会報誌「じゃたこみ」 【海外・研修レポート】
団体旅行セールスパーソンとして、社員が挑む
「海外団体販売基礎・実地研修」のすべて

更新日:2024年04月17日


座学研修プログラム : 海外団体の添乗業務


最後に行われたのは、いよいよ海外団体旅行の添乗業務でした。講師を務めたのは、30年以上の添乗経験を持つツーリストエキスパーツの外山貴美子ツアーディレクターです。
この講義では、今回の研修のために作成された「海外団体添乗マニュアル ~オーガナイザーのいる団体向け~」に基づき、空港でのお客様受付から、日本出発、そして帰国までの流れに沿って進行しました。外山氏はマニュアルに書かれた内容や、今回の実地研修で添乗員として体験してもらうことも、あくまでも添乗業務の一つの方法であると強調し、「添乗業務はこのやり方」という正解は一つではなく、お客様や状況に応じて異なり、他にも様々な方法があることを念頭に置いて、受講して欲しいと話されました。


30年以上の添乗経験を持つ外山貴美子ツアーディレクターが講師として登壇

念入りな事前準備により現地での万が一に備えよう


講義は、空港でのお客様集合、受付の場面を想定し開始されました。開始早々、外山氏から「明日の現地の天気は?」「時差は?」「電圧は?」「タバコは何本まで無税で持ち込めるのか?」など、次々と質問が投げかけられました。これらの質問は、熟練の添乗員からすれば基本的な内容です。とっさに聞かれて回答に窮する研修生もいました。
実は今回の研修に向け、「機内持ち込制限」や「両替」、「EDカードの有無」など、行程中にお客様からの受けることが想定される質問事項を書き出すといった課題が事前に課されていました。講義では、航空、空港、お金やホテルなど、各場面での想定される2ページにわたる質問事項を回答として用意しました。その多さに驚きを見せた研修生に対し、外山氏は、事前準備がちゃんとできていれば現地での安心感や心の余裕が生まれ、円滑な添乗に繋がると話し、その重要性を訴えました。


事前確認項目の多さに圧倒される研修生

スマートなチップの渡し方も実演


その後、翌日に控えた香港研修旅行の実践さながら、空港でのお客様の受付から、バスでの移動中のご案内、ホテルチェックインなど、各場面でのお客様への添乗員としての対応について、外山氏が自ら実演するとともに、研修生もロールプレイを重ねました。途中、(今後欧米での添乗を経験することもあると想定し)チップの渡し方や英語でのホテルチェックインなども実演され、参加者は終始、真剣な面持ちで取り組みました。
今回の研修では、コロナ禍により海外添乗の経験が積めていない参加者も多く、不安を感じる声もありましたが、事前のロールプレイなどを実践することで、国内添乗とは異なる点が多くあることを痛感し、1つの業務を行う際にも、たくさんの確認が求められることを理解したという声が上がり、さらに他人の添乗業務を見ること、自分の添乗業務を見てもらう機会がなかったため、大いなる刺激を受け実地研修に向けてモチベーションが高まったようでした。


握手をして、バスドライバーにチップを渡す場面

お客様の楽しみを最優先に、わくわく、楽しみながら添乗を


外山氏は、3時間にわたる講義の終了に際して、お客様の楽しみを最優先に考えることの重要性を強調しました。旅行に参加する方々は楽しい思い出を求めているため、ネガティブな感情を抱かせることは避けるべきだと述べました。また、自身が楽しみながら仕事をすることの重要性を強調し、「わくわく」した気持ちを大切にすることで、お客様も同様に楽しんでくれるだろうと述べました。


お客様へのご案内を「楽しみながら」実演する研修生

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