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日本の出入国手続

以下では日本の税関、検疫手続きについて解説する。これらの詳細と生きた動物を外国へ持ち出す・外国から持ち帰る手続きは、各機関のホームページで確認すること。

1.日本出国時の税関

日本出国時に外国製品、100万円相当額の現金等を持ち出す場合、それぞれ「外国製品の持出し届」、「支払い手段等の携帯輸出・輸入申告書」を記入し、税関に提出する。

外国製品の持出し届 支払い手段等の携帯輸出・輸入申告書

対象者:外国製品(時計、ネックレス、指輪など)を携帯する人

提出方法:税関に現物を提示し、持出し届に確認印を受ける(航空(船)会社に預ける荷物は預ける前に行う)。確認印を受けた持出し届は帰国時の通関まで紛失しないよう保管し、帰国の際に税関へ提出する。

※ 届出漏れや持出し届を紛失すると、それらの外国製品が帰国時の税関検査で課税対象とされる場合がある

<記入例> 別ウインドウ

 

対象者:携帯して現金などの支払手段等を輸出又は輸入しようとする際に、支払い手段、または証券※の合計額が100万円相当を超える人、貴金属(金の地金で純度90%以上のものに限る)の合計重量が1kgを超える人、または、両方に該当する人

※支払手段は銀行券、政府紙幣、硬貨、小切手、約束手形。証券は証券取引法第2条第1項に規定する有価証券。

提出方法:支払い手段等の携帯輸出・輸入申告書2通を税関へ提出する。税関における確認の後、1通が交付されるため、保管する。

※ 届け出漏れや虚偽申告をした場合には罰則が科せされることがある。


<記入例> PDF

海外に持ち出す(輸出する)物品を日本で購入する場合の消費税の免税手続(居住者の場合)

海外へのお土産として日本国内で免税物品を購入する場合には、消費税が免税となる場合がある。消費税免税の取扱いのある販売店(輸出物品販売場)で物品を購入する際、出国時に携帯することを記載した購入誓約書を提出する。販売店から「輸出証明申請書」2通を交付してもらい、出国時に税関カウンターにおいて当該申請書2通および購入した物品を提示の上、税関の確認を受ける。税関で確認を受けた申請書2通のうち1通は税関から販売店に郵送され、残りの1通は税関の控えとなる。税関の確認を受けなければ免税扱いとならないので注意する。

●税関 海外旅行の手続 https://www.customs.go.jp/kaigairyoko/index.htm

2.日本出入(帰)国時の出入国審査

出入(帰)国者全てを対象に、審査が行われている。従来の審査官による審査方法のほか、自動化ゲートの導入が順次進められている。自動化ゲートには、事前登録が必要な指紋認証ゲートと、事前登録が不要な顔認証ゲートがある。

・顔認証ゲート

IC旅券のICチップ内の顔の画像と顔認証ゲートのカメラで撮影した顔画像を照合し、本人確認を行う。IC旅券を持っていること、一人で機械の操作ができること、身長が135cm以上であることが利用の条件。2021年5月現在、顔認証ゲートが導入されている空港は成田、羽田、中部、関西、福岡、新千歳、那覇。外国人の場合は、これに加えて「短期滞在」の在留資格で在留し、出国(再入国許可による出国を除く)する場合に利用可能。
http://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/nyuukokukanri07_00168.html

・指紋認証ゲート 

パスポートと指紋の照合により本人確認を行う。
利用には指紋の事前登録が必要だが、フライトの当日に空港の登録カウンターで行うことができる。2021年5月現在、成田(第1・第2ターミナル)、羽田(第3ターミナル)、中部(第1ターミナル)、関西に設置されている。
http://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/nyuukokukanri01_00111.html

指紋認証ゲート、顔認証ゲートともに、旅券へのスタンプ(証印)は省略される。スタンプを希望する場合は、日本出国時は出国審査後~航空機に搭乗前まで、帰国時は入国審査後~税関検査を受ける前までであれば、自動化ゲート後方に待機する係官または各審査場事務室の職員に申し出ることで、認印を受けることができる。

      

日本出入(帰)国時にスタンプを受けそびれた場合、次のいずれかにより、事後に手続きが可能。

           

1.出入(帰)国した空港にある入国管理局で受ける

      

下記いずれかの要件に該当する場合は、各空港に事前連絡をした上で、本人または同居する親族が直接旅券を持参すればスタンプを受けることが可能。なお、出国と入(帰)国の空港が同一ではない場合、それぞれの空港で手続きが必要となる。

  

【要件】

      ・外国査証の申請手続
      ・海外渡航中の運転免許証の有効期限経過による再取得の手続
      ・海外から帰国した場合における転入届に係る手続
      ・年金保険に関する合算対象期間(免除期間)の証明手続
      ・非居住者の免税手続

【必要書類】

旅券。同居する親族が代理で出向く場合は旅券所持人との関係を証明する書類(住民票、運転免許証、保険証等)。

         

