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更新日:2026年01月21日
大阪・関西万博に沸き、愛知県で初開催となった「ツーリズムEXPOジャパン2025 愛知・中部北陸」も大盛況、訪日外国人旅行者数も新記録を更新するなど、話題が多かった2025年。迎えた2026年はいよいよ第5次観光立国推進基本計画が4月から施行されます。ひとつの転換期を迎える旅行業界について、課題やJATAの取組、本年の展望などについて髙橋会長にお話を伺いました。
— 2026年。JATAの全体の方向性をお聞かせください。
2026年はひとことで言うと「変革」の年にしたいと思います。「安く行けるから旅をする」のではなく、「行く理由があるから旅をする」というトレンドを自ら作り、価格ではなく“価値”で選ばれる産業への変革を進めていかなければなりません。 あわせて、今年は第5次観光立国推進基本計画が4月から施行される節目の年です。JATAは海外・訪日・国内旅行の三位一体でのバランスの取れた成長こそが持続可能な観光であると捉えています。官民の連携を一段と強化し、変革を通じて次の飛躍につながる年としたいと思います。
— 2025年は大阪・関西万博に沸き、ツーリズムEXPOジャパンは初の愛知県開催で大盛況でした。振り返っていかがでしたか ? また、2026年はツーリズムEXPOジャパンが東京ビッグサイトに戻ってきます。テーマと、注目点は何ですか?
大阪・関西万博は約2,558万人の来場者があり、大盛況で終了しました。日本人来場者が世界各国の文化に触れたことで海外旅行の機運醸成につながったと見ています。若い方々にも海外を知り、視野を拡げるいい機会になったのではないでしょうか。 「ツーリズムEXPOジャパン2025 愛知・北陸中部」は初めて愛知県にて「“旅”は知の再発見」をテーマに開催しました。商談会数、出展者数、来場者数すべてで目標を上回る大盛況で終了しました。商談セッションは6071を数え、海外82の国と地域、1350の企業・団体が出展し、来場者数は10万人の目標に対して12万7000人以上の人々にご来場いただきました。訪日旅行の地方分散、海外旅行の機運醸成、国内旅行の活性化や新しい観光ルートの開発などそれぞれの分野において成果があったツーリズムEXPOジャパンとなりました。
ツーリズムEXPOジャパン2026は「進化する旅のカタチ」をテーマに開催します。観光に関する高付加価値商品の展示、観光DXやAI関連の展示を行います。セミナー会場では、最新の課題解決策の発表やパネルディスカッションを通じて「進化する旅のカタチ」を発信してまいります。会員各社の皆様とともに盛り上げていきたいと思いますので、ご協力をお願いいたします。
— 昨年の訪日、国内、海外旅行の各分野の状況を総括していただけますでしょうか。
全体としては「まだら模様」であったと言えます。訪日外国人旅行者数は初めて4,000万人を突破し、速報では4,270万人となり、旅行消費額も昨年を上回り、9.5兆円に達しました。 国内旅行は、年間の宿泊者数ではほぼ前年度並みの見込みですが、万博効果や単価アップもあり、旅行消費額では前年を上回ることが見込まれます。そして海外旅行ですが、出国日本人数は前年比で13%に伸びましたが、コロナ禍前の2019年比では概ね7割という状況で、早期復活が大きな継続課題です。
— 海外旅行の完全復活に向けて、最大の課題とJATAの主要な取組を教えてください。
円安や旅行費用の高騰などは我々ではコントロールできません。しかしこれを「価格」から「価値」創造へ変革する機会と捉えるべきと考えています。「何としても観たい、体験したい」といったお客様の想いを形にする「企画力」こそが我々旅行会社の最大の強みですので「価値」に重点を置いた魅力的な旅行の提案を加速しなければなりません。
JATAの具体的な取組としては、数多くオファーをいただいているファムツアーや米国建国250周年、WBC、サッカーW杯などのイベントをフックとした2国間交流の深度化に取り組んでまいります。
若者の海外渡航促進についてもパスポート取得支援などをはじめ、双方向交流の拡大に向けた政策提言・環境整備に粘り強く取り組みます。若者に海外へ飛び出していただきたいという同じ志を持つ「渋谷未来プロジェクト」による「Go Global Project」との連携も具体的に進めたいと思います。
クルーズ市場もまだまだ伸びしろがあります。2030年までに日本人のクルーズ人口を100万人とする新たな目標達成に向け、シニア層だけでなく若い世代への拡大を推進します。JATAと日本外航客船協会(JOPA)、日本国際クルーズ協議会(JICC)では協働して「Let‘s CRUISE 1M(Million)~100万人で行こうよ!船旅へ~」をキャッチフレーズに、クルーズ市場拡大に向け取り組んでまいります。
— 活況を呈する訪日旅行はオーバーツーリズムが最大の課題です。旅行業界としてどのように地方分散に取組んでいきますか?
