 11 - 28 - 20 - 27 - 42 - 73 - 67
海外旅行系
旅行会社
9 - 40 9 9 0 - 63 - 28 - 36
リテーラー 1 - 4 18 - 10 - 24 - 22 - 40 - 71 - 77
リテーラー 2 - 11 - 10 - 19 - 6 - 3 - 27 - 48 - 40
インハウス 20 10 21 11 - 6 - 13 - 39 -35

海外旅行の需要動向(顧客層別)
全顧客層でDIが続落し、いずれも前年同時期を大きく割り込む低水準。
3ヵ月後はファミリー、学生をはじめ、全般に上昇が見込まれるが、低迷が続く見通し。




顧客層別DIを3ヵ月前(1〜3月)と比較すると、学生で50ポイント近く下落したのをはじめ、シニア、ファミリー、OL、インセンティブも10ポイント以上低下するなど、全顧客層でさらに悪化した。いずれの顧客層も前年同時期を大きく下回っており、中でもシニアは36ポイント低い水準にとどまる。
夏休みシーズンを迎える3ヵ月後(7〜9月)は、ファミリー、学生で2ケタの上昇が見込まれるほか、全ての顧客層で上昇に転ずる見込みだが、引き続き前年同時期の水準を大きく割り込むものと予測される。
(単位:DI)  
  1年前
(4-6月)
9ヵ月前
(7-9月)
6ヵ月前
(10-12月)
3ヵ月前
(1-3月)
現況
(4-6月)
3ヵ月後
(7-9月)
ハネムーン - 36 - 39 - 35 - 49 - 53 - 51
ファミリー - 28 - 6 - 36 - 41 - 57 - 39
OL - 35 - 26 - 44 - 50 - 61 - 52
学生 - - - - 29 - 75 - 60
シニア 6 2 1 - 13 - 30 - 27
インセンティブ - 29 - 32 - 38 - 43 - 54 - 52
商用・視察 1 1 0 - 18 - 21 - 20
※「学生」は、2008年3月期より追加した項目
※「シニア」(旧シルバー)は60歳以上の顧客を指す
 

海外旅行の需要動向(方面別)
中国のDIがさらに大きく下落。比較的好調だったアジアも後退し、全方面で悪化した。
3ヵ月後はハワイ、アメリカ・カナダでやや好転が見込まれるものの、
全般に低い水準で推移する見通し。





方面別DIをみると、中国は続落し、3ヵ月前(1〜3月)よりさらに31ポイント悪化した。その他方面も、アジア、オセアニアで20ポイント前後、ミクロネシア、ハワイで10ポイント以上低下し、全方面で悪化した。
前年同時期と比較すると、中国は約90ポイントと大幅に悪化したほか、ヨーロッパは34ポイント、アジアは21ポイント下回り、同水準を保ったのはミクロネシアのみとなっている。
3ヵ月後(7〜9月)は、ハワイ、アメリカ・カナダでやや好転が見込まれるものの、中国は4ポイント低下、その他方面は横ばいと、いずれも低調に推移する見通し。
(単位:DI)  
(単位:DI)  
  1年前
(4-6月)
9ヵ月前
(7-9月)
6ヵ月前
(10-12月)
3ヵ月前
(1-3月)
現況
(4-6月)
3ヵ月後
(7-9月)
ハワイ - 35 - 21 - 34 - 31 - 42 - 34
アメリカ・カナダ - 41 - 36 - 34 - 47 - 52 - 46
ヨーロッパ - 1 0 - 14 - 28 - 35 - 33
オセアニア - 47 - 41 - 44 - 41 - 60 - 58
ミクロネシア - 41 - 22 - 35 - 25 - 39 - 38
中国 27 22 2 - 29 - 60 - 64
アジア - 3 6 3 - 1 - 24 - 23

 
旅行市場動向調査について

 JATA(日本旅行業協会)では、2008年1にE-mail会員各社へ調査モニターへの登録を依頼し、登録のあった607社を会員として、四半期ごとに「旅行市場動向調査」を実施し、その結果を発表しております。
 「旅行市場動向調査」は、現況・先行き(3ヵ月後)についてのアンケートに答えていただいたものから旅行市場の動向を把握することを目的としております。

 調査では各質問事項に対し「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」で評価を求め、回答数から「取り扱っていない」(無回答を含む)への回答を除いたものを母数として各回答のシェアを算出し、「DI」(=Diffusion Index ディフュージョン・インデックス)という景気動向指数に加工して発表をいたします。DI値の範囲は、全て良い(100)から、全て普通(0)、全て悪い(−100)の間の評価となります。

調査概要
調査地域 : 全国
調査対象: JATA会員各社の経営者など
調査方法: インターネット調査
調査期間: 2008年5月12日(月)〜5月26日(月)
設定数 : 607社
回収数: 247社
回収率: 40.7%

 業態別区分について
「旅行市場動向調査」では、各業況を業態別に分析しています。
各業態の定義と今回調査での回答件数は下記の表の通りとなっています。

業態名 定義 件数
総合
旅行会社
全国にネットワークを持ち、全分野に商品を持つ大規模な旅行会社 29
海外旅行
ホールセラー
海外旅行を専業とするホールセラー会社 30
海外旅行系
旅行会社
旅行業の取扱額が50億円以上で、うち海外旅行の取扱額が80%以上の旅行会社 11
国内旅行
ホールセラー
国内旅行を専業とするホールセラー会社 7
リテーラー 1 上記以外で旅行業の取扱額が30億円以上の旅行会社 34
リテーラー 2 上記以外で旅行業の取扱額が30億円未満の旅行会社 96
インハウス 親会社の業務渡航などを中心に行っている旅行会社 40
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