会報誌「じゃたこみ」 【研修・試験】JATA旅行未来塾 初開催

更新日:2023年12月22日


会員会社23社、31名が参加「JATA旅行未来塾」を初開催!
~自らの力で危機を乗り越えるリーダーとなるために~

 日本旅行業協会は初の試みとして2022年9月29日、30日の2日間で「JATA旅行未来塾」を開催しました。会員会社の若手、中堅層を対象とした新たな研修です。今後の業界の将来を担う若手・中堅層の人財は大変貴重な存在であるにもかかわらず、コロナ禍において、その育成が十分にできていないという声が寄せられておりました。JATAではこのような意見を受け、若手・中堅の皆様が旅行業界において前を向いて新たに活躍いただけるよう、その一助となるような研修プログラムを練り、「JATA旅行未来塾」と称する新たな形の研修を実施しました。座学だけにとどまらず、様々なグループワークやプレゼンテーションも行い、参加者同士の交流を促しながら、インプットとアウトプットを同時にこなす研修です。会員会社23社、31名が参加しました。東京開催(JATA研修室)であったにもかかわらず、宮城、新潟、愛知、大阪、福岡からも参加いただきました。

 

各社の英知を結集し8つのプロジェクトを発表

 開校初日は(株)リードポテンシャル 代表取締役、講師 : 大嶋 博子氏により「コロナ危機に学び、未来へ歩みだすステージ」を実施、「シックスハット法」など、テーマや課題、問題に対する思考法や心の整え方を学ぶマインドトレーニング手法、ファシリテーション力を高めるコツなど、今後リーダーシップを発揮していくうえで、求められるスキルについての理論を学び、グループワークによる実践を交え理解を深めました。2日目は「SDGsをテーマに旅行業を作り上げるステージ」とのテーマのもと、東洋大学教授、講師 : 越智 良典氏がコロナ禍を経た業界の未来を様々な角度から検証、考察する「旅行業界の未来戦略を考える」を講演。参加者は聴講を踏まえ当セミナーのゴールに設けられている新規事業プロジェクトの企画、立案に向け、SWOT分析など習いたてのフレームワークを活用し、チームに分かれ討議を重ねていきました。様々な会員会社のメンバーから成り立つ混成チームならでは、それぞれに培ってきた知識、会社の強みを融合させたユニークなプロジェクトが考案されました。2日間にわたり開催された未来塾の締め括りはチームごとの発表です。プレゼンテーション能力の向上も狙い、発表時間は5分に設定し、伝えたいことを制限時間内で伝えることの難しさも体感したと思います。すべてのチーム発表後、参加者全員で優秀作を選定。投票の結果、Dチーム、Hチームが同率にて1位を獲得しました。各チームのプロジェクト概要は以下をご参照ください。

「シックスハット法」

「SWOW分析による考察(一例)」※画像クリックで拡大画像をご覧いただけます

※プロジェクト名(A~Hチーム)をクリックするとプレゼンテーションで用いた発表ポスター画像をご覧いただけます

Aチーム ニッチツアー業界No.1 Youtuber(SNS)特化型エージェント
Bチーム 大人の修学旅行で業界NO1を目指す!!
Cチーム 2nd Honeymoon ~安心・安全な思い出の旅~
Dチーム 日本の元気は地方からプロジェクト
Eチーム 「日本初」Travel SDGs Point開発
Fチーム 未来を担う若者を育てる教育旅行 ~美しい日本の文化・自然を伝える~
Gチーム 未来の担い手を育成する旅行業
Hチーム E-モビリティツーリズムNo.1を目指す

 

同世代の仲間との交流によりモチベーションアップ

 今回の研修を企画、運営した研修・試験部の菅野副部長は次のように振り返ります。研修・試験部では、「総合旅行業務取扱管理者研修」や「旅程管理研修」などの法定研修の他、「新入社員基礎研修」や若手(入社3~5年目)、中堅(入社6~9年目)向けの「階層別研修」を実施しています(今年度はコロナ禍により中止)。研修・試験委員会では、コロナ禍における会員会社が抱えている人財の課題や研修の必要性について、「人財育成検討ワーキング」を立ち上げ、ワーキングメンバーとともに議論を重ねてきました。ワーキングを通じて、若手社員の離職やモチベーションの低下は、共通の課題であることが浮き彫りとなり、業界の持続的な成長、発展に向け、次世代の旅行業界を担う若手・中堅社員の育成をサポートする研修が必要との結論に至りました。これらの経緯により誕生したのが「JATA旅行未来塾」です。インプットが中心となる聴講型の研修ではなく、リアル開催で同業他社の同世代の社員が一同に会し、自分の悩みや思いを伝えたり、議論したりすることで刺激し合える内容としました。
 研修終了後に実施したアンケート結果では、ほぼ100%の参加者が今後の業務に役立てられるとの回答をしています。ファシリテーション力の向上やマインドトレーニングなど、実務に直結する点について、評価された部分もありますが、「普段なら知り合うことのない他社の同じ世代の仲間と交流を図れたことについて、大いに刺激を受けた」と多くの参加者から高く評価されました。コロナ禍となりリアルコミュニケーションが減少し、悩みを抱えながら相談、共有できずにいた参加者を勇気づけることができたのではないかと考えます。会社間を超え、悩みを共有し、お互いに刺激を与え合うことができる交流の場が求められており、この機会を提供することこそJATAの役割ではないかと改めて認識しました。
 「JATA旅行未来塾」については、今後も開催していく予定です。さらに、研修・試験委員会(「新規研修事業検討ワーキング」)において、会員会社の現状を踏まえた新たな研修について検討を始めたところです。今後、JATAニュースメールで情報発信しますので、その際はぜひとも参加をご検討ください。

 

「研修・試験部 菅野 貴 副部長」

「プレゼンテーション」

「グループワーク」