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2011年2月15日開催

JATA経営フォーラム2011開催報告
「今創る 旅の新しい価値!!〜多様化時代の“いきいき旅行業”を目指して〜」

テーマ別分科会

分科会A


大木 哲也氏

鎌田 啓之氏

出井 弘俊氏

向山 聡氏

テーマ:「私はネット、あなたはリアル」
〜Web販売と店舗販売、それぞれの今後を検証〜

モデレーター:サービス・ツーリズム産業労働連合会会長 大木 哲也氏
パネリスト:楽天トラベル(株)常務執行役員 事業戦略部部長 鎌田 啓之氏
パネリスト:(株)JTB首都圏 個人グループ営業担当部長 出井 弘俊氏
パネリスト:サービス産業生産性協議会 主席コンサルタント 向山 聡氏

消費者の行動調査を手がける向山氏は、ネット販売を利用する際にユーザーは、旅行先でのトラブル発生時の対応、予約の変更や取り消しを重視する傾向にあるとし、「ネットとリアルでお客様が求めるニーズは異なる。旅行会社も取り組み方を変える必要がある」と強調しました。

鎌田氏は、「海外旅行や団体旅行が増えてくると、どこまで人員を組んで対応していけるか」とオンラインエージェントの人的な限界性について言及。その上で、鎌田氏は団体旅行の取り込みについて、「添乗員の手配などの問題もあり、総合旅行化はまだ先になる」との見解を示しました。

一方、出井氏は「ネットは敵ではなく、活用することで、より広範囲な顧客の獲得が可能になる」と指摘、ネットとの融合で新たな需要開拓を進める方向性を示しました。

出井氏は、店頭スタッフのコンサルティング力強化、ネット販売後のサポートを行うクロスチャネル戦略、モバイルメールの活用などの情報伝達力の強化、価格変動に追随するノンパンフレットへの取り組み−の4点を全店舗で推進していることを紹介しました。

とくに、“価格変動型手配旅行”をメールで告知したり、店内POPで掲示したりすることで、「宿泊券の単品販売は前年を上回る実績を上げた」と成果を強調しました。

出井氏は、「店舗販売の弱みは情報発信のスピード不足。さらに利便性や価格イメージの改善も課題」と指摘、「ネットの活用でリアル店舗にお客様を誘導していくことが大事」と重ねて強調しました。

分科会B


丁野 朗氏

加藤 誠氏

沢登 次彦氏

真板 昭夫氏

テーマ:「地域活性化で旅行業もいきいき!」
〜地域活性化事業の現状と今後のビジネスモデル〜

モデレーター:(社)日本観光協会常務理事・総合研究所長 丁野 朗氏
パネリスト:(株)ジェイティービー法人営業部長・地域交流ビジネス推進室長 加藤 誠氏
パネリスト:(株)リクルート旅行カンパニーじゃらんリサーチセンター長 沢登 次彦氏
パネリスト:京都嵯峨芸術大学 芸術学部デザイン学科 観光デザイン系 教授 真板 昭夫氏

沢登氏は、国内旅行市場が縮小傾向にある中で、1人旅と着地型の旅行が増えたと指摘、旅行会社は「ソフト力、情報発信力を強化し、消費者が求める『新しい価値による感動』を創るべき」と提案しました。

真板氏は、「旅行業界が地域に代わり、地域の価値を伝えるモデルをデザインすること」を提唱。地域の郷土意識の育成と外に伝える重要性を指摘。それを旅行会社が商品造成に活用できる「楽市楽座」的場所の設定を提案。「観光業は伝えるから興すまで関わるトータルコーディネーター」と、旅行会社の積極的な参加を求めました。

加藤氏は、JTBの新事業ドメイン「交流文化事業」の推進組織、デスティネーション・マネージメント・カンパニー(DMC)を説明、「発地中心から地域資源を生かす新たな交流を創造し、発着一体の商品造りに変革する」との考え方を示しました。

モデレーターの丁野氏は、「地域で生まれる新しい動きと旅行業とのコラボレーションで、新しいビジネスが生まれる可能性」を問題提起しました。

そのためには、沢登氏は「消費者と地域とを結びつける様々な仕掛け」、真板氏は「旅行と異業種とを繋ぐ役割」が旅行会社に必要と指摘しました。

これに対して、加藤氏は「競争は大切だが、ムーブメントを起こすには、旅行会社が集まって、オープンイノベーションを行う必要がある。そこから新しいヒントも見つかる」と業界全体が改革に乗り出す必要があることを強調しました。

