3月号インデックス特集│People│JATA NOWCave de JATA添乗員のための旅行医学バックナンバー
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P6 【People】

 今年で12回目を迎えるWTTCグローバルサミット(World Travel & Tourism Council=世界旅行ツーリズム協議会)が4月16日から4日間、仙台と東京で開催されます。2010年に馬淵国土交通大臣(当時)が直接誘致を働きかけるなど官民挙げた活動を展開した結果、2010年11月に日本での開催が正式に決定しました。当初は東京のみの開催予定でしたが、昨年3月11日に発生した東日本大震災を受け、セッションの一部を被災地である仙台で開催します。同サミットには、世界の主要なツーリズム関連企業やメディアを含む約1000人(海外500人、国内500人)が参加。サミット前後には、海外からのメディアに対してファムトリップが企画されており、会議全体を通して日本が復興に向けて順調に回復しつつあることを世界にアピールする絶好のチャンスとなります。

 特別講演では、Taleb Rifai世界観光機関(UNWTO)事務局長の来訪が予定されているほか、トヨタ自動車(株)の張富士夫取締役会長も登壇を予定。日本内外の旅行・ツーリズム関係者が多数集まります。

 WTTCは世界のツーリズム関連企業の主要約100社の経営者で構成され、国連の世界観光機関(UNWTO)と連携しながら、ツーリズム関連業界の発展を支える活動を行っている民間団体。ツーリズム関連業界が世界最大級の産業のひとつであるということを、各国政府をはじめ、より多くの人々に認識してもらうためにツーリズムに関連するGDP統計の作成など様々な課題について積極的に情報を発信し、関係者への働きかけを行う。


■開催期間
2012年4月16日(月)〜4月19日(木) (本会議3日間)
■全体テーマ
Leading a Dynamic Industry through Turbulent Times(波乱の時代のダイナミックな産業を率いて)

 過去1年は、債務危機、世界各地での民主化の動き、不安定な世界経済動向、為替や商品価格の大幅な変動など、様々な波乱要素があった。2012年も米国、フランス、台湾、ロシア、インド、メキシコ、ケニヤ、韓国、中国などの国や地域で選挙が予定されており、同様に“興味深い”年になると思われる。こうした世界情勢は、世界経済(GDP)の9%を占めるツーリズム産業に様々な影響を及ぼすことになる。
 日本の復興に焦点を当てるとともに、東京のサミットでは、世界経済の牽引役としてのツーリズムの役割、消費者ニーズ、航空産業、ツーリズム産業が激動する世界で果たすべき役割などについて議論する。



サミットに先駆け1月30日に東京で開催された日本経済新聞社主催、WTTCグローバルサミット日本組織委員会事務局後援のプレシンポジウム「観光立国 日本へ」には約800人が参加するなどサミットに向けて注目が集まっています。日本組織委員会事務局の深田健児広報担当ディレクターは、会議に向け次のように抱負を語っています。「わが国の旅行業界が世界に向けて日本をアピールできるまたとない機会。日本で開催するサミットですから、ぜひ日本からの参加者が増えてほしいと願っています。旅行・ツーリズム関係組織の皆様の参加をお待ちしております」。海外からの注目度の高い同サミットへの期待が高まります。

◆お問い合わせ
第12回WTTCグローバルサミット日本組織委員会事務局
TEL:03-3221-2351 http://www.wttc2012summit.com

 観光産業は、世界の主要な産業の1つです。観光は膨大な雇用、富、経済成長を生み出すばかりでなく、世界経済の回復を促す大きな力となります。今回の日本開催は2010年11月に選定されましたが、世界第3位を誇る日本の観光産業市場の発展が世 界の観光業界に不可欠なことを示しています。
 3月11日に発生した東日本大震災は、サミットの日本開催に対してWTTCの責任感をさらに強めるものとなりました。世界の観光業界のトップが東北地方と日本に対して連帯を示すことは非常に重要なことです。
 日本の観光産業は力強い回復を見せています。日本政府観光局(JNTO)や調査会社のSTRグローバルのデータは、日本国内の観光需要の急速で広範囲な回復を示しています。これらは、円高による海外旅行の後押しと原発事故の収束に向けたニュース によるものが大きいと見ています。一方、観光庁の強力なマーケティング・キャンペーンも、日本のインバウンド観光のより急速な回復を確実なものにしています。
 日本の観光産業の回復は、どの国の観光産業にも波及する最も切迫した問題の1つです。WTTCグローバルサミットの日本開催は、東北地方そして日本が3月11日の悲劇から立ち直り、世界の主要な観光デスティネーションとしての地位を再確立する体 制を整えていることを明確に発信するものです。


■プログラム
 9つのセッションテーマを設け、各セッションにおいて基調講演、パネルディスカッション、インタビュー、国内外の著名人による特別講演や、参加者全体による討議を行う予定。

仙台会場(ウェスティンホテル仙台)

4月17日
1. 復興:日本、他国からの教訓
2001年の9.11から2011年の3.11まで、危機対応がツーリズム産業の常態となった感がある。東北を中心とした日本の経験、知見、更には他の危機に見舞われた世界の他地 域のケースも踏まえ、危機管理のあり方を探る。

2. アジアマーケットの状況-アジアの中から
アジアにおけるツーリズムの現状と課題、その世界的な位置づけなどを探るとともに、その将来を探る。

3. 世界から見たアジアマーケット
アジアの旅行・ツーリズムを世界がどのように見ているのか、どのようにアジアを捉えるのが正しいのかを討議。

東京会場(グランドプリンスホテル新高輪・国際館パミール)

4月18日
1. 日本の今、そして未来
東日本大震災が日本のツーリズムに及ぼした影響を評価し、回復への道筋を探るとともに、世界三位の経済大国である日本の未来を議論する。

2. 急激に変化する世界
世界の政治、経済、産業の地殻変動がおきつつある。その大きな潮流を把握することで、ツーリズム産業への影響を把握し理解する。

3. 航空業界−その役割と変化
ビジネスモデルの変化、様々な規制強化、高騰する燃料価格など、ツーリズム産業の主要な構成要素である航空産業は様々な課題を抱えている。ツーリズム産業全体が健全に発 展するために、どのように航空産業を支えることができるかを探る。

4. 我々の声をひとつに
ツーリズム産業に対する各国政府や国際機関の理解と協力を強めるため、ツーリズム産業が幅広く連携するこの重要性を議論し、東京宣言(Tokyo Commitment)を採択する。

4月19日
5. 将来の消費者
進化する消費者のニーズをいかにして把握し、その求めるものを提供するかを、商品およびテクノロジーの両面から議論する。

6. 明日へのツーリズム
他産業の事例に学びつつ、社会、地球環境、利潤をいかに調和させ、産業の健全な発展を遂げるかを、イノベーションやサプライチェーンなどを切り口に討議する。

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