会報誌「じゃたこみ」 【国内】「共通プラットフォーム」構築へ検討を開始
観光地マーケティングなどをテーマとしたセミナーを開催

更新日:2023年12月22日


「共通プラットフォーム」構築へ検討を開始
観光地マーケティングなどをテーマとしたセミナーを開催

 

 

「SDGs」「観光DX」も整理・分析
 JATAは国内旅行市場の活性化を目指して、会員各社を対象とする様々なセミナーを上期に続いて実施します。10月31日から3日間にわたって開催される「テーマ別観光×デスティネーションセミナー」では、北海道観光振興機構、東北観光推進機構、九州観光機構、四国ツーリズム創造機構といった広域観光団体や沖縄観光コンベンションビューロー、観光圏の関係者などが登壇するほか、観光庁、文化庁、農林水産省、環境省の担当者が各省庁によるテーマ別観光の取り組みについて説明。さらに、上期に実施したセミナー参加者を対象とするアンケートで、取り上げてほしいテーマとして希望が多かった「SDGs」と「観光DX」について、JTB総研とマーケティングボイスが現状を整理・分析します。
 JATA国内旅行推進部の高井晴彦部長は、「テーマ別観光の事例紹介に加えて、重要なデスティネーションの最新事情、ツーリズム産業全体におけるSDGsの取り組みや旅マエ・旅ナカ・旅アトでのSDGsとの関わり方、観光DXの基本的な考え方やデジタライゼーションの概念の解説などを通じて、旅行会社の皆さんに理解を深めていただければ」と話します。

 

 

「観光地マーケティング・デジタル分析実践セミナー」の様子
 (6月実施)

 

 

 


国内旅行推進部 高井部長

観光地経営の関わり方を考える
 また、11月29日には、観光地マーケティングをテーマとするセミナーも開催します。
北海道阿寒湖にて国立公園では日本初の体験型ナイトウォーク「カムイルミナ」の事例について説明するほか、地域旅行会社として着地型ビジネスで成果をあげている北海道宝島旅行社が同社の取り組みを紹介。旅行会社も関わる形でDMOによる着地型観光が成功している事例についても、地域側から報告が行われる予定です。
 高井部長は、「地域での新たな需要創出や市場開発が進められており、旅行会社としての観光地経営への関わり方も研究してもらえる」と話します。
 さらに、9月22日から25日まで東京ビッグサイトで開催される「ツーリズムEXPOジャパン2022」でも、JATA国内旅行推進部の主催により「アフターコロナの観光戦略と旅行会社の連携」をテーマにプロフェッショナルセミナーを実施します。長野県観光機構、海の京都DMO、広島アドベンチャーツーリズム協議会の3団体が、それぞれの地域における取り組みを紹介するとともに、クラブツーリズムが旅行会社の立場から地域との連携による事業展開について報告し、パネルディスカッションも行います。

 

再生戦略会議の提言内容実現へ
 JATA国内旅行推進部では、今年6月のJATA総会で発表された旅行業再生戦略会議の提言で、「DXによる利便性向上と業務効率化」「ツーリズムにおけるデジタル基盤整備」「デジタルを前提とした環境整備」といった“デジタル原則”や“協調/共創”における「システムの共同利用」、“レジリエンス”における「観光地災害情報の共有システム構築」といった項目が示されたのを受け、「旅行業共通プラットフォーム」の構築について検討を開始しています。
 高井部長は、旅行業界やツーリズム産業におけるデジタル化の現状について、「災害発生時にタイムリーで効率的な情報収集ができていない」「官公庁や地方自治体・DMOの発信する情報が必要な旅行会社にタイムリーに届いていない」「旅行業者・宿泊事業者による情報収集・登録の業務が重複し、業界全体で無駄な業務・コストが発生している」「各社が同様のシステムを個別に開発している」といった課題があることを指摘。
 JATAとしては、旅行・観光業界における危機管理共通基盤や観光施策情報基盤の確立、宿泊施設・観光施設の基本情報や臨時情報の一元管理を可能とする共有システムの実現を目指し、国と連携を図り課題の解決に向けて検討を進めていきます。