【連絡先】(土・日曜日、休日を除く)

      羽田空港支局  電話:03-5708-3211 対応時間:9時~17時45分
      成田空港支局  電話:0476-34-2211 対応時間:8時30分~17時15分
      関西空港支局  電話:072-455-1457 対応時間:8時30分~17時15分
      中部空港支局  電話:0569-38-7413 対応時間:8時30分~17時15分

2.出入(帰)国記録に係る開示請求を郵送又は窓口で行う。

この場合、旅券面へのスタンプではなく、文書にて出入(帰)国記録が交付される。
手続きの詳細は出入国在留管理庁のホームページを確認する。

【請求先】出入国在留管理庁サイトを確認する。

3.日本入国時の検疫

渡航先での体調不良や入国時に熱がある場合については、係員に申し出て検疫所で相談することができる。なお、伝染病流行の際には「検疫質問票」が配布され、記入、提出が求められることもある。

●検疫 厚生労働省検疫所 https://www.forth.go.jp/ 別ウインドウ

4.日本入国時の動物検疫

動物の病気の侵入を防止するため行われる検疫で、入国者と土産品に対して行われる内容を解説する。

入国者に対する質問、靴底の消毒

家畜の悪性伝染病が発生している地域からの入国者は動物検疫所の職員より海外で家畜に触れたか、家畜に触れた際に着用していた衣類等を持っているか、日本で家畜に触れる予定があるか等の質問をされることがある。

また、空海港の到着エリアに靴底消毒用のマットが敷かれている場合はその上を通行する。

肉製品の持ち込み

生きた動物や動物の組織、肉製品(牛肉、ビーフジャーキー、ソーセージなど)を持ち帰る場合、動物検疫を受ける必要がある。動物検疫は税関ブース手前にある動物検疫カウンターで実施されている。手続きには動物や肉製品を購入した国の政府機関が発行した検査証明書が必要だが、購入した国での家畜の病気(牛海綿状脳症(BSE)、鳥インフルエンザ、口蹄疫)の発生状況などにより、日本への持ち込みができない場合がある。また、検査前に肉製品を開封すると、日本への持ち込みができなくなるので注意する。2019年4月から、海外からの畜産物の違法な持込みへの対応は厳格化。肉製品などの畜産物を違法に持ち込んだ場合、300万円以下(法人の場合5000万円以下)の罰金または3年以下の懲役が科せられる。

アメリカ (ハワイ、グアム、サイパンを含む)、カナダで販売されているビーフジャーキーなど

これらの牛肉加工製品は輸入停止中。検査証明書が添付されていても持ち込みは不可。

検査証明書のついた土産用の肉製品

アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの免税売店などでは輸出国政府機関が発行する日本向けに検査証明書の付いたもの(パッケージに英文で当局の検査を受け許可された旨が表示されている)が販売されている。ただし、ヨーロッパでは、日本向けに検査証明書の付いたものが販売されていることはほとんどない。

肉製品以外で動物検疫の対象となる畜産物

骨、卵、脂肪、血液、皮、毛、羽、角、蹄(ひづめ)やこれらの加工品

●動物検疫 農林水産省動物検疫所  https://www.maff.go.jp/aqs/index.html 別ウインドウ

5.日本入国時の植物検疫

植物を持ち帰る場合、植物の病害虫の侵入、まん延を防ぐため植物検疫を受ける必要がある。免税店で購入した植物でも検査は免除されない。また、日本で未発生・駆除方法が未確立等の病害虫の侵入を防ぐため輸入禁止の植物もある。

植物検疫は税関ブースの手前にある植物検疫カウンターで実施される。植物検査に合格すると、植物検査合格証印が押印される。この証印がない場合、税関検査を受けることができない。手続の方法は植物を提示し、入手した国の植物防疫機関が発行した植物検査証明書やタグ(現地機関が検査し病害虫がいないことを明記したもの)があれば提出する。植物が輸入禁止品の場合、カウンターで放棄する。持ち込み元の国・地域による禁止品、制限品の詳細は植物防疫所ホームページで確認できる。

●植物検疫 農林水産省植物防疫所  https://www.maff.go.jp/pps/j/trip/index.html 別ウインドウ

6.ワシントン条約で規制されるもの

ワシントン条約とは絶滅のおそれがある野生動植物を保護するため、これら動植物の国際間取引を規制する条約。日本も条約を締結しており、2024年7月現在、欧州連合(EU)を含む184ヵ国と地域が締結国になっている。規制の対象は生きている動植物だけでなく、それらの皮革を使用したバッグ、動物の骨・牙を利用した置物、アクセサリー、動植物のエキスが含まれている漢方薬なども含まれる。旅行先でこれらが購入可能な場合であっても、その国が締結国の場合、指定されている政府機関が発行したCITES輸出許可書が必要(取得には時間がかかる)。許可書がないため、出発国から持ち出せない、日本に持ち込めない(税関で差し止められる)ケースが発生しているので注意する。悪質な持ち出し、持ち込みには厳しい罰則が科されることもある。

