第26回JATA旅行市場動向調査〜海外(2008年9月期)

2008年9月24日

 JATA(日本旅行業協会)では、旅行市場の動向を捉えるため、会員各社に定期的にアンケートを実施し、旅行の種類、方面、顧客層別に業況判断を指数化して四半期ごとにまとめている。
(調査の概要については末尾に記載)
 2008年7月下旬から8月中旬にかけて実施した「旅行市場動向調査」によると、高騰を続ける燃油サーチャージが敬遠された海外旅行市場はなお一層悪化したが、顧客がシフトした国内旅行市場は好転した。
 3ヵ月後も海外市場はさらに悪化、引きずられるように国内市場も低下が見込まれる。

海外旅行全般の業況について
高額な燃油サーチャージが敬遠され、ファミリーをはじめ夏休み時期の海外旅行需要は低迷し、海外DIはさらに9ポイント悪化した。
3ヵ月後も好転につながる要素は見当たらない。
現 況:期待された夏休み需要も思わしくなく、海外DIはさらに悪化した




「夏休み期間なのにファミリーの申し込みが悪い。やはり燃油問題が大きい。」
(海外旅行系旅行会社)
「燃油サーチャージの影響で、海外旅行から国内旅行の近距離にシフト。」
(海外旅行ホールセラー)
海外市場の低迷は続き、前回見通しに反してDIはさらに9ポイント低下した。
3ヵ月後(10-12月)の見通し:
  ファミリーや業務渡航もふるわず、上昇に転ずる好材料は見出せない



「業務出張に関しても運賃・燃油高騰の影響によりダウングレードや出張者数減を招いている。」
(リテーラー2)
「ファミリー層は秋以降の先行受注も期待薄。」(リテーラー2)
3ヵ月後(10-12月)も燃油高の解消は期待薄で、依然として海外市場に好転の気配は見えない状況。
総 合
  夏休みのファミリー需要が前年を大幅に割り込むなど、海外旅行市場はさらに悪化した。高額な燃油サーチャージを避け国内へシフトする流れが一段と強まった結果といえる。
業務渡航も後退しており、今後も厳しい状況が続く見通し。
(単位:DI)
  2年前
(7-9月)
1年半前
(1-3月)
1年3ヵ月前(4-6月) 1年前
(7-9月)
9ヵ月前
(10-12月)
6ヵ月前
(1-3月)
3ヵ月前
(4-6月)
現況
(7-9月)
3ヵ月後
(10-12月)
海外
旅行
全般
9
- 2 - 10 - 7 - 11 - 33 - 53 - 62 - 66
※- 47




※は2008年6月期調査見通し数値
  1年半前
(1-3月)
1年3ヵ月前(4-6月) 1年前
(7-9月)
9ヵ月前
(9-12月)
6ヵ月前
(1-3月)
3ヵ月前
(4-6月)
現況
(7-9月)
3ヵ月後
(10-12月)
総合旅行
会社
0 - 14 - 12
- 16 - 47
- 67 - 81 - 74
海外旅行
ホールセラー
- 11 - 28 - 20 - 27 - 42 - 73 - 82 - 57
海外旅行系
旅行会社
- 40 9 9 0 - 63 - 28 - 64 -73
リテーラー 1 18 - 10 - 24 - 22 - 40 - 71 - 73 - 81
リテーラー 2 - 10 - 19 - 6 - 3 - 27 - 48 - 60 - 67
インハウス 10 21 11 - 6 - 13 - 39 - 36 - 58

