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シリーズ:添乗員のための旅行医学(2013年1月)

妊婦さんの海外旅行

妊娠中の海外旅行は、避けた方が無難ではあるものの、いくつかの点に気を付ければ楽しむことができます。旅行先選び、準備、現地での注意事項など、妊婦さんが安心して旅行するためにはどうしたらいいかを、山本ウィメンズクリニックの山本悦子先生に伺いました。

妊娠中の海外旅行

持病のある人、流早産・妊娠高血圧・妊娠糖尿病の既往者、貧血症、多胎妊娠、若年・高齢初産は注意が必要です。リスクのない妊婦さんで、胎児の成長も順調であれば、18〜24週頃が安全な時期とされています。まずは産科主治医に、確認してください。

妊婦さんの旅先選び

時差ぼけの薬は良くないので、時差の少ない旅行先を選び、十分な睡眠・休憩のとれるゆとりある計画をたてましょう。お腹が張らないように、1カ所にのんびり滞在する旅行がおすすめです。
飛行時間は、5時間以内の場所がいいでしょう。
高山病の危険がある高地、スキューバ、マラリアなど感染症が蔓延している地域への旅行は避けましょう。

感染症に注意

妊娠中は感染症が重症化しやすいため、十分に加熱された食物をとり生水、フルーツ、サラダ、飲み物の氷、渡航先によっては洗面の水にも注意してください。

旅行前の準備

産科主治医に妊娠中内服可能な子宮収縮抑制剤や抗生剤、解熱鎮痛剤などの準備について相談するとよいでしょう。渡航時には妊娠週数のわかるような記録(母子手帳、エコー写真、薬・予防接種等の医療記録など)を持参しましょう。
また渡航先での発熱、不正出血、腹痛、破水、高血圧(頭痛、視野異常)など万が一に備え、病院を調べておくとベストです。海外旅行保険の妊娠時の補償内容について妊娠週数による取り決めなどで補償されないケースも多いため、確認しておきましょう。

機内での過ごし方

妊娠中は血液凝固因子や静脈の拡張度の変化により、静脈血栓症いわゆる「エコノミー症候群」のリスクが6倍といわれています。
機内では湿度が低く気圧が高いことから水分不足に陥りがちなことも助長の要因です。
したがって飛行時間は短時間が安全で、5時間以内を目安としてください。循環を促すために、こまめに水分摂取し、機内が安全であれば30分ごとに歩いたり、簡単なストレッチや下肢の運動をしましょう。あらかじめ通路側の席をリクエストして、乗務員に妊娠中であることを告げておくとよいでしょう。
また消化管ガスの膨張で腹部の膨満感が不快になりやすいため、機内ではガスの出にくいヘルシーな軽食やミネラルウォーターを選びましょう。
シートベルトは骨盤の下、お腹を圧迫しない位置で常に着用してください。

妊婦と予防接種

渡航先によって、予防接種を必要とする疾患があります。一般的に、

  • (1)妊娠中は麻疹、風疹、水痘、おたふく、黄熱、経口腸チフスなどの生ワクチンは接種してはいけません。あらかじめ、麻疹・風疹・おたふくなどは血液検査で免疫があるかどうかの確認はできますので調べておくのもよいでしょう。
  • (2)不活化ワクチンは一般的には問題ないとされているものの、日本では原則妊娠前に受けておくことが望ましいとされています。医師と相談してください。

旅行者のみなさまへ

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