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五色ヶ原現地踏査報告書(平成22年6月1日・2日実施)

2010年7月12日

当協会、国内旅行委員会では、会員会社と地域をつなぐ機会を提供し旅行商品の流通を推進する取り組みをしています。
その一環として、2010年5月20日に約4時間のコースとしてオープンした「五色ヶ原の森ショートコース」を含む現地踏査と地域観光関係者との意見交換会を実施いたしましたので、報告いたします。

  • ※ 五色ヶ原の森は中部山岳国立公園の南端にある広大な森林地帯で、清流と滝、湿原・湖沼と草花、原生林と野鳥・動物たちなど、様々な景色や出合いを楽しむことができます。既にカモシカコースとシラビソコースがあり、歩くツアーが企画されております。
  • ※ 高山市、上高地等近隣に多くの「観光地」があります。

1. 受入団体

高山市

2. 目的

「五色ヶ原の森ショートコース」を含む現地踏査と地域観光関係者との意見交換会を通じて商品化につなげる。

3. 実施日

平成22年6月1日(火)〜6月2日(水)

4. 旅程

次の通り

  • ※ 1日目は参加者全員同じコースです。2日目は希望により「観光コース(Aコース)」と「カモシカコース(Bコース)」に分かれます。1日目と2日目のカモシカコースを報告します。
項目 内容
1日目
10:30
松本駅集合(参考:新宿発7:30 特急あずさ 松本着10:23)
12:00〜16:30
五色ヶ原ショートコース
17:00〜18:30
地域関係者と商品化のための会議
19:00〜20:30
意見交換会 ホテル
2日目
Aコース
9:00
ホテル発
9:10〜11:00
高山市内 朝市・陣屋・古い町並
11:30〜12:30
飛騨大鍾乳洞
12:40〜13:30
昼食 平湯
15:30
松本駅解散(参考:特急あずさ15:47 新宿18:36)
2日目
Bコース
6:00
ホテル発
7:00〜16:30
五色ヶ原一日コース(カモシカコース)
18:25
松本駅解散(参考:松本発18:35 新宿21:06着)

5. 参加者

JATA正会員10名

6. 地元との意見交換

五色ヶ原や周辺観光地の現状や課題について意見交換を行った。なお、参加者に対してアンケートを実施した結果を、地域へ送付し今後の参考としていただいた。

参加者:
五色ヶ原の森 運営共同事業体 中萩代表取締役
飛騨大鍾乳洞観光株式会社 長沼支配人
高山市丹生川支所 地域振興 挟土課長

7. 参加者からの意見

(1)出発前

現地踏査参加の目的

  • 五色ヶ原の現地視察(募集ツアーとして集客力があるのか)
  • 五色ヶ原のエコトレッキングと高山の歴史・文化等とのマッチングは、自然・健康志向のリピーターや新たなツアー素材向けに適している。商品化に向けて先ず実踏してみたい。
  • アンチエージングツアーとしてツアー企画を立てられるか調査する。
  • 五色ヶ原ハイキングを旅行商品化するための現地調査。
  • ヨーロッパトレッキングとの比較研究を行いと国内における商品化の可能性を探る。
  • 環境問題・エコツアーに関心があり、「五色ヶ原」がどのレベルにあるのかを体験すると共に年々増えている登山愛好家及び訪日外国人に対して「五色ヶ原」が観光素材として商品化できるかの可能性を探る。

(2)帰着後

自己評価による目標設定の達成度合い 調査の成果に対する満足度合い

達成度合いが高い理由

  • 現地を計画通り歩き、実感できた。
  • 健康増進に繋がるツアーの商品開発ができる。
  • 商品が期待通り。

達成度合いが低い理由

  • 単独の素材としてはやや単調
  • 商品化を図るとなると、まだまだ改善の余地があり、販売方法が難しい。

満足度合いが高い理由

  • 実際に見ることができたので提案しやすい。
  • 充分な内容でガイドもコースも申し分なし。

満足度合いが低い理由

  • 五色ヶ原運営企業体のスタンスが明確でない。
  • 8時間コースは一般ツアー客にはハード。
  • 予想より環境・エコに配慮したコース作りで、管理方法も申し分ない。ただ商品化としては疑問点が残る。

(3)調査全体日程について

  • 1泊2日で効率よく回れたと思うが、松本の集合時間と解散の時間が広島から参加するには厳しかった。
  • 日程的にちょうど良かった。2日目が少し早く歩きすぎた気もする。
  • 朝が早かったが、ツアー設定と同じ若しくは類似した時間でよいと思う。
  • 1日目は4時間で問題なし。2日目は6.5時間で少し長いと感じた。
  • 到着日のショートコース、翌日1日掛けてカモシカコースとも時間の配分も含め、丁度良かった。

