現在地:JATAホーム > 旅行者のみなさまへ > 旅の情報 > バリアフリーツアー > “顧客を知ろう”バリアフリー旅行研修ツアーを実施しました

バリアフリー旅行研修ツアー 実施報告

平成22年1月26日

JATA社会貢献委員会バリアフリー旅行部会(玉置部会長(ジャルパック))では、視覚障がい者と一緒に盲導犬訓練センターを訪問する研修ツアーを実施しました。今回の目的は、盲導犬ユーザーの方とツアーを同乗し、盲導犬を連れて旅行をどのようにされているかを実際に見ること、目が見えない中で食事や引率を受けどのように感じるかを体験すること、そして、日本盲導犬センターで盲導犬についての理解を深めることが主な目的です。「障害者の方はどのようなサポートがあれば安心して参加出来るか」「障害をお持ちの方がどの点で旅行を楽しんでいるか知りたい」など、参加者の動機は様々でしたが、総じて意識が高く有意義な研修となりました。

実施日

平成22年1月16日(土)

参加者数

27名

行程

08:00 新宿集合・出発
09:30 盲導犬ユーザー 望月ご夫妻と盲導犬(コナン)合流(あきる野IC)
11:30 富士ミルクランド到着 視覚障害・手引き体験、昼食
13:40 日本盲導犬総合センター「富士ハーネス」
  • 盲導犬デモンストレーション、盲導犬・視覚障害の話
  • 施設見学、PR犬とのふれあい
16:00 東京に向け出発
18:00 望月ご夫妻とコナン 離団
18:50 新宿到着

内容

  1. 盲導犬ユーザーの体験談
    実際のユーザーさんに参加していただき、見えないこと、盲導犬のこと、視覚障がい者の旅行の楽しみ方などをお話してもらう。
  2. 視覚障がいと手引き体験
    参加者にアイマスクを着用してもらい、昼食場所、トイレ休憩等で視聴覚がい害や手引きを体験してもらう。
  3. 視覚障がい者ツアーの運営体験談
    JATAバリアフリー旅行部会の渕山部会員(クラブツーリズム(株)バリアフリー旅行センター支店長)より、実際に経験したことを参加者にお話し、視覚障がい者への配慮や企画を知ってもらうことで車いす利用者、高齢者への対応のヒントを解説してもらう。
  4. 日本盲導犬総合センター見学
    センターのスタッフより盲導犬デモンストレーション、盲導犬協会の話等を聞き、施設見学をする。

1.視覚障がい・手引き体験

参加者が2人一組になって視覚障がいと手引きを交代で体験。どちらも思っていた感覚と違い、「難しさ」「大変さ」を実感した。アイマスクをしての視覚障がい体験では、手引き者に「大丈夫」と言われても常に何かにぶつかりそうな不安を感じた。
手引き体験では、障がい者が歩けるスペースを十分とれるように考えながら誘導することがいかに難しいかを体験できた。

(視覚障がい・手引き体験)

また、アイマスクをつけたままの昼食も体験したが、「見ない」で食べることは予想以上に難しく、「味わう」までにいたらなかった方も多かったのではないだろうか。


(アイマスクをしながらの食事)

2.望月夫妻の話

「『障がい者は何もできないという』のは大間違い」ということを訴えられていた。旅行に出れば、例えば「雨音」が「天ぷらを上げる音に聞こえる」といったことなど、都会では体験できないことが感じられるということを例に上げ、「歳をとっても障がいを持つ人も旅にでると楽しくなることは間違いないし、人との交流もできる」と旅行の楽しさを話されていた。そして、障がいのある人をサポートする旅行会社のおかげで旅行が楽しむことができると旅行会社に対して感謝もされていた。(望月ご夫妻)
望月さんは乗馬やラフティングなども積極的に体験されているとのことである。

3.日本盲導犬総合センター


(盲導犬訓練センター「富士ハーネス」)

