東北復興支援活動 「JATAの道」 第6回イベント
(10月3日~4日 :
 宮城県(気仙沼市)実施報告

更新日:2022年03月14日


日本旅行業協会では、今年度、東北復興支援活動「JATAの道 プロジェクト」✽ の6回目となる活動を、世界三大漁場のひとつである三陸海岸、総力をあげて観光復興まちづくりに取組む「気仙沼市」、4月に気仙沼大島大橋が完成し「緑の真珠」と愛される「大島」を含む行程で実施しました。


✽ 「JATAの道 プロジェクト」は、環境省が復興のシンボルとして、三陸復興国立公園内で整備している東北太平洋沿岸地域のロングトレイル「みちのく潮風トレイル」を活用しながら、観光による交流を活発にし、地域経済の振興を図ることを目的に、JATA会員会社が主体的に実地踏査等に取組む活動です。

実施日 : 2019年10月3日(木)~4日(金)
実施場所 : 宮城県気仙沼市
(「みちのく潮風トレイル」気仙沼市北部~気仙沼市中部ルートを中心とした宮城県太平洋沿岸地域)
活動内容 : 「みちのく潮風トレイル」体験ウォーキング、観光素材の視察、地元観光関係者とJATA会員会社との意見交換会
参加者 : 68名(JATA役員・会員会社社員、環境省、地元自治体など)
協力 : 環境省、宮城県、気仙沼市をはじめ地元関係者

【スケジュール】

月  日 時  間 行  程
10月3日(木)   東京~仙台~一ノ関
12:10 巨釜~半造 体験トレイルウォーキング
13:30 御崎~御崎 体験トレイルウォーキング
15:00 気仙沼港 大島汽船遊覧船 乗船・視察
16:45 環境省・地元自治体・観光団体からのプレゼンテーション
宮城県太平洋沿岸の観光資源等についての紹介
18:45 地元観光関係者とJATA参加者との交流会(92名参加)
10月4日(金) 08:00 ホテル発
08:15 大島大橋 徒歩で横断
08:30 龍舞崎 体験ウォーキング
09:40 小田の浜(車窓)経由、岩井崎へ移動
10:30~ 体験プログラム
塩づくり体験&岩井崎散策 または東日本大震災遺構「伝承館」視察
13:50~ 南三陸町旧防災庁舎(車窓)経由「南三陸さんさん商店街」視察
  仙台~東京

10月3日(木)[1日目]

「みちのく潮風トレイル」 巨釜~半造、御崎~御崎(気仙沼市北部ルート)
体験トレイルウォーキング

穏やかな入り江に大理石質の岩石が映える大理石海岸、津波に運ばれてきた巨岩を見ることができるルート。海と森が隣り合う、リアスを体感できる。

参加者の声

  • 初めてのトレイルで厳しい洗礼を受けるという意味では、非常に良かったと思います。奇岩の数々は非常に見応えがあった。
  • 適度なアップダウンがあり、歩くのが楽しい。リアス海岸ならではの景色も楽しめて良かった。
  • 二次アクセスの問題や道の整備だけでなく、看板やスマホ等での案内、インