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平成25年度 JATA×JWTC第3回セミナー
「旅行業における女性の進出・活躍について」

日 時
平成26年3月6日(木)19:00〜20:00
場 所
JATA4階研修室
講 師
吉川 勝久(JATA副会長)
参加人数
70名(JATA 53名、JWTC 17名)

-鉄道会社から旅行業へ- 女性が多い業界ながら管理職は少数

 終戦の年に生まれ、東京五輪に沸いた1964年、大学に入り、初めてパスポートを手に旅をしたのは返還前の沖縄でした。そして近畿日本鉄道に入社後の1975年、米国に渡り任されたのが、サンフランシスコ日本町「ジャパンセンター」のマネージメントです。帰国後は労務部長にも就きました。男女雇用機会均等法(雇均法)が施行(1986年)され、女性の活用が大きなテーマとなった時代です。助役や車掌など鉄道事業の現場に、女性が進出する道筋をつけました。

 2008年、近畿日本ツーリスト(当時)社長に就いたのですが、旅行業に転じて驚いたのは、業界会合など顔合わせする機会が実に多いということ。世界のさまざまな事象や変化を事業対象・領域にしてしまう。そのような業界は類をみません。

 また、消費者保護のスタンスが非常に強い一方で、燃油サーチャージを一例に消費者転嫁も早い。何より物理的装置がないのに、無から有を生む能力に長けた人たちが、多いことにも驚かされました。女性が大勢働く業界ですが、管理職が少ない印象を受けました。

-女性の管理職登用が遅れる日本- 政府目標値30%の是非

 結婚や出産を機に女性は退職するのが当たり前という時代が確かにありましたが、雇均法で総合職・一般職の職種導入がなされたのが転換点でした。1997年の法改正時には、厚労省と“結果”の平等を議論したこともあります。

 時代が変わり、近ごろはダイバシティという考えも浸透し始めました。第二次安倍内閣が女性活用を成長戦略の一つに位置付けたのは、記憶に新しいところです。これに呼応して、経団連など産業界も政策目標の達成に向けて動き出しました。JATAも昨年来、政策検討委員会においてダイバシティの推進を掲げています。

 しかし、わが国における女性の管理職登用状況は低く、現代ギャップ指数(男女平等度) で世界118位、アジア太平洋地域で実施された女性の社会進出度調査においては最下位です。

 ちなみに、KNT−CTホールディングスの現況を男女年齢別構成比でみると、60〜50歳は男性が圧倒的多数で、50〜40歳になると男性が倍以上、40〜30歳で男女ほぼ同数、30〜20歳になると女性が2倍強で、全体では男女ほぼ同数です。

 新卒は女性のほうが優秀で、その理由は学生時代から目的意識が高いから。社内表彰でも、女性の受賞者が増えています。ところが入社5年目ころを境に、女性の退職者が増え始めるのです。男性は、採用時こそ勉強不足を感じますが、仕事をしながら力をつける傾向にあります。女性の管理職比率は約12%ですが、これを機に、我が社でも女性の活躍に真剣に取り組みたいと考えています。

 政府は、指導的地位に占める女性の割合を、2020年までに30%程度とする目標を掲げています。しかし現況で、この数値をまかなおうとすると時間がかかります。達成のためのバブル的な昇進の是非も問われています。企業判断によりますが、画一的目標設定には無理があるとも囁かれており、議論は尽きません。

-地位は人をつくる 女性もトップを目指す時代-

 男女における思考や価値観の違いをかんがみると、旅行業は女性のもつ強みが活かされやすい業種といえます。

 働く女性は、子供がいる・いないで差が生じることは否めません。男性中心の従来型環境の企業や社会でも、実力があれば昇進・起業ができます。ただし女性でなければ成しえないこと、例えば出産や乳幼児の育児に、自分以外の替りを見出すことはできず、絶対的なハンディキャップとなっています。

 これからはパラダイムシフト(企業を取り巻く事業環境変化)の時代です。出産・育児以外の家事などは、家族や企業、社会、行政で軽減分担して、その仕組みをフル活用することが求められます。能力ある女性は昇進の機会に恵まれ、女性の管理職割合は増えていくものと考えます。

 また、女性もトップを目指すべきという意見が増しています。女性の管理職比率の拡大は、海外でも一大テーマです。皆さんのなかでも、力のある方はぜひ、トップを目指していただきたい。「地位は人をつくる」といいます。世界に遅れをとる日本の現状を、打破する流れを、旅行業から起こしてもらいたいと願います。

 日本全体で女性の活躍が高まれば、新しい旅行需要を創出・拡大できるはずです。収入増で、リフレッシュや自分へのご褒美を目的とした旅行需要が増し、ひいては旅行業の発展につながるでしょう。働く女性をサポートする事業の創出や起業など、ビジネスチャンスも見込めます。旅行業の女性が、ますます活躍することを期待しています。

JATA吉川副会長採録

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