目の不自由な方が犬と共同で訓練できる施設。繁殖犬の出産・盲導犬候補犬の飼育、引退した盲導犬が生涯を過ごす場所、一般の人の盲導犬への理解を深める広報などの目的がある。休館日以外は毎日盲導犬のデモンストレーションが見学できる。施設も立派でスタッフの方の情熱も感じられ、もっと多くの人に訪れて欲しい施設。

  • 訓練を受けた犬の3割〜4割しか盲導犬にならないとのこと。盲導犬の数はまだまだ足りていないが、育成するにはボランティアや寄付に頼っているのが現状である。もっと多くの盲導犬を育成できる環境が必要と感じた。デモンストレーションは全盲のスタッフが説明。熱のこもった説明で説得力があった。

(デモンストレーションの模様)


(施設のトイレ:便器がはっきり見えるように黒と白の配色となっている)

4.参加者からの感想(今回の実地研修に参加して最も印象に残ったこと)

  • 旅行会社がそれぞれの会社のそれぞれの立場で、PG=プライオリティーゲスト(身障者あるいは障がい者、高齢者などという言い方を先ず業界全体で来年度改めましょう)に対するバリアフリー旅行の対応への重要性が共通の認識になってきた、と強く感じた。この機運を大切にしながらJATAの社会貢献ではなく、旅行会社の根幹のサービスの問題として行かねばならない。同時に、毎回申し上げていることだが、PG対応が全旅行会社にとって、特別のことではなく、当たり前のルーティーン業務の中にあるようにならなければなりません。
  • 特にこれからの旅行業界を背負う20〜30歳代の若い社員に参加させたい。すでに高齢化は加速しているので喫緊の課題だと思う。
  • 「百聞は一見にしかず」を体現した当研修は、ツアー対象者や盲導犬育成の現状を理解するのに役立つ好機と思った。また、今回の参加者はみなさん積極的に見て聞いて体験する姿勢が素晴らしく、一般的な義務的な研修とは雰囲気がまったく異なっていた。たった一日だったが、“とても良い出会いだった”と心から感じた。
  • 望月操さん(盲導犬ユーザー)と一日接してみて、言い古されたことばだが「障がいは、障がいではなく単なる個性だ」を実感した。
  • 視覚障害者の望月夫妻の体験談が聞けたことがよかった。
  • 今回の研修ツアーでは、障がいがある人、ない人に関わらず、旅行を楽しむことが出来ると分かっただけでも参加した価値があるように思う。障がいのある人が旅の楽しみを感じてもらえるよう、旅行会社が率先してそのバリアを少なくし、多くの人に旅行に参加していただくようにすること、それが社会に対する役割、存在意義であると思う。旅行会社が、障がいのある方が旅行をする際のバリアを減らす努力を積み重ねていかなければいけないことを肝に銘じて日常業務に当たらなければならないと感じた。
  • これから向かおうとしている混沌とした世の中にとって、とても重要なテーマでした。 直接仕事に結びつく、つかないは関係なく、人としてこれからの人生を歩む上で貴重な経験をさせて頂き、よかった。
  • とても考えさせられた。当たり前のように歩いて・ごはんを食べて・富士山を見て、毎日普通にしていることがどんなに幸せなのか。
  • 当事者を机上ではなく実際に知ること、話しを聞くことが大事だと痛感した。そのうえで旅行社として各社の事情等あると思いますので出来ることと出来ないこと見極 め、場合によっては柔軟に対応し、マニュアルだけに偏ってはいけないと思った。
  • 望月さんのお言葉で、「高齢者や障害者に対して同情でなく理解をしてほしい」「皆さんは、高齢者、障害者予備軍なんですよ!」おっしゃるとおりだと思う。
  • とても参考になった。クラスルーム形式のセミナーでは得られない実感と雰囲気でこれまでの知識の習得に肉付けがなされたように思う。

旅行者のみなさまへ

このページの先頭へ戻る