海外旅行の需要動向(顧客層別)
夏休み時期にもかかわらずファミリー、OLは続落。
3ヵ月後もファミリーの下落に歯止めがかからず、全体的に低迷が続く見通し。




顧客層別DIは、学生で横ばいだったものの、他の顧客層は軒並み低下し、OL、ハネムーン、ファミリーは10ポイント以上低下した。
前年同時期と比較すると、ファミリーで61ポイントと大幅に下回るのをはじめ、OL、シニアで40ポイント以上、商用・視察、インセンティブ、ハネムーンでも20ポイント以上、下回っている。
3ヵ月後(10〜12月)も、ファミリー、学生、商用・視察では5ポイント前後の低下が見込まれる。そのの他の顧客層はほぼ横ばいで、いずれも低調に推移する見通し。
(単位:DI)  
  1年前
(7-9月)
9ヵ月前
(10-12月)
6ヵ月前
(1-3月)
3ヵ月前
(4-6月)
現況
(7-9月)
3ヵ月後
(10-12月)
ハネムーン -39 -35 - 49 - 53 - 63 - 61
ファミリー -6 - 36 - 41 - 57 - 67 - 72
OL -26 - 44 - 50 - 61 -73 -74
学生 - - - 29 - 75 - 74 - 79
シニア 2 1 - 13 - 30 - 38 - 37
インセンティブ - 32 - 38 - 43 - 54 - 58 -55
商用・視察 1 0 -18 - 21 - 28 -32
※「学生」は、2008年3月期より追加した項目
※「シニア」(旧シルバー)は60歳以上の顧客を指す
 

海外旅行の需要動向(方面別)
オリンピックが開催された中国も含め、全方面で2ケタの悪化。
3ヵ月後も低調で、ヨーロッパはさらに9ポイントの低下が見込まれる。




方面別DIは、いずれも3ヵ月前(4〜6月)より2ケタの悪化となった。中でもハワイ、オセアニアは
20ポイント以上低下し、オリンピックが開催された中国でも10ポイント下回った。
前年同時期と比較しても、中国が92ポイントと大幅に下回るのをはじめ、ヨーロッパ、アジア、ハワイで40ポイント以上、オセアニア、ミクロネシア、アメリカ・カナダも30ポイント以上下回った。
3ヵ月後(10〜12月)は、ヨーロッパではさらに9ポイントの低下が見込まれる。その他方面には大きな動きはない模様だが、厳しい状況が続くと予想される。
(単位:DI)  
(単位:DI)  
  1年前
(7-9月)
9ヵ月前
(10-12月)
6ヵ月前
(1-3月)
3ヵ月前
(4-6月)
現況
(7-9月)
3ヵ月後
(10-12月)
ハワイ - 21 - 34 - 31 - 42 -67 -64
アメリカ・カナダ - 36 - 34 - 47 - 52 - 68 - 69
ヨーロッパ 0 - 14 - 28 - 35 - 49 -58
オセアニア - 41 - 44 - 41 - 60 - 80 - 77
ミクロネシア - 22 - 35 - 25 - 39 - 57 - 57
中国 22 2 - 29 - 60 -70 - 68
アジア 6 3 - 1 - 24 - 41 - 41

旅行市場動向調査について

 JATA(日本旅行業協会)では、2008年1月にE-mail会員各社へ調査モニターへの登録を依頼し、登録のあった598社を会員として、四半期ごとに「旅行市場動向調査」を実施し、その結果を発表しております。
 「旅行市場動向調査」は、現況・先行き(3ヵ月後)についてのアンケートに答えていただいたものから旅行市場の動向を把握することを目的としております。

 調査では各質問事項に対し「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」で評価を求め、回答数から「取り扱っていない」(無回答を含む)への回答を除いたものを母数として各回答のシェアを算出し、「DI」(=Diffusion Index ディフュージョン・インデックス)という景気動向指数に加工して発表をいたします。DI値の範囲は、全て良い(100)から、全て普通(0)、全て悪い(−100)の間の評価となります。

調査概要
調査地域 : 全国
調査対象: JATA会員各社の経営者など
調査方法: インターネット調査
調査期間: 2008年7月25日(金)〜8月12日(火)
設定数 : 598社
回収数: 249社
回収率: 41.6%

業態別区分について

「旅行市場動向調査」では、各業況を業態別に分析しています。
各業態の定義と今回調査での回答件数は下記の表の通りとなっています。

業態名 定義 件数
総合
旅行会社
全国にネットワークを持ち、全分野に商品を持つ大規模な旅行会社 33
海外旅行
ホールセラー
海外旅行を専業とするホールセラー会社 28
海外旅行系
旅行会社
旅行業の取扱額が50億円以上で、うち海外旅行の取扱額が80%以上の旅行会社 11
国内旅行
ホールセラー
国内旅行を専業とするホールセラー会社 10
リテーラー 1 上記以外で旅行業の取扱額が30億円以上の旅行会社 29
リテーラー 2 上記以外で旅行業の取扱額が30億円未満の旅行会社 97
インハウス 親会社の業務渡航などを中心に行っている旅行会社 41
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