インバウンドの地方分散については、地域の魅力を知り尽くし、地域と深い関りを持つ旅行会社の出番と考えています。例えば、ゴールデンルートに代わる新たな周遊ルートによる「訪日版デスティネーションキャンペーン」を複数年で実施することも国に提案しています。 高付加価値旅行の造成と観光DX化の推進、地方空港の更なる国際化なども含め、官民、DMO、DMCなどとも連携して進めてまいります。世界に70兆円以上のマーケットを持ち、日本としてはポテンシャルの大きなアドベンチャートラベルも強力に進めていかなければなりません。ガイド養成や認定の仕組みも急務となっています。 また、今後の訪日インバウンドの拡大を考えますと、現在会員会社のインバウンド取扱額は平均で総事業の一桁台に留まっており、今後引き続き拡大が見込まれるインバウンドに対し、会員会社の皆様にも事業の柱のひとつとなるよう積極的に取り組んでいただきたいと思います。
— 国内旅行は人口減でマーケットの縮小が懸念されています。JATAとしては国内旅行の拡大にどのように取組んでいきますか ?
日本人の年間の宿泊数は2.4泊、旅行回数は1.4回で、長年変わっていません。国内旅行の拡大のためには「旅行需要の平準化」が不可欠で、そのために平日に休みを取れる環境を作らなければなりません。JATAは、愛知県から全国で拡がりを見せている休み方改革の一つ「ラーケーション」の更なる拡大に向けて、自治体への働きかけと連携を強化します。「ラーケーション」は着実に拡がっており、休みの日数を5日間に増やす自治体もあり、国内のみならず、海外旅行も視野に入ってきました。九州観光機構ではラーケーションに特化したモデルコースを提案するサイトを設けるなど受け入れ側の取組も始まっています。 JATA独自の取組として「平日に泊まろう!」キャンペーンも継続してまいります。この取組は地方紙に多数掲載されるなどし、注目されるようになりました。観光庁の「ポジティブ・オフ」運動とも連携し更なるなる平日への需要の拡大と平準化に取り組んでまいります。 国内旅行においては宿泊や航空・鉄道のダイナミックプライシング化や直販化が進む中、旅行会社としての「企画力」「価値提供」が求められています。旅行会社ならではの価値ある「商品」「サービス」の提供へ「進化」を進める年にと考えています。
— 今年の注目イベントは何でしょうか?
本年は名古屋市で「第20回アジア競技大会・第5回アジアパラ競技大会」が開催されます。実はアジア大会はオリンピックに匹敵するほどの規模の大きな大会で、経済誘発額が日本全体で約2兆円と見込まれていて、大きな経済効果と国際交流が期待できます。インバウンドと日本人の国内旅行双方に効果をもたらすと考えられます。 また、本年は2027年に横浜市で開幕する国際園芸博覧会 (GREEN EXPO2027) の前年であり、開幕まであと400日余りとなりました。国際園芸博覧会は参加者1,500万人を想定しており、非常に規模の大きな博覧会です。旅行業界としては大阪・関西万博の流れを活かして、観光活性化につなげてまいりたいと思います。
— 2026年は旅行業界にとってどのような年になりますか?また、会員会社へのメッセージをお願いたします。
本年4月より第5次観光立国推進基本計画が施行されます。「価格」から「価値」提供への変革を進め、国内、訪日、海外旅行それぞれの課題解決にスピード感を持って取り組まなければなりません。 JATA会員会社、観光業界、官民が更に連携し、持続可能な観光を目指して取り組み、共に日本経済、地域経済の発展に貢献していきたいと思います。 皆様、本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
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