11月号インデックス特集Part.1特集Part.2旅の力JTS開催報告│Cave de JATA│添乗員のための旅行医学バックナンバー
   添乗員のための旅行医学
P10 【Cafe de JATA vol.55】






 

菅沼 会社立ち上げ当時は旧ソ連・東欧地域を中心に取り扱っていましたが、現在はデスティネーションが世界中に広がりました。それも、例えばイタリアですとローマやベネチアなどメジャーな都市ではなく、古代ローマを探訪するアッピア街道を歩くなどといったテーマ性に富んだツアーを企画しています。

黒見 そのツアーは、私が先日現地に取材をしてツアーを企画しました。新しいツアーとして社内からアイデアが出されましたが、初めてのツアーは一度下見をしてみないとわからないもの。メジャーではない場所は情報が少ないので、必ず現地に出向いて情報を収集してきます。

齋藤 当社のような中小の旅行会社は、いかにお客様のニーズを読み取り、他では真似できないツアーを企画するかが重要だと思っています。その情報源として現地オペレーターや現地の新聞などの情報はもちろん重要ですが、私は普段の生活の中からアンテナを張り、新しい企画のヒントにしています。テレビ番組では旅番組だけでなく、ニュースや情報番組にも注意深く見ているとヒントとなるアイデアがいっぱいあります。

菅沼 添乗中や説明会などお客様と直接会う機会が多いので、何気ないお客様との会話の中から「今どんなことが注目されているか」などツアー企画のヒントを得ることもあります。

菅沼 私は通常1日50件前後、過去のツアーに参加したお客様に、新規ツアーの案内や次の旅行計画の有無などを電話で聞いています。1人のお客様に短い場合で2週間間隔で電話していますね。弊社の客層は60〜70代の会社をリタイアしたお客様が中心で、比較的家にいる方が多いので電話が繋がりやすいです。また、社員が添乗しますので、以前自分が同行したツアーに参加したお客様もおり、世間話で長電話になることもあります。

黒見 そうですね。当社のツアーは長期間のものも多く、一番長いもので77日間のシルクロードツアーがあります。何日間も一緒に旅行をするため、お客様との繋がりが強くなりますし、顔見知りの顧客が増えます。顔見知りになると電話もしやすくなります。お客様も安心して電話を受けることができるようです。

齋藤 「○○さんが同行するツアーに参加したい」など目的地ではなく、添乗する社員名で選ぶリピーターの方もいます。私たちもそのように再度ツアーに参加していただくと嬉しいですね。

菅沼 ただし、勉強熱心な参加者が多いので、ツアーに同行する場合、通常の観光情報では足りません。今は、ウェブでも情報が溢れていますので、それ以上に情報を習得しないとお客様の質問に答えられないことも。私は年間8?9回添乗しますが、ツアー前はその地域に関連する本を3冊以上読みます。ですので、週末は図書館通いです。逆に秘境すぎてあまり情報がない地域は、お客様が持たれている情報も少ないのでかえって案内しやすいかも…(笑)。


ハンガリーのブダペストくさり橋の夜景。
秘境だけでなく、東欧のツアーもや
はり人気ツアーのひとつ


10日間で10の石窟を巡る珍しいツアーで行った
インドのアジャンタ石窟


赤い砂漠として知られているナビビアのナミブ砂漠


スイスのミューレン。ユングフラウを背景に雄大な
景色の中ハイキングを楽しむ

齋藤 旅行説明会にも力を入れています。当社の旅行説明会は2種類あり、1つはツアーの詳細を説明する、いわゆるスタンダードなもの。もう一方は、食事会などイベントを伴う旅行説明会があります。

黒見 後者の説明会は、「横浜中華街裏街散策と名店・金香楼での食事付、中国ツアー説明会」や「スペイン・タパス料理とスペインツアーの説明会」といった食事を楽しみながら行うものや、大使館を借りて行うもの、フラメンコなどショーを見ながら開くというものもありました。これら説明会も私たちがアイデアを出し合って、企画、手配をしています。

菅沼 通常の説明会はツアーの申し込みを考えていないと行けない雰囲気が漂っていて、気軽に参加できないという声を聞きます。しかし、イベント付きの説明会は敷居が低いようで参加しやすいと好評です。ですので、説明会と言ってもツアーの紹介は一切せずに、その地域の文化や歴史など、旅の魅力を語り合うようにしています。ところが、実は通常の説明会より申し込みに結びつくことが多いんですよ。多分、倍近いですね。

齋藤 インド料理を食べながらインドの話を聞くと雰囲気も現地に行った気持ちになりますし、また世間話もしやすい。社員が同席するので、顔見知りになる「場」にもなります。初めて参加する人や、友達同士で参加される方が多いので、新規顧客開拓にも貢献しています。

黒見 今後はちょっと遠出をして、高尾山でハイキングをしながらネパールのト
レッキングツアーを説明したり、民族衣装の着付けを学ぶ旅行説明会など、プラスαを取り入れたユニークな説明会を開催したいです。

黒見 月に1度お客様に届けている弊社の情報誌『フライング・ラビット』の編集、執筆も社員全員でやっています。今月の秋号には私が現地取材をした記事が載っていますよ。写真も自分たちで撮っていることが多く、今回は人通りが少ない場所だったので、タイマーで自分の後ろ姿を撮って誌面に載せました(笑)。

齋藤 写真を多く取り入れて、お客様が「旅行に行きたい」という気持ちになる誌面づくりを心がけています。

菅沼 お客様からも「写真がきれいで、毎回楽しみにしています」といった嬉しい声をいただきます。今後も写真でツアーの魅力を見せつつ、まだあまり知られていない地域のコアな情報を載せていきたいと思います。


毎月発行している旅行情報誌『フライング・ラビット』


ツアーの参加者が送ってくれた、
ツアー中の写真を収めたアルバム


   
 国内旅行活性化事業として長期連続休暇の取得促進と国内観光旅行の振興に向けた取組みを推進している(社)日本観光振興協会の活動にJATAも後援しています。
 今年も全国規模で「1ウィークバカンス」キャンペーンを展開し、東日本大震災の復興を支援する観光庁を中心とした国内旅行振興キャンペーン「がんばろう!日本」とも連動しながら、より多くの人々が最低1週間程度の休暇を取得・活用して長期の旅行=「長旅」に出かける機運を盛り上げます。
■キャンペーン期間
 2011年8月末?2012年3月31日(土)
■ポスター掲出期間
 2011年8月末?2012年3月31日(土)
■キャンペーンホームページ
 http://1wv.jp
■キャッチコピー
 「1年に1度は、長旅へ。」
 連続休暇で、いつもと違う「長旅」に出かけよう!!
■実施内容
 (1)「1ウィークバカンス」キャンペーンポスター制作・掲出
 (2)キャンペーンロゴマークの制作・PR掲載
 (3)キャンペーン専用ホームページの制作とPRリンク(http://1wv.jp)
 (4))1ウィークバカンス」対応商品の造成・展開(web告知)
  <旅行川柳コンテスト>
   9月12日(月)?10月31日(月)
  <プレゼントアンケート>
   11月7日(月)?12月11日(日)予定
 (5)キャンペーンホームページでのイベント実施


今回の特集では視点を変えてテレビの旅番組がいかにして作られているかその一端を紹介しています。よい旅番組を作るためには事前の情報収集、なかでも収録前に一度現地に入り下見をしっかりと行うことが重要であるということでしたが、これは旅行の企画を行う上でも共通していると改めて感じました。(さ)

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