番組では、全体のテーマに重なってくる中核的なシーンとちょっとした小ネタを織り交ぜてメリハリをつけるようにしています。メインとなる人なり、街の顔なり、大きなネタは必要ですが、それが2つも3つもあると逆に視聴者には“重たくて、もたれる”感じを与えてしまうもの。かといって小さなネタばかりですと細切れな印象になり、街の魅力が伝わりにくくなります。
その時に悩ましいのが、緩急を考えた構成にすると、歩き方が実際の地図通りにならないことがあるということ。A地点のネタとB地点のネタの間にC地点の小ネタを挟み込みたくても、A地点からC地点は離れすぎていて「街歩き」をすると絶対にB地点を先に通るんです。実は、この番組通りに街歩きをされている方が結構いらっしゃるようで、「番組通りに回ってきました」というお便りが届いたり、ブログで書かれたりすることがあるんです。そういう楽しみ方をしてくださっている人がいると思うと、不自然なルートでの紹介は控えたい。そこが難しいところです。 その国、街の名所を押さえたツアーももちろん楽しいものですが、それだけでは飽き足らず、ガイド本では紹介されていない通りや店などの発見、そしてその土地の人との出会いがあるといいな…と思う人は、結構多いのではないで
しょうか。有名ではないけれど日本人が見ると「へぇ」と思える場所が組み込まれている、メリハリの効いたツアーがあると面白いかもしれないですね。土産物屋で買い物をするやりとりだけではない現地の人との交流が、ツアーの中に1つあるだけでも思い出深い旅行になるはず。多くのツアーに自由時間があると思いますが、そういう時に『世界ふれあい街歩き』を思い出して、かすかにでも現地の人と心がふれあったと実感できる旅行をしてもらえたら嬉しいですね。
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