分科会C


小林 裕和氏

植田 佳宏氏

小田 與之彦氏

土屋 雅彦氏

テーマ:「改めて問う、インバウンドオペレーターの価値と新潮流」
〜インバウンドのイノベーションにむけて〜

モデレーター:JTBグローバルマーケティング&トラベル 企画総務部
企画課長GMTツーリズム総合研究所所長 小林 裕和氏
パネリスト:にし阿波観光圏/大歩危・祖谷いってみる会会長
(祖谷渓温泉観光代表取締役社長) 植田 佳宏氏
パネリスト:The Real Japanいしかわプロジェクト推進協議会代表
(加賀屋取締役副社長) 小田 與之彦氏
パネリスト:日本旅行国際旅行事業本部VJ訪日推進室担当部長 土屋 雅彦氏

モデレーターの小林氏は、インバウンドオペレーターが付加価値を創造し、収益を確保するためには、ドラッカーの経営哲学にもある「マーケティング」と「イノベーション」が必要と指摘。そのためには何が求められるかと問題提起しました。

これに対して、地域や宿泊施設側からは、観光素材を活かし切るためのマーケティング力や、多様化するニーズに応じて適切な商品を提案するための情報収集力・発信力などを、インバウンドオペレーターに期待したいとの意見が出ました。植田氏、小田氏ともに、顧客との間に立つインバウンドオペレーターが「客観的評価」を加えることで、顧客の信頼度向上につながると指摘しました。

また、訪日旅行の量のみならず質を高め、経済波及効果を高めるためには、ラグジュアリー層やアジアで拡大する中間層の誘致強化が必要との意見が出ました。

また、訪日リピーターの増加により、型にはまらない旅行形態がさらに増えることが予想されるとして、着地型商品を活用した新商品開発、連泊需要への対応、旅行者の趣味・趣向にあった旅行プランの提案などが求められると指摘されました。

このほか土屋氏は、訪日旅行市場の健全な発展を促すためにも、取引のグローバルスタンダード化と契約適正化が不可欠と問題提起しました。

分科会D


権田 昌一氏

牛場 春夫氏

片岡 優氏

玄 東實氏

ボビー・A・ハック氏

孫 振誠氏

テーマ:「我が国におけるLCCの行方」
〜旅行会社との共生はあり得るか?〜

モデレーター:近畿日本ツーリスト(株)執行役員・海外旅行部長 権田 昌一氏
プレゼンテーター:(株)航空経営研究所取締役副社長 牛場 春夫氏
パネリスト:ジェットスター航空日本支社長:片岡 優氏
パネリスト:アシアナ航空副社長・日本地域本部長 玄 東實氏
パネリスト:(株)エイチ・アイ・エス執行役員仕入本部本部長 ボビー・A・ハック氏
ゲスト(フロアーから参加):春秋航空日本市場開発部長 孫 振誠氏

牛場氏から欧米LCCの事例研究が紹介され、「オープンスカイでLCC台頭の流れは止められない。日本はそのスタート時期にあり、今後、ローコスト・エアポート(LCA)の出現を条件に爆発的な需要が伸びる可能性があるが、その市場を旅行会社がどのように獲得するかが課題」と問題提起しました。

これを受けて、ハック氏は「LCC台頭は旅行会社の危機だが、これをチャンスに変えていく」と述べ、「LCCの日本の直販比率は低く、そこに旅行会社の出番がある」とし、IT席の減少をLCCやチャーターで供給を確保し、需要を維持・拡大していく見解を示しました。

玄氏は、FSA(フルサービスキャリア)とLCCの境界線はなくなると予想、「航空会社の需要喚起は旅行会社とのコラボレーションなくしてはできないし、それがアシアナ航空が日本の18路線を維持できた要因」と旅行会社との協力の重要性を指摘しました。

片岡氏は、「直販率を高める目標はなく、旅客の選択肢を増やすことが重要」と述べ、直販と流通経由で収益を上げることを強調しました。また、「旅行会社に対するコストが減った」ことが逆に旅行会社との関係強化に繋がったとの考えを示しました。

最近、日本に乗り入れたLCCを代表して来日した春秋航空の孫氏は、「今後、日本で路線を拡大するが、ビジネス需要とレジャー需要を取り込むには日本の旅行会社の協力が不可欠」と旅行業界と協力関係を拡充していくことを明言した。

モデレーターの権田氏はJATAで航空・空港問題部会長を務め、LCCはもとより、運賃問題、チャーター、燃油サーチャージ、表示・発券問題などについて、今後提言する方向性を示しました。

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