第27回JATA旅行市場動向調査〜海外(2008年12月期)
2008年12月17日

 JATA(日本旅行業協会)では、旅行市場の動向を捉えるため、会員各社に定期的にアンケートを実施し、旅行の種類、方面、顧客層別に業況判断を指数化して四半期ごとにまとめている。
(調査の概要については末尾に記載)
 2008年10月下旬から11月中旬にかけて実施した「旅行市場動向調査」によると、高い燃油サーチャージが敬遠される現状に金融不安が波紋を広げ、海外旅行市場は低迷が続く。国内旅行市場も景気後退の影響は避け難く、予想以上に悪化した。3ヵ月後も厳しい状況は続き、海外、国内ともさらに低下する見通し。

海外旅行全般の業況について
金融危機の影響と、依然高額な燃油サーチャージにより、海外DIは低下。
3ヵ月後は円高や原油の値下がりに期待する向きもあるが、景気に関して悲観的な見方が支配的で、さらに悪化の見通し。
現 況:金融危機の影響に加え高額な燃油サーチャージが足かせとなり、海外DIは低下した



「燃料代が原油相場と連動していない為割高感があり、景気減退とあいまって伸びない。」
(総合旅行会社)
「株安・景気悪化に伴い、業務需要に影響が出始めている。」(海外旅行ホールセラー)
海外旅行全般のDIはさらに低下し、前回と同様、前年同時期より50ポイント以上低い水準であった。
3ヵ月後(1-3月)の見通し: 円高や燃油サーチャージの値下げなど期待要素はあるものの、景気後退により海外DIは続落の見通し




「円高と原油安値で需要が喚起されればと願うが、景気次第といったところ。」
(海外旅行系旅行会社)
「原油価格の下落に対し、燃油サーチャージの改正期間のずれが原因で、今一つ需要の回復に繋がらず、国際金融不況の影響により、さらなる低迷が予測される。」(インハウス)
3ヵ月後(1〜3月)の経済見通しも厳しく、海外DIは極めて低い水準に落ち込む見通し。
総 合 
   金融不安により市場経済全体が萎縮する中、高額に据え置かれたままの燃油サーチャージが忌避され、海外旅行市場は低迷が続く。急速に企業業績の悪化も進んでおり、業務渡航にも縮小傾向がみられる。
(単位:DI)
  2年前
(10-12月)
1年半前
(4-6月)
1年3ヵ月前
(7-9月)
1年前
(10-12月)
9ヵ月前
(1-3月)
6ヵ月前
(4-6月)
3ヵ月前
(7-9月)
現況
(10-12月)
3ヵ月後
(1-3月)
海外
旅行
全般
- 6 - 10
- 7 - 11 - 33 - 53 - 62 - 64 - 69
※- 66




※は2008年9月期調査見通し数値
  1年半前
(4-6月)
1年3ヵ月前
(7-9月)
1年前
(10-12月)
9ヵ月前
(1-3月)
6ヵ月前
(4-6月)
3ヵ月前
(7-9月)
現況
(10-12月)
3ヵ月後
(1-3月)
総合旅行
会社
- 14
- 12 - 16
- 47 - 67
- 81 - 81 - 69
海外旅行
ホールセラー
- 28 - 20 - 27 - 42 - 73 - 82 - 87 - 83
海外旅行系
旅行会社
9 9 0 - 63 - 28 - 64 - 64 - 55
リテーラー 1 - 10 - 24 - 22 - 40 - 71 - 73 - 80 - 76
リテーラー 2 - 19 - 6 - 3 - 27 - 48 - 60 - 53 - 68
インハウス 21 11 - 6 - 13 - 39 - 36 -54 -64

海外旅行の需要動向(顧客層別)
商用・視察が23ポイントと大きく後退。全般に低下傾向だが、ハネムーンは上昇した。
3ヵ月後は、学生の卒業旅行以外に好材料は見当たらない。





