7月号インデックス特集旅の力JATA NOWCave de JATA│添乗員のための旅行医学│バックナンバー

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P12 【シリーズ:添乗員のための旅行医学 Vol.61】



 旅行中は、環境の変化などストレスが加わるため、病気のリスクが高まります。中でももっとも注意が必要なのが心筋梗塞。
 アメリカの統計では、旅行中の死亡原因の50%、飛行中も60%近くは心筋梗塞だとしています。日本の航空会社の統計でも同様の結果が出ています。高齢者、狭心症などの心臓病、糖尿病など持病のある人は注意が必要です。



 心臓は、冠動脈と呼ばれる心臓の表面にある血管から栄養素や酸素を与えてもらっています。心筋梗塞とは、この冠動脈の血流が止まってしまい、心臓の筋肉が死亡した状態のことです。症状は激しい胸痛です。胸または胃の上の方から始まり、ときには頸、肩、腕にかけて広がります。

 脂質異常や糖尿病など生活習慣病による動脈硬化があると、冠動脈は狭くなってきます。そのような状態で、心臓に負担をかけると流れが悪くなり、完全に血流が途絶えると、心筋梗塞となります。
 旅行中は暑い、寒いなどの気温の変化、飛行中や高い山での低酸素、感染症による下痢や熱中症などによる脱水、重い荷物を持つことなどにより、心臓に負担がかかりやすくなります。したがって生活習慣病を持っている人には、心筋梗塞を起こさないような準備を行うように案内し、添乗員は適切に対応する準備をしましょう。

AEDの一例
(フィジオコントロール社製
ライフパックCRプラスG2010)

◎旅行前
1.出発前に、主治医の先生に相談。狭心症の人は、発作時の対処方法の習得を。
2.病状が悪化したときのために、旅行傷害保険への加入。
3.薬を余分に持参。
4.衛生面で気になる国へ行く際は、感染症対策を。
5.体力をつけ、体調も整えておきましょう。
◎旅行中
1.病状や薬剤名を記した診断書、検査データを持参。心疾患の患者さんは、心電図を携帯。
2.薬剤を手持ちのバッグに必ず入れ、飲み忘れのないように。
3.疲労をためないように、できるだけ休息をとる。
4.飛行中や高所での注意をよく守る。
5.移動時の荷物はできるだけ少なく。
6.体調がおかしくなったら、すぐに添乗員や乗務員に話しましょう。

 お客様が激しい胸痛を起こしたら、すぐにバイタルサイン(意識・脈・呼吸)をチェックし、意識があった場合は、座った姿勢をとらせてできるだけ落ち着かせます。医師から服用を指示されている薬がある場合は、確認して内服させてください。
 それでも改善しない場合は、心筋梗塞が強く疑われます。すぐに応援をよび、救急病院へ運ぶ準備をしてください。
 ここでもっとも注意をしなければならないのは、心筋梗塞を起こしていると、たいへん危険な不整脈が出やすくなることです。この危険な不整脈が出た場合は、体外から電気ショックを与えなければ、救命することはできません。AED(自動体外式除細動器:Automated External Defibrillator)などで救急蘇生の準備が必要となりますので、普段からAEDの講習を受けているとよいでしょう。



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