差し止めが多発している海外のみやげ品の例

漢方薬・ぬり薬・酒類

クマの胆嚢、トラ、ジャコウシカ、コブラなどの成分を含んだもの等

はく製・標本

カメ、ワニ、タカ、ワシ等のはく製、チョウの標本等

革製品

ワニ、ヘビ、トカゲ等の革を使用したバッグ、財布、ヘビ革を使用した胡弓等

その他の製品

象牙の印材・彫刻品、べっこう製品、クジャクの羽、サンゴ、ダチョウの卵等

生きた動物・鳥類・魚類

カメ、サル、ヘビ、カワウソ、カメレオン、オウム、インコ、サンゴ、アジアアロワナ等

生きた植物

サボテン、トウダイグサ、ラン、リュウゼツラン、キョウチクトウ、アロエ等

7.日本入国時の税関

参考:税関ホームページ「海外旅行の手続」 https://www.customs.go.jp/kaigairyoko/

海外から持ち帰る品物が免税範囲を超えている、いないに関わらず、「携帯品・別送品申告書」1通を記入し申告する。別送品がある場合は2通必要。また、100万円相当額の現金等を持ち込む場合、併せて、出国時と同様に「支払い手段等の携帯輸出・輸入申告書」を記入し、税関に提出する。

日本の免税範囲

税関サイトを確認する。

免税範囲を超えた場合

免税範囲を超えた場合は課税される。税率は3種類で、関税がかかる有税品に対する簡易税率、通常の一般貨物に適用される関税率、関税等のかからない無税品にかかる消費税・地方消費税。税額は、海外での小売価格(購入価格)の6割程度の価格をベースに該当する税率をかけた額となる

簡易税率または特例税率が適用される品物と税率

税関サイトを確認する。

8.別送品がある場合

別送品とは、旅行者が自分で持ち帰る「携帯品」とは別に国際郵便・宅配便で送るもの。「別送品」として免税枠や簡易税率の適用を受けようとする場合は、入国(帰国)後6ヵ月以内に輸入され、その輸入申告の際に入国(帰国)時に税関の確認を受けた「携帯品・別送品申告書」を輸入地税関に提出した場合に限る。別送品の免税枠は、入国時に使用した免税枠の残りの範囲。手続や注意点は次の通り。

タイミング 手続・注意点
荷物を送る 品物外装やインボイスなどに「別送品」(Unaccompanied Baggage)と表示し、入国(帰国)者本人を受取人とする。土産品店などに依頼して送る場合は特に注意する。
入国時(帰国時)

「携帯品・別送品申告書」を2通、税関に提出する(申告書の別送品欄にチェック。別送品の内容は記入不要)。1通は確認印が押され返却されるので、荷物受け取り時まで保管する。

※入国(帰国)後の別送品申告は不可。また確認印が押された申告書を紛失すると、一般の貿易貨物と同様の輸入手続が必要となる。

別送品到着後

・郵送の場合
「外国から到着した郵便物の税関手続のお知らせ」という葉書が届く。入国(帰国)時に税関の確認印を受けた「携帯品・別送品申告書」を提出し手続きする。返信用部分と共に葉書を差し出した税関外郵出張所に提出する。

・郵送以外の場合
航空貨物代理店や船会社等から到着通知が届く。入国(帰国)時に税関の確認印を受けた「携帯品・別送品申告書」、旅券等を持って別送品の到着地税関で手続きする。

9.日本に持ち込めないもの(禁止・規制品)

違反すると関税法により処罰されたり、没収または積戻しを命令されることがある。

禁止品(主なもの)

  1. 麻薬、向精神薬、大麻、あへん、けしがら、覚醒剤、あへん吸煙具及び指定薬物等
  2. 挙銃等の銃砲、これらの銃砲弾や挙銃部品
  3. ダイナマイトなどの爆発物や火薬、化学兵器の原材料、炭疽菌等の病原体など
  4. 紙幣、貨幣、有価証券、クレジットカードなどの偽造品
  5. わいせつ雑誌、わいせつDVD、児童ポルノなど
  6. 偽ブランド品、海賊版などの知的財産侵害物品

規制品(主なもの)

前述した動植物以外では次のものが規制されている。詳細は所管官庁に確認する。

  1. 狩猟用や競技用の銃、刀剣など:各都道府県の公安委員会
  2. 事前に検疫確認が必要な生きた動植物、肉製品、野菜、果実、米など:農林水産省
  3. 医薬品、医薬部外品、医療機器、化粧品など(個人使用でも輸入数量制限がある):厚生労働省

●税関 海外旅行の手続  http://www.customs.go.jp/kaigairyoko/index.htm 別ウインドウ


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