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更新日:2025年01月07日
2024年12月19日(木)、太平洋アジア観光協会(PATA*)日本支部と日本旅行業協会(JATA)訪日推進委員会が共催で講演会を実施しました。 今回は「国際観光機関の取組みについて」と題して行われ、PATA日本支部が旅行産業に携わる政府機関・民間企業・業界団体等と横断的に連携し、様々な訪日外国人誘致のための各種事業やネットワーク構築に取組む現状など、その存在意義について紹介する講演がなされました。 当日は、旅行・航空・ホテル・大学などから50名を超える観光事業に携わる方々が参加しました。
講演会会場の様子 開会の挨拶をされたPATA日本支部の石田恒夫会長
冒頭、PATA日本支部の石田恒夫会長が開会の挨拶をされ、「PATAはコロナ禍で一旦活動が止まってしまっていた時期もあったが、今年のインバウンドの旅行者数はコロナ以前を超え過去最高(年間3500万人台)が見込まれるまでに回復してきている。そのため、改めてPATAについてより多くの方に知っていただき、今後の活動を強化していくための原点回帰の場としてこの講演会を企画した。情報を共有し知見を深めていただく良い機会としたい」と抱負を語りました。
続いて、以下2名のパネリストによる講演が行われました。
1.「PATA本部の取組みと日本支部との関わりについて」 Pacific Asia Travel Association本部役員 熊田 順一氏 熊田氏はまずはじめにPATAのグローバルネットワークについて触れ、観光・旅行分野の業界はもとより、政府機関、学業機関、テクノロジーやファイナンスなど多様な業種との連携を活かした活動が強みの1つであるとし、イベントやセミナーなどを通じて異業種とのコラボレーションによるビジネスチャンスをサポートすることが可能であると説明。 例として、2024年はバンコク、マカオ、フィリピンなど様々な場所でトラベルマートや女性活躍をテーマとしたフォーラムを開催したことや、2025年にはトルコのイスタンブールでサミットを、中国海南省の三亜でツーリズムイベントを行う予定であることを挙げ、中国マーケットをはじめアジア太平洋地域全体での交流促進を図る活動を引き続き重ねていくとしました。 また、PATAのリサーチ機能として、観光事業に関する様々な統計をまとめたデータベース「PATAmPOWER」があること、併せて毎月ウェビナーも開催し最新のマーケットトレンドについても情報発信していることを紹介、是非活用して欲しいと述べました。
2.「UN Tourismの概要・活動方針及び国際観光の潮流」 UN Tourism駐日事務所 副代表 大宅 千明氏 大宅氏は、UN Tourismの活動の1つとしてインバウンド/アウトバウンドの 数や支出などのデータと観光専門家への調査に基づく予測をまとめた「ツーリズム・バロメーター」(年4回更新)を公開していることを紹介。アジア太平洋地域のデータのみならず欧米やアフリカなどのデータとも比較ができ、全世界的な動きを見るために活用ができるとしました。 また、活動の柱に「持続可能な観光の普及及び発展」を掲げていることを示し、観光を通じSDGs目標の達成への取組みに貢献すること、観光レジリエンス向上により危機管理能力強化に努めることの重要性についても話し、近年の日本での取組みとして、UN Tourismでベスト・ツーリズム・ビレッジに選ばれた場所が連携し観光の価値向上を目指す「日本版ベスト・ツーリズム・ビレッジ連携協議会」設立や、「観光レジリエンスサミット」を仙台で開催(2024年11月)し、今後の取組の方向性をまとめた「仙台声明」を採択したことなどを紹介しました。
PATA本部役員 熊田 順一氏 UN Tourism駐日事務所 副代表 大宅 千明氏(オンライン講演)
観光・旅行産業は、国内/海外いずれもが関わり、双方向のサイクルが循環することが重要です。また、環境問題や災害危機管理などは全世界的な取組みが必要な課題を抱えています。 国内外での連携による観光・旅行を通じた社会・経済・環境への貢献のために、PATA日本支部の役割と重要性を再認識する有意義な講演会となりました。
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