1月号インデックス新春座談会│旅の力│JATA NOWCave de JATA添乗員のための旅行医学バックナンバー
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P6 【旅の力】

 フォトロゲイニングとは、山や街中を舞台に、地図上に示された複数のCP(チェックポイント)を、コンパスを使いながら制限時間内に回って合計得点を競う競技。CPごとに得点が異なり、スタート地点から遠かったり、分かりづらくて容易に到達できないポイントほど高得点となります。野山で行われるオリエンテーリングに似ていますが、回る順番が決まっていません。CPを見つけたらその場所で指示された構図の写真を撮影することで得点になるのが特徴です。
 タイムを競って森の中を駆け回る個人競技のオリエンテーリングや、グループごとに得点を競うロゲイニングに比べ、沖縄や鎌倉など写真に収め甲斐のあるところで行われることから観光要素が高く、親子で参加したり、競技の途中で食事ができるなど、まったりした雰囲気でルールに柔軟性があるのもフォトロゲイニングの特徴です。

 
指定の写真を撮ってチェックポイントを
クリアとするため観光要素が強い


開始時に渡される地図(左)とCP表(右)。CP表の数字は獲得できるポイント。
解説に○○が美味しいと書くと購入する人が多いという。




 街中を自分の足で歩いたり、走ったりするフォトロゲイニングは、いくつものCPを求めて何時間も体を動かすため、健康に良いのはもちろん、CPを見つけたときやゴールしたときの仲間と共有する達成感は心の健康にも通じると参加者は言います。
 街中でCPを探す行動は一見、近年人気のGPSを使った位置ゲームや宝探しに似ていますが、フォトロゲイニング主催者の一人であり、トレックナオを主宰する伊藤奈緒さんは、あくまでもスポーツとしての競技にこだわります。「走ったり、地図読みのスキルを磨いたり、制限時間内にゴールしたりするフォトロゲイニングの達成感は格別。最近ではマラソンやオリエンテーリングなどのトップアスリートも参加しますが、『どこを回ったの?』などと彼らと会話できるのも競技性があるから。そこはこだわりたいところです」。
 埼玉や東京を中心にフォトロゲイニングを実施している伊藤さんですが、昨年11月には山口市で行われた「フォトロゲイニング山口 in あじす」に運営面で協力。主催は山口市でしたが、JTB中国四国山口支店が主管をするなど健康的に遊べるフォトロゲイニングと地域観光の融和に注目が高まっています。
 



街中を移動しながら次のポイントを探す。
見つけたときの達成感も格別。


ロゲイニングの会場となった鎌倉には、
古い神社仏閣だけでなく豊かな山や森もあるため、
メリハリのあるコースとなった


 ウオーキングは多くの人が気軽にできる運動のひとつです。手軽でありながら、ウオーキングが心身にもたらす効能は数多くあります。
 毎日、ウオーキングの習慣をつけることが最善ですが、普段の歩く速度よりもやや早く歩く、歩幅をいつもより少し広げて歩くなど、ちょっと意識するだけでも効果がアップします。歩く時の目線はやや遠くを見るようにすると、よい姿勢で景色や季節を楽しむことができます。なお、ウオーキングは続けることで、体脂肪の燃焼や血液の循環をよくする効果があります。また、酸素摂取量が増えることで心肺機能が向上することも期待できます。健康な心臓と肺は、脳により多くの酸素を送り込むので、脳の機能が活発になり、頭がスッキリします。さらに、よい姿勢で、積極的に階段や坂道を歩けば体幹筋力が鍛えられます。
 歩く目線は地域の魅力の再発見につながり、歩く人が増えることで地域が賑わうことにもなります。地域の人やウオーカー同士の交流も生まれやすく、ウオーキングは旅と観光との親和性が高いスポーツといえるでしょう。


 フォトロゲイニングのおもしろいところは、競技が終わった後も、「どう回ったの?」とか「そのルートがあったか」などとみんなが情報を交換したがるところです。だから、懇親会はとても盛り上がります。順位と選手が回ったCPの順序は必ずホームページに掲載しますが、地図のリクエストがあることから、個人的に同じルートを回る人もいるようですよ。参加者が撮影した写真はゴール後、互いにどのようなルートで回ったか写真を見せあったり、各自のブログに載せているようです。
 主催者としての見せ所は配点です。配点によって参加者のコースが変わるからです。その地域の南側を見せたければ南側の観光ポイントをCPにして配点を高くしたり、おすすめのお店をCPに入れるなど、「狙い」のすべてを1枚の地図に詰め込みます。それから、大切なのは正確な地図づくりと撮影ポイントとの交渉。撮影ポイントがお店だったりすると、そのお店に許可を得なければなりませんので結構手間がかかります。でも、「観光の役に立つなら」と、来店客に特典を付けてくれるお店もあり、選手だけでなく地域の皆さんも楽しんでくれています。


 もともとスポーツをしていますが、フォトロゲイニングにはまってからは、旅行好きが相まって桜島、京都、沖縄、松代と、競技があるところを求めてどこへでも行きます。11月27日の沖縄ロゲイニングは参加者約200人。ファミリーの部の参加が多く、とても賑やかでした。首里城の周辺がCPだったことから観光もでき、とても楽しめました。ロゲイニングをしていなければ行かないような路地裏や小さなお寺、お店などを発見でき、単なる観光よりはるかにおもしろいですよ。



 知っている街でも新たな発見があり、地図読みをしながら探して行けるので、なんだか宝探しのような感じで楽しいですね。私は、街とトレイルがミックスしたコースが魅力的です。撮った写真はあとで振り返りやすいですし、ブログにも掲載できます。中には「ここでこのポーズをしてください」という指定もあり、遊び心があってユニーク。ルートは人によって違うため、後で「この人はこう回ったんだ」と情報交換することで、今後の参考にしています。

 
神石明子さん(左)と吉田佳さん(右)

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