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P12 【シリーズ:添乗員のための旅行医学 Vol.52】



海外でかかった感染症は帰国後に発病することが意外に多いのをご存知でしょうか? このため帰国後も体調の変化には充分な注意が必要です。感染症の症状は下痢と発熱が代表的です。症状が出たときどんな病気が疑われるかを下表に示しました。



海外で下痢をおこす原因は細菌が8割を占めます。寄生虫(赤痢アメーバなど)やウイルス(ノロウイルスなど)も原因になりますが2割程度です。細菌の中では大腸菌が最も多く、通常は2?3日の経過で回復します。赤痢菌やコレラ菌が原因になることも時々ありますが、その場合は重症化しやすく、入院が必要になります。
一般に細菌やウイルスによる下痢は急性の経過(1日に何回も激しい下痢をする)、寄生虫による下痢は慢性の経過(軟便が何日も続く)をとります。また細菌やウイルスは潜伏期間が短いため、帰国後すぐにおこる下痢はこれらの病原体が原因になっていることが多いようです。一方、寄生虫は潜伏期間が長く、帰国後1カ月してから発病することもあります。


途上国から帰国後に発熱した場合は、デング熱、マラリア、腸チフス、ウイルス性肝炎などの熱帯感染症を考えなければなりません。また、インフルエンザや風邪といった日本国内でみられる感染症の可能性もあります。
デング熱はここ数年来、東南アジアで大流行しており、日本人の患者も数多く発生しています。発熱と発疹をおこす病気で、通常は1週間程度の経過で回復します。マラリアは熱帯や亜熱帯に広く流行している熱病で、流行地域では日本人の患者も少なくありません。腸チフスやウイルス性肝炎も途上国に多い病気で、発病時は高熱が主な症状になります。
発熱をおこす感染症も、表の通り潜伏期間で分けることができます。


ほとんどの感染症には有効な治療法があり、早期に治療すれば完治が可能です。帰国時に既に症状のある方は、空港の検疫所で診察を受けることをお奨めします。
帰宅後に症状が出た場合は近くの内科や小児科などを受診し、海外から帰国後であることを必ず医師に伝えましょう。感染症の専門的な検査や診察を希望される方は、感染症科や渡航外来のある病院を受診してください。
体調に異常があった場合は医療機関に相談するよう、添乗員は解散時にお客様に伝えるといいでしょう。


帰国後、できるだけ早く医療機関を受診してほしい感染症が2つあります。1つはマラリアを疑うケース。治療が遅れると、命に関わることも少なくありません。流行地域から帰国後に38℃以上の発熱をおこした場合は、直ちに感染症科のある病院を受診しましょう。
もう1つは狂犬病。イヌやネコなどの動物に噛まれて感染する病気で、日本では根絶しましたが、途上国などでは流行が続いています。発病すると100%死亡するため、噛まれたらすぐにワクチンを接種して、発病を阻止しなければなりません。現地で処置を受けなかった場合は、感染症科や渡航外来のある病院を至急受診し、ワクチンを接種しましょう。


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