JATA環境基金 島根県大田市「石見銀山協働会議」
島根県大田市「(特) 行って楽しい迎えて嬉しい石見銀山NPO」

更新日:2023年01月11日


2008年1月4日

平成19年度の助成先のひとつである島根県大田市の団体「石見銀山協働会議」と「島根県大田市 (特) 行って楽しい迎えて嬉しい石見銀山NPO」の活動・実施状況を確認するためヒアリング/調査を行いました。

団体名 石見銀山協働会議
活動場所 島根県大田市
事業テーマ 石見銀山維持・保全活動(クリーン銀山)
事業内容 「石銀地区」や「本谷地区」などは銀の採掘、精錬に係る遺跡が密集している地区だが、竹が繁茂している状況にあり遺構保存や景観保全の面で問題となっている。竹の間伐後、「チョッパーシュレッダ」で竹の処理も行い、遺構の保護と遊歩道確保を図る。
助成金額 627,900円
団体名 (特) 行って楽しい迎えて嬉しい石見銀山NPO
活動場所 島根県大田市
事業テーマ 世界遺産保護の竹やぶ伐採で癒し空間を!!
事業内容 石見銀山周辺で、宿泊客やNPOが協力して、環境保全のための竹伐採活動と竹を活用したモノ作り(竹炭や竹アロマオイルなど)に取り組む。竹やぶで悩んでいる地域の「有効活用モデル」にしたい。
助成金額 500,000円

1.石見銀山

石見銀山は昨年6月に日本で14件目となる世界遺産に登録された。1526年に博多の豪商神屋寿禎が発見し、以来1923年まで約400年にわたって採掘された鉱山遺跡である。
石見銀山がもつ顕著な普遍的価値は次の3点である。

  1. 世界的に重要な経済・文化交流を生み出した。
  2. 伝統的技術による銀生産方式を豊富で良好に残す。
  3. 銀の生産から搬出に至る全体像を不足なく明確に残す。


龍源寺間歩の入り口と遊歩道界隈の風情

2.石見銀山の価値を引き継ぐために

当協会が今回助成した二つの団体は、石見銀山の価値を未来に引き継ぐため、また持続可能な地域づくりの実現のために活動している団体である。
石見銀山遺跡はそのほとんどが森林に覆われていて、一見豊かな緑の里山も手入れが十分に行われているとは言い難い状態である。特に竹が繁茂し、遊歩道をふさぎ、石垣を壊すなどの問題を生じさせている。竹を伐採し、チップにしてそれを堆肥化したり、竹炭や竹細工に加工する等有効活用するための取り組みがはじまっている。

竹を伐採後、チップにしてそれを堆肥化する作業(石見銀山協働会議関係)

竹炭や竹細工に加工する((特) 行って楽しい迎えて嬉しい石見銀山NPO)

 

3.石見銀山協働会議について

平成17年6月に設立。「石見銀山遺跡」を“民間と行政の協働”により守り伝え、石見銀山スタイルの持続可能な地域づくりを推進するために活動している。会員数200名。
遺跡の保護や遊歩道の整備に加え“クリーン銀山”と称した遺跡の清掃活動等を行っている。当協会は竹伐採後のチッパーシュレッダーを助成する。

石見銀山協働会議
島根県大田市大田町大田 ロ1111
大田市総務部 石見銀山課

4.(特) 行って楽しい迎えて嬉しい石見銀山NPOについて

地元の大学生、若手経営者、有識者、青年会議所メンバーを中心に設立。平成16年特定非営利活動法人となる。創業97年の老舗旅館が協力して運営。石見銀山の啓蒙活動、草の根国際交流、地域活性化、雇用創出を目的に活動している。当協会は竹伐採後の竹炭つくり等の機材を助成する。

(特) 行って楽しい迎えて嬉しい石見銀山NPO
島根県大田市温泉津町温泉津イ707-1
吉田屋旅館内

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5.先人の遺産を現代の人の手で守り伝える

世界遺産に登録されてから石見銀山を訪れるお客様は確実に増えている。石見銀山は文化遺産であるが、自然の中に存在するもので、人の汗なくしては守れないことを改めて認識した。竹を一人悪役にするのはいかがなものかとも思うが、その繁殖力は確かに凄い。方法は違うが、石見銀山協働会議と(特) 行って楽しい迎えて嬉しい石見銀山NPOは石見銀山の遺跡を守るために、地道にしかし熱い思いで活動していることを実感した。

本件に関するお問い合わせ

社団法人日本旅行業協会
JATA総合企画部 総合企画・情報管理グループ
  • TEL 03-3592-1271