森川 モンベルは、アウトドア商品のメーカーとして設立し、今年で創業36年目になります。創業者で会長の辰野勇は、創業前に日本初のロッククライミングの学校を開校するなど、アウトドアツアーの可能性を模索していました。そして、まずメーカーとして、アウトドア市場の基盤を作り、アウトドアスポーツのすそ野を広げることから始めました。
目次 90年代から、商品販売(ハード)だけでなく、イベント(ソフト)をお客様へ提供しようとカヌースクールやトレッキングツアーを企画するようになりました。その後、モンベルネイチャートラベルを立ち上げ、現在では海外トレッキングやカヌーツアーなどの企画も行っています。
森川 アウトドアのツアーは、観光が中心のツアーとは異なり装備が重要です。ツアーの内容によっては、参加者自身がアクテビティに合った装備を用意しなければ参加をお断りせざるを得ない場合があります。
目次 そうですね。そのため事前に、担当者が必要な装備などを参加者にご案内しています。参加者が不安にならないように努めるのも、アウトドアツアーでは大切な役割です。
森川 装備の面では、メーカーの強みが生かせますね。Webサイトやパンフレットでは、ツアーやイベントごとに必要な装備や推薦する道具を掲載しています。参加者に、自社商品に興味を持ってもらえることも、メーカーがツアーやイベントを企画し催行する大きなメリットです。
目次 ただし、野外活動のツアーでは天候に左右されます。私は、クライミングのサブスタッフとしてイベントに同行していますが、天気がよくても岩が濡れていると滑るので岩に登ることが難しくなります。
森川 ラフティングもそうだよね。晴天でも、前日の雨で川が増水している日はNGだったりする場合があります。雨で中止ならまだ参加者は納得してくれますが、天気がよくて中止になる場合は、理解していただくのが難しい場合もあります。しかし、アウトドアのツアーは安全第一。理解していただくために、丁寧に説明しています。
目次 また、参加者1人ひとりのレベルを見極めていくことも重要。事前に電話などでどの位のレベルか聞いていても、実際見てみないとわからないことが多い。クライミングの場合は、日帰りイベントが多いので、当日速やかに参加者のレベルを判断して、安全に遂行できるよう臨機応変な対応を心がけています。
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