(4)五色ヶ原ショートコースについて

五色ヶ原ショートコース

(1)視察結果・総論的な感想

  • 渓流と湖、最後に見る3本の滝は見所が多い。
  • ツアーへの組み込みは可能
  • ガイド内容と料金がイコールになるか心配。
  • コースが整備されており、ガイドの案内も充分。
  • 4時間コース、下りが多く難易度も低く、足場もしっかりしており、観るべき要所を取り込んでいるので初心者にも十分楽しめる。

(2)プラス面・観光資源としての魅力

  • ウォーキング初心者に対する入門コース。
  • 山やハイキングの楽しさを体験させるには良い。
  • エコトレッキング、”妖精の森”、自然保護啓蒙を前面に出す売り方をしたい。
  • 新緑、滝等セラピー効果が期待できる。
  • トイレが綺麗なので女性向けの商品が可能。
  • 見所満載(せせらぎ、池、滝)の大自然。
  • 自然保護の観点から、話題性・魅力ともに充分。
  • ショートコース後半の3つの「滝」は観光資源としては最高。

(3)商品化にあたっての課題・留意点

  • 入山制限は悪くないがコントロールが不安。入山料はもっとブレイクダウンして、旅行会社に選択の余地を与えてほしい。
  • シラビソ小屋までの前半がやや単調なので、自然保護啓蒙を交えた自然観察・レクチャーを取り入れたガイドを希望する。
  • 予約のシステム、料金、雨天時対策
  • 個人旅行は商品化が可能。団体はガイド料金に一考の余地あり。いずれも手数料を考慮して欲しい。
  • 奥まった場所からの出発で、移動車が小さい為に限られた人数での販売になるのではないか。

(5)五色ヶ原一日コースについて

五色ヶ原一日
コース

(1)視察結果・総論的な感想

  • 「滝」以外はどこの山にもある風景に思えた。
  • 1泊のツアーへの組み込みは不可能。ショートコースに予約が多い理由が理解できる。2泊してこのコースも組み込むのは一般的には無理だと思う。
  • 経験者ならともかく、初めての方が多い団体ツアー客にはハードである。
  • コースが整備されており、ガイドの案内も充分。
  • 山歩き初心者には少々レベルが高い。

(2)プラス面・観光資源としての魅力

  • 花や森はあるが、眺望があまり良くないように思える。
  • 乗鞍か穂高が見えると魅力が高まるが。
  • スケールが大きい多くの滝と森、自然植生には魅力がある。
  • 数多い滝のマイナスイオン効果。
  • 個人客と考えれば、大自然を独り占め的な感じがあるので、そこが魅力に繋がる。
  • 自然保護の観点から、話題性・魅力ともに充分である。トイレが綺麗でウォシュレットから温水が出たのは感激した。しかし、温暖化のことを考えると複雑になる。

(3)商品化にあたっての課題・留意点

  • アップダウンが多く、歩きにくく注意を必要とする登山路が多い。また眺望と景観の変化が乏しいためコースが単調になりやすい。
  • 体力的に厳しい方もいるかも。実施するときは服装等十分に呼びかける。
  • 現地オプションとしての商品化は考えられるが、販売手数料等を考えた仕入料金がでるか課題がある。
  • コース設定が少々長すぎる。一般向きではなく健脚向き。
    個人旅行は可能であるが、団体の商品化には難がある。
  • 宿泊施設・レストラン等について一考の余地あり。
  • ガイド料が高い。個人旅行者では適当かもしれないが、ツアーとして纏まった人数に対しては、ガイド料を下げるべきではないか。
  • 一日コースの場合は宿泊を絡めての販売が必要で、最寄の温泉地等とタイアップを考えたらどうか。

8. 商品化するにあたっての課題や行政他地域活動団体に対する要望等

1. 商品化、商品造成上の課題について

(1)旅行商品・観光地としての魅力

  • 入山料を取り、入場制限をするやり方もあっても良いと思うが、もう少しクオリティーを高めてほしい。
  • 五色ヶ原を目的の特定グループは別として、一般トレッキングツアーに2日間当てるのは無理がある。
  • 周辺に観光要素が多くある中で、五色ヶ原のみでは商品として魅力に欠け売り難い。他の素材との組み合わせがポイントとなる。
  • 森林セラピー、マイナスイオン効果等アンチエージングツアーとして魅力がある。
  • 秘境、癒し、食。

(2)旅行代金

  • コース整備やガイドのことを考えると妥当。しかし、専属ガイドでやるのなら、質が問題になる。まだ十分とは言えない。
  • カモシカコースの8,800円は個人参加客には適当かとも思うが、貸切の団体やツアー客には高い。全体の旅行代金を押し上げてしまい、集客に不安がある。金額を下げるか別途の料金体系を作って欲しい。
  • 入山料の考え方はよいが表記の仕方に工夫が必要。

