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高山病(スイス 南米 ネパール 中国奥地)
知らないと本当に怖い一般ツアーの高山病!

最近では登山ではなく一般のツアーの高山病が問題になっています。中高年に人気のトレッキングや若い人達のレジャー登山の場合も要注意です!!

子どもたちが独立して、二人暮らしの山登りが好きなE夫妻。若い時は、二人でよく登山旅行したものです。今度、二人はスイスへ旅行することにしました。「ケーブルカーやロープウェイに乗って、山の美しい景色を楽しみたい。トレッキングがはやっているんだって」体力には多少の自信がある二人ですが、しばらく運動らしい運動はしていなかったようです。

一般のツアーなので、高山病の心配をしている様子もみられませんが…。

Q どんな所、どんな時に起こるのですか?

A
スイス、南米、ネパールでのトレッキング、中国雲南省で多くの人が一般のツアーにおいて高山病にかかっています。
2000メートル以上、高齢者の方は1500メートル以上の高地で、酸素が不足すると起こります。高山病は登山者だけでなく、南米で飛行機が3000メートル以上の高地にある空港に到着後、そしてスイスでケーブルカーや登山バスなどで、高地への移動の時にかかってしまう人もいます。

Q どんな症状がでるのですか?

A
軽い高山病である山酔い(AMS)。生命にかかわる高所肺水腫(HAPE)や高所脳浮腫(HACE)の3種類で、症状は以下の通りです。
  • 軽い高山病である山酔いの症状は、頭痛と以下の症状がひとつでもある場合です。
    症状
    :食欲低下、吐き気または吐く、全身の疲労感、または全身の脱力感、立ちくらみやめまい、夜眠れない、息苦しく何度も目が覚める。
  • 高所肺水腫は生命にかかわる高山病で、症状は以下の症状と兆候が2つ以上ある場合です。
    症状
    : 安静にしている時でも呼吸がしづらい、せきがでる、全身の脱力感、または歩けない、胸に圧迫感がある、または締め付けられるような感じがする。
    兆候
    : ゼーゼーという呼吸、唇が紫色になる、呼吸の回数が増える、脈が速い。
  • 高所脳浮腫は山酔いの症状に加えて、まっすぐ歩けない、酔っぱらった時のような言動になるという、生命にかかわる極めて危険な状態です。

Q かかったらどうすればよいのですか?

A
2000メートル以上の高所で、体調を崩したら「高山病」と考えて、可能なら速やかに高度を下げることです。軽い山酔いであれば、安静にして頭痛薬を飲めば治る場合が多いのです。
ただし、一般のツアーの場合は、少しでも気分が悪いようであれば、早めに隠さずに必ず添乗員またはガイドに申し出ること。病気が悪化してからでは、より多くの迷惑をかけることになります。症状があるうちは、それ以上高いところへ行くと大変危険です。
応急処置としては酸素を吸うこと、アセタゾラミドを飲むという方法があります。
割れるような頭痛でも、速やかに低地への移動ができれば、後遺症もなく治るのが高山病の特徴です。

用語説明 アセタゾラミド

脳の血管を広げ血流量を増加させて、脳の酸素不足を改善する働きと、呼吸の中枢を刺激して全身の酸素不足を改善する働きがある薬です。

日本では近年、高山病の病状である睡眠時無呼吸症候群に処方が認められ、高山病の薬として医師が処方しています。高山病に詳しいお医者様に処方してもらいましょう。

また、これは予防のためなので、保険は適用されません。 費用は3,000円程度かかります。

Q 予防法はありますか?

A
ゆったりとした日程計画で行動すること。ゆっくりと高度を上げていけば、身体は順応していきます。
しかし、3000メートル以上の高所にある南米の空港に飛行機が着陸するツアーなどでは、薬で予防するほうが良いでしょう。そして、水分も十分に取ることです。

薬での予防法

薬は、治療にも使われるアセタゾラミドを使います。

高所へ行く前日に125ミリグラムを1日2回飲み、到着後も3日間飲みます。

これは欧米で、一般的な予防対策です。日本でも処方できるようになりましたので、お医者様に相談してみると良いでしょう。

Q どんな注意が必要ですか?

A
スイスやネパールでは3000メートル以上の高所にあるホテルに泊まることもあります。
ホテルでは、酸素が薄くなっていて眠れないからと、アルコールや睡眠薬を使う場合がありますが、アルコールや睡眠薬は呼吸を抑える働きがあり、これは脳の低酸素状態を招き、数日後に脳梗塞になる恐れがあります。
高山でのアルコールと睡眠薬の併用絶対に避けましょう。
また、アルコールには利尿作用があり、飲み過ぎると、脱水症状を起こして山酔いを悪化させることもあります。ワインを一杯飲む程度にしましょう!

本当に危なかった実話です! 高山病の事例

  • ネパールトレッキング中に意識不明になりました。登山経験は結構ありましたし、ネパールトレッキングは4回目でしたが、標高5000メートル級は初めてでした。高山病になったのは、1日1000メートルのハイペースで登っていたのが原因です。倒れて、ヘリコプターでカトマンズの病院へ運ばれ、一命をとりとめました。

(57歳 男性)

  • 昨年の夏にスイス旅行中、クライネシャデックへ向う登山電車の途中駅で気分が悪くなりはじめて、山頂駅では頭痛や吐き気・悪寒がしてきました。
    ずっとストーブにあたっていましたが症状は良くならず、意識が朦朧としてきたので、あわてて下りの電車に乗りました。ふもとに着くころには頭痛・吐き気・悪寒は治まったのですが、身体がふらついてホテルでも何度も目が醒めて寝苦しい夜が続きました。
    高山病の知識は、全くなかったのですが、とにかく高度を下げたのが幸いして、助かりました。

(45歳 女性)

コラム 私の旅の場合

登山家の田部井淳子さんに旅行へ行く時のことを聞いてみました。

私は、機内での過ごし方を工夫しています。着るものは、しわにならない、伸び縮みするパジャマ的スタイルで過ごし、必ず一枚はおれるものを持って行く。これは、すごく大事。

また、十分水を含ませたマスクを用意し、しっかりと乾燥を防ぎます。特にのどや鼻によく効きます。

高山では、空気が乾燥しているので、山へ行く前に十分に水分を取り、体調をきっちり整えることが大切です。  これは、旅行全般の注意点だと思いますが、旅行に行く前から(普段から)なるべく歩くようにするとか、体調に気をつけるなどしておかないといけません。楽しいはずの旅行が人の手を煩わせ、結局、途中で帰ってきたなんて、何をしに行ったのかわからないと思います。慣れない外国の生活で、調子よく行った人もいますが、カゼをひいたり、下痢したりする人もいます。

私が気をつけるべきだと思うのは「暴飲暴食を避け、歩き方、休憩の取り方に気をつけ、水分をよく取り、(トイレなど)我慢しない」ということです。 私は日常生活の中でもかなり歩きます。1日に2〜3キロは歩きます。なるべく足を使うようにしているのです。歩く事はとても大切です。1日に110を超える心拍数の運動を毎日10分以上すると、かなり違います。

もちろん飛行機の中でもストレッチをします。

登山家 田部井 淳子(たべい じゅんこ)
1939年 福島県生まれ。
1975年 世界最高峰エベレスト(8848m)に女性として初登頂。

出典:旅と健康シリーズ[2]「旅立つ前の安心ガイド」日本旅行業協会発行

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