3ヵ月前(7〜9月)と比較した顧客層別DIは、商用・視察で23ポイントと大きく後退したほか、インセンティブ、シニア、ファミリーも10ポイント以上低下した。一方、ハネムーンは7ポイント上昇しており、「ハネムーンは堅調」との回答が複数得られた。
ただし、全ての顧客層が前年同時期を大幅に下回っており、シニア、商用・視察では50ポイント以上低い。
3ヵ月後(1〜3月)は、学生の卒業旅行以外に好材料は見当たらず、他の顧客層DIは低下する見通し。
(単位:DI)  
  1年前
(10-12月)
9ヵ月前
(1-3月)
6ヵ月前
(4-6月)
3ヵ月前
(7-9月)
現況
(10-12月)
3ヵ月後
(1-3月)
ハネムーン - 35 - 49 - 53 - 63 - 56 - 62
ファミリー - 36 - 41 - 57 - 67 - 78 - 80
OL - 44 - 50 - 61 - 73 - 72 - 73
学生 - - 29 - 75 - 74 - 82 - 68
シニア 1 - 13 - 30 - 38 - 51 - 53
インセンティブ - 38 - 43 - 54 - 58 - 72 - 77
商用・視察 0 - 18 - 21 - 28 - 51 - 57
※「学生」は、2008年3月期より追加した項目
※「シニア」(旧シルバー)は60歳以上の顧客を指す
 

海外旅行の需要動向(方面別)
他方面と比べて相対的にDIの高かったヨーロッパ、アジア、ミクロネシアが低下したことによりDIはおしなべて低水準となった。3ヵ月後も総じて低調に推移する見通し。



方面別DIを3ヵ月前(7〜9月)と比較すると、ヨーロッパ、アジア、ミクロネシアといった、相対的にDIの高い方面が5ポイント以上低下したことにより、方面による差が縮小した。
いずれも前年同時期より大幅に低い水準で、最も下落幅の小さいミクロネシアでも27ポイント下回る。
3ヵ月後(1〜3月)も、アメリカ・カナダで10ポイントの低下が見込まれるなど、全方面で低迷が続く見通し。
(単位:DI)  
  1年前
(10-12月)
9ヵ月前
(1-3月)
6ヵ月前
(4-6月)
3ヵ月前
(7-9月)
現況
(10-12月)
3ヵ月後
(1-3月)
ハワイ - 34 - 31 - 42 - 67 - 67 - 71
アメリカ・カナダ - 34 - 47 - 52 - 68 - 65 -75
ヨーロッパ - 14 - 28 - 35 - 49 - 57 - 63
オセアニア - 44 - 41 - 60 - 80 - 73 - 77
ミクロネシア - 35 - 25 - 39 - 57 - 62 - 62
中国 2 - 29 - 60 - 70 - 71 - 71
アジア 3 - 1 - 24 - 41 - 48 - 50

 
旅行市場動向調査について
 JATA(日本旅行業協会)では、2008年1月にE-mail会員各社へ調査モニターへの登録を依頼し、登録のあった593社を会員として、四半期ごとに「旅行市場動向調査」を実施し、その結果を発表しております。
 「旅行市場動向調査」は、現況・先行き(3ヵ月後)についてのアンケートに答えていただいたものから旅行市場の動向を把握することを目的としております。
 調査では各質問事項に対し「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」で評価を求め、回答数から「取り扱っていない」(無回答を含む)への回答を除いたものを母数として各回答のシェアを算出し、「DI」(=Diffusion Index ディフュージョン・インデックス)という景気動向指数に加工して発表をいたします。DI値の範囲は、全て良い(100)から、全て普通(0)、全て悪い(−100)の間の評価となります。

調査概要
調査地域 : 全国
調査対象: JATA会員各社の経営者など
調査方法: インターネット調査
調査期間: 2008年10月27日(月)〜11月10日(月)
設定数 : 593社
回収数: 233社
回収率: 39.3%

業態別区分について

「旅行市場動向調査」では、各業況を業態別に分析しています。
各業態の定義と今回調査での回答件数は下記の表の通りとなっています。

業態名 定義 件数
総合
旅行会社
全国にネットワークを持ち、全分野に商品を持つ大規模な旅行会社 31
海外旅行
ホールセラー
海外旅行を専業とするホールセラー会社 23
海外旅行系
旅行会社
旅行業の取扱額が50億円以上で、うち海外旅行の取扱額が80%以上の旅行会社 11
国内旅行
ホールセラー
国内旅行を専業とするホールセラー会社 9
リテーラー 1 上記以外で旅行業の取扱額が30億円以上の旅行会社 27
リテーラー 2 上記以外で旅行業の取扱額が30億円未満の旅行会社 89
インハウス 親会社の業務渡航などを中心に行っている旅行会社 43
この資料についてのお問合せは、JATA広報室までお願いします。
TEL :(03)3592−1244(直)
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