旅の安全・危機管理 2025年度 旅の安全の日模擬訓練の実施結果について

更新日:2025年08月18日


2025年8月18日
一般社団法人日本旅行業協会
旅行安全マネジメント推進チーム

1. 実施日:2025年7月1日(火)~7日(月)

※ 2025年度も旅の安全の日Weekとし、期間内に模擬訓練を実施
     その中で7月1日にはJATA共通模擬訓練を実施

2. 実施内容

「緊急事態(大地震・テロ・バス事故等)が発生し人身に関わる被害が出ている」という状況を統一とし、各社の緊急連絡体制の一巡に要した時間と社員数、及び国内・海外・訪日の部門毎にお客様滞在数を報告する。
① 7月1日JATA共通模擬訓練
午前10時30分にJATAの指定した都市・シミュレーション(国内・訪日は a) 北海道、b) 東北全域、c) 南海トラフ対象エリアより選択したエリアで地震が発生、海外は d) ロサンゼルス e) バンコクより選択した都市でテロ事案が発生に基づき訓練を開始、第1報をメールにて1時間以内に、第2報を報告フォームにて訓練終了後速やかにJATAの対策本部に報告する。
② 期間内に、各社取扱方面の中で任意に設定した都市・エリアを対象とした都市名訓練実施日同日の17時までにJATAに報告する。
③ 期間外の別日程・別途実施をおこない、訓練終了後速やかにJATAまで報告する。

3. 実施対象

7月1日~7日の期間中および期間外(7月中)の実施会社は以下の通り。
実施参加社数 : 80社 (国内 67・訪日27・海外45)
  ※ 別途実施の未実施を含む
  ※ JTBグループ13社国内に参加を1社としてカウント
(参考) 前回2024年度実施69社 (国内50・訪日12・海外40)
  内) 7月1日共通模擬訓練参加社数 : 39社 (国内29社・訪日13社・海外23社)

4. 実施結果

① JATA共通模擬訓練
     緊急連絡体制の一巡平均所要時間 : 35分 (最長204分、最短3分)
     対象社員数 : 平均20名 (最大270名、最小1名)
② 期間内実施   ③ 別日程・別途実施
     緊急連絡体制の一巡平均所要時間 : 62分 (最長330分、最短6分)
     対象社員数 : 平均49名 (最大518名、最小2名)

5. 全体講評

今年度は昨年度の講評を踏まえ、5月の旅行安全マネジメントセミナーと連動した模擬訓練の実施をという初めての試みでおこない、模擬訓練全参加社中28% (27/80社) がセミナーに参加、「JATA共通模擬訓練」には、期間内実施会社の約6割 (39/70社) が参加いただいたことなど、一定の効果があったと感じている。
一方で、「共通模擬訓練」申込46社中未回答会社が7社あり、今後も旅行安全マネジメントセミナーとの連携をより深め、年間を通じた告知の実施など参加意識をより高める取り組みが必要である。

● JATA共通模擬訓練の実施結果は以下の通り。
実施参加エントリー社数 : 46社 (国内 ・訪日38・海外29)
第1報時間内返信社数 : 国内・訪日25社 (65.8%)、海外21社 (72.4%)
詳細報告期限内回答社数 : 国内・訪日33社 (86.8%)、海外26社 (89.7%)
未回答社数 : 国内・訪日5社、海外3社

6. 実施後の感想 (抜粋・要約)

  • • 今回(毎年)の模擬訓練当日だけでなく、日常的な危機管理意識を社内で共有することが重要だと考える。
  • • 今回は平日営業時間内での訓練であったが、現実に発生した場合が営業時間外、平日以外の場合の対応をどうするか、社内の人手が足りない場合の対応をどうするか、今後の課題として取り組んでいきたい。
  • • 今回は添乗員同行のため、現地の状況がスムーズに把握できたが、添乗員なしの場合を想定する必要があると感じた。当社の募集型はすべて、添乗員同行のため、現状は今回のシミュレーションでイメージできたが、受注型の添乗員なしの団体や個人のシミュレーションもイメージしておく必要がある。
  • • 課題はもっと細かい部分で実際の発生時にどうしたらよいのか?という部分の洗い出しと、緊急時には何が一番最優先にされるのかを社員一同が再度認識する良い機会になった。また、実際に発生したタイミングでの臨機応変な対応が必要であること、実際の緊急時に冷静に行動ができるように進めたい。
  • • 大阪府 東京都が含まれていなかったため、該当旅行が少なかった。
  • • 今回の訓練をきっかけに連絡網を更新したが、大災害時に通信手段がなくなった際の確認方法を再度検討すべき。
  • • 停電等ない場合でも、お客様が移動中等の場合、避難先の把握が容易ではないので、緊急避難先の情報提供をいただきたい。
  • • 大地震が起きた想定で訓練をすすめる中で、確認も含め模擬訓練とシミュレーションを行ったが、道路状況の確認方法や、指定の避難場所が遠い場合にどのように動くかなどまだまだ、いろいろな場面を想定して動かないといけないと思う箇所が多かった。
  • • 普段なかなか集まって異常時について意見を出し合ったり考えたりする機会がないので、年に一度の模擬訓練に参加することで確認するきっかけや考えるきっかけになったと思う。

以 上

【参 考】

【この件に関する担当部署】
▸ 国内旅行推進部  太田   TEL : 03-3592-1276
▸ 訪日旅行推進部  田村   TEL : 03-3592-1252
▸ 海外旅行推進部  大久保   TEL : 03-3592-1274