『月刊総務』の発行や社内報制作を通じて多種多様な企業とお取引をさせていただいていますが、共通して感じることは、女性が元気な会社は社内の雰囲気も開放的で、業績も悪くありません。女性が会社の雰囲気を作り、その雰囲気が社員全体のやる気を押し上げる原動力となっているのだと感じています。
女性の社会進出は今や当たり前。重要な働き手である女性を活用しない手はありません。現在では男女雇用機会均等法も浸透し、職種で男女を区別することはなくなってきていますが、適材適所で女性が能力を発揮しやすい環境を整えることが必要なのではないでしょうか。
ただし、注意しなければならないのは、性別が能力の違いになるものではないこと。一般的に男女の得手不得手を大別することはできますが、基本的に能力は性差ではなく個人差にあります。それを前提として女性を活用できる会社は、元気な会社といえるでしょう。
能力は個人差とはいえ、性別による傾向はある程度あります。例えば、女性は身近な変化に素早く気付き対応していく能力に長けています。男性が得意とする全体的な戦略、中長期的な目標をたてることよりも、短期的な目標、目に見える範囲での対策や改善に力を発揮することが多いようです。男性的な思考方法で物事が進んでいる場合には、女性の発想や感性が流れを変えるような力を発揮することもあるでしょう。
商品企画などでは、一般的に男性のほうが過去の事例や予算、期限などを意識し過ぎて、せっかくのアイデアに制限をかけがち。ところが、女性は制約をあまり設けず、まずは具現化しようと考えます。「社内的にダメ」とは思わず、とりあえずやってみようとします。
また、自らが顧客側になり、提供されるサービスに対してさらに「こうしてほしい」と思うことが多いため、「消費者目線」で物事を考えやすいのも利点。理屈ではなく実感として、商品やサービスの必要性を感じるのでしょう。そういう分野であればあるほど、女性の感性は企画や商品開発、改善に力を発揮するのではないでしょうか。
そして、男性ならブレーキをかけがちなチャレンジに対して、果敢に挑んでいく人たちを見守れる会社であることは、女子力に限らず若い力も育ちやすい環境といえます。それこそが、「女性が元気な会社は、会社全体が元気である」ことの理由なのだと思います。
事例 1 ホテル業/ウェスティンナゴヤキャッスル
事例 2 飲料メーカー/キリンビバレッジ(株)
事例 3 文具・事務用品メーカー/ゼブラ(株)
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