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更新日:2022年03月02日
エコノミークラス症候群は、20時間のロングフライト後、空港で死亡したという20代の女性のことが大きく報道されましたが、本当は中高年の女性に多く起こっています。
キャリアを活かして仕事をバリバリとこなし、家事も両立しているAさん。とはいっても、もう50歳代に突入して、仕事も家庭も一段落。「そろそろ、ゆっくりと旅行でもしたいわ。」と思っていたところ、ご主人の協力もあり、同僚のお友達とはじめて海外旅行をすることになりました。行き先は夢に見たヨーロッパ。
でも日本からは12時間以上もかかるということで、最近さわがれている、エコノミークラス症候群が心配なのです。「一体、エコノミークラス症候群ってなんなのかしら?死んだ人もいるって聞いたことがある。」これではせっかくの旅行も楽しめません。
この病気の症状がでるのは、個人差はありますが、フライト中(特に後半)から、フライト後一週間以内ということが一般的でしょうね。
マスコミの報道では機内でおきているケースや、飛行機を降りて歩き出した時に倒れるのがエコノミークラス症候群だといわれているようですが、家に帰ってから2~3日して、起こったものも飛行機による血栓症であるということもあります。
なってしまったら、病院へ。重症の場合はたいへん高度な治療が必要となりますので、なるべく大きな病院が良いです。
この病気は危険因子(リスクファクター)を持っている方がかかりやすいのです。これは昔から血栓症の危険因子といわれていることで、
というのが大きな3本柱です。
1は具体的には妊娠・出産後、経口避妊薬を服用、先天性凝固異常症、がんなどの悪性疾患。
2は長時間座位。下肢の静脈瘤のある方。よくお年寄りでふくらはぎのあたりに累々と血管が腫れていますよね、そこの血液が滞って固まってしまうというものです。
3はそれが引き金になって中の血液が固まりやすくなる。動脈硬化の方、糖尿病、高脂血症、高血圧症、手術・骨折直後の方がそうです。経口ピルを飲んでいる方も危険因子をひとつ持っているということですから特に注意が必要です。
(財団法人航空医学研究センター 三浦靖彦)
席を立つことができない場合はかかとの上げ下ろし運動を、立つことができるなら立ったほうが良いでしょう。
なぜなら、立つことによって足に体重がかかり、歩くことでその体重を支えるための足の筋肉が全体的に動いて、血の流れをよくするためです。
普段の生活でもウォーキングをするのは、身体にいいことですよね。スペースがあれば、屈伸運動をすると良いですね。
いわゆるエコノミークラス症候群という病気は、実際にはビジネスクラスやファーストクラスでも起こっています。
予防のために機内を歩くことが良いのですが、乱気流で機体が揺れた時のケガと、満席の時に他の人の迷惑になることへの注意も必要です。
中高年の方はトイレが近くなるため水分を控えたり、隣の人に遠慮してトイレに立たない、という方が多いようですが、この謙虚さが生命の危険を招くこともありますので過剰な遠慮は禁物です。
いわゆるエコノミークラス症候群にかかり、足の腫れや痛みがでると、たいていの方は整形外科にかかります。
そして歩き過ぎによる筋肉痛ということで、中途半端に治療がなされる事例も少なくありません。そして血栓が一部残ったままで、次の旅行に行き、悪化して、非常に危険な状態になった方もいます。
長時間飛行機に乗った後、片足に腫れや、痛みがでたら、すぐに血管外科や循環器科に行くことが重要です。
血管外科や循環器科という名称はあまり聞きなれないでしょうが、大学病院や総合病院であれば、必ずある科です。そして、長時間飛行機に乗った後に足が腫れたことをはっきりと医師に伝えてください。
早期に発見できれば、きちんと治る病気です。
また、不幸にも血栓ができてしまった方でも治療を受け、予防手段を講じて旅行を楽しんでいる方はたくさんいらっしゃいます。
(医師 篠塚 規)
出典:旅と健康シリーズ[2]「旅立つ前の安心ガイド」日本旅行業協会発行
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