(3)交通アクセス、乗物手段等

  • 国道158号沿いなので、関西からは問題ない。出会い小屋方面は道路が狭いので人数が増えれば離合に支障がでるかも。
  • 道路事情から地元の専用車に限定することはよく理解できるが、9mの大型バスが通行していることには驚いた。7mまでと限定すべき。自然環境保全と、営利事業の矛盾点を感じる。
  • 松本駅まで送迎もつけて欲しい。

(4)観光資源・施設等に関する課題、要望について

  • 入山料を取り利息で食べていく方針は悪くないが、選ばれたセレブなウォーキングを演出する工夫があると良い。コースの整備・標識・ガイド・案内板などニュージーランドと比べてしまう。コース内に宿泊施設もほしい。
  • エコトレッキングのお客には豪華な内容の宿泊施設は不要。民宿や旅館等でこの地方ならではの魅力のある施設、サービスが喜ばれる。
  • 人が多く入りすぎて自然破壊にならないよう願いたい。
  • カモシカもシラビソもハーフコースを作り、全体で4つのハーフコースと現在のロングの2コースを設定しリピート化に繋げられるようにして欲しい。

(5)宣伝・PR・販売促進等に関する課題、要望について

  • HPやパンフレットは専門の業者にまかせっきりにせず、参加者がより知りたい情報を選別して載せたらよい。
  • パンフレットはコンパクトで見やすい、折りたたみ式のもの、コースや内容が一目瞭然で理解しやすい、より魅力的なものにして欲しい。
  • 参加代金やパッケージに含まれる内容、その理由等のアピールが不明確で理解しにくい。ホームページを含めて一考して欲しい。
  • エリアの宿泊施設の紹介を充実して欲しい。
  • 弁当は2コース参加するお客にはメニューを変えて欲しい。
  • 入山料の表記、服装等の注意。
  • 女性に流行の癒しやパワースポット、健康ハイキング等のタイトルで女性雑誌やTV(メディア)PRして欲しい。

(6)地元受入体制について

  • 旅行会社から見るとまだまだ不十分。宿泊施設も掃除が行き届いているとは言えず、ホスピタリティーも不足。2日間同じ弁当が出たのもがっかりした。
  • ガイドの確保に苦労されていると伺ったが、五色ヶ原トレッキングの良し悪しはガイドの資質が大きなポイントになると思う。継続的な研修・教育が望まれる。
  • ショートコースの需要が多い理由が理解できた。定員入山制も良いことと思うが、トレイルの整備やトイレ・し尿処理方法の解決等に努めて、入山者枠をある程度増やせる工夫をお願いしたい。
  • 宿泊先を選択できるようにして欲しい。
  • 旅行会社用のコースや料金を検討して欲しい。
  • 弁当は地元の食材を使った内容にして、包み紙にその説明を入れ高山の魅力を生かして欲しい。
  • 休憩のときに流れている川の水を使ってコーヒー等のサービスをつければお客様も喜ぶし、水の良さも伝わる。

(7)行政・自治体に対する要望について

  • 個別の観光施設では集客に限界があると思うので、奥飛騨全体の観光地を連携させて魅力を高める工夫をして欲しい。
  • ショートコースは渓流を下る部分が多いが、渓流は下から上がっていく方が美しい景観を見ることができる。トレイルの整備と併せて一考して欲しい。
  • 桜根滝を下から望めないのは残念。
  • 怪我や事故が起こらないよう、トレイル全体(特にカモシカコース)の整備が必要と思う。

(8)その他

  • 高尾山や尾瀬とは比べ物にならないくらい資源や施設が管理されている。今後も是非お願いしたい。

9. 参加旅行会社の現時点での取り組みの方向性、スケジュール等

  • 7月から販売する予定。秋口にかけて約10本のツアーを造成する。
  • 今秋、1泊2日コースのエコトレッキングツアー(2本程度)の造成を進める。ショートコースとなる。宿を含めた現地予約は近日中に行う予定。上高地、奥飛騨、乗鞍、高山等と併せたコースとなる。
  • アンチエージングツアーとして、ショートコースで1泊2日のスケジュールで検討予定。
  • 具体的スケジュールは未定だが、ショートコースであれば夏休み〜10月下旬で設定を考えられる。
  • 個人向けにインターネット等で紹介が可能。
  • 訪日外国人への販売を企画したい。年々日本での軽登山に参加される外国人が増えている。
  • 富士山や上高地に引けを取らない観光素材であるため、宣伝如何によって十分に販売は可能。
  • 商品企画を原則9月から11月に翌年度の企画をすべて済ませるので、今年度は間に合わない。来年度検討したい。

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