関東支部 8月29日(火)、第10回 JATAインバウンドセミナーを開催

更新日:2023年09月07日


2023年9月5日掲出 : 会報誌「じゃたこみ」掲載記事より

JATA関東支部は東京都産業労働局観光部との共催により、2023年8月29日(火)、東京都議会 議事堂 1 階「都民ホール」にて「JATAインバウンドセミナー」を開催しました。このセミナーは、2011年から続くイベントで、節目となる10回目の開催を迎えました(2019年~2021年はコロナ禍により未開催)。東京都、東京観光財団、国土交通省 関東運輸局、観光庁、帝京大学より講師を招き、急速に回復する訪日マーケットについて、様々な角度から学び、知見を深められるようなプログラムとしました。セミナーには登壇者を含め総勢82名が集まりました。

JATA関東支部 鈴木 誠一 支部長

セミナー冒頭で挨拶をしたJATA関東支部 鈴木 誠一 支部長は、訪日動向について触れ、「中国から日本への団体旅行の動向にもよるが、10月~12月の訪日客数は19年の水準に達するだろう」との見解を述べました。また、訪日客が急増する一方で、観光産業における人材不足が重なり、サービスの低下を招く恐れがあることについて言及し、「日本のホスピタリティの低下によって訪日客、特にリピーターが減少しないよう、官民が協力して取り組む必要がある」と訴えました。さらに、インバウンドの新たな発展を成し遂げるためには、コロナ禍で生じた人手不足を解消し、人材の質的向上を意図したDXやGXを推進しながら、持続可能な観光へシフトし、量から質へ転換を図ることの重要性を強調しました。  終わりに「今後の観光行政の行方について知見を広め、行政との連携を図りながら、ポストコロナにおける日本のインバウンドの魅力を考える良い機会になれば」と来場者へ呼びかけました。

東京都産業労働局観光部 向井一弘部長

東京都産業労働局観光部を代表して挨拶に立った向井一弘部長は、「今年は10回目の節目を迎える特別な機会です。これまでの努力と積み重ねが実を結ぶことを願っています。観光行政を進めるには旅行会社の皆様の協力が必要不可欠です」と話しました。向井部長は、都が取り組んでいる「PRIME観光都市・東京 東京都観光産業進行実行プラン」について、「観光事業者の支援や観光資源の磨き上げを行っており、観光プロモーションについての情報発信が柱となっている。これらの取り組みにおいては、持続可能な観光の視点やMICEの誘致について重視している」と説明しました。また、池袋にアニメの拠点をつくり(10/31グランドオープン)、アニメに関わる情報を発信していくことや、夜間観光のニーズに応えるため、プロジェクションマッピングの国際大会を誘致し共催することなど、外国人誘致に向けた都の具体的な取り組みについて言及しました。

第10回JATAインバウンドセミナー 講演テーマ

◆ 東京都の観光施策について 
     東京都 産業労働局 観光部 企画調整担当課長 國生 哲郎 様

◆ 東京観光産業ワンストップ支援センターの事業説明と支援メニューの紹介
     公益財団法人 東京観光財団 観光産業振興部 次長 兼 観光産業振興課長 田中 正 様

◆ 広域関東におけるインバウンドの現状とこれからの展開について
     国土交通省 関東運輸局 観光部 国際観光課 課長 原 絵美 様

◆ インバウンドにも対応する「持続可能な観光」というものに取り組む意義とその取組方について
     国土交通省 観光庁 観光産業課 専門官 大野 一 様

◆ 新たなインバウンドの発展のあり方
     帝京大学 経済学部 観光経営学科 教授 吉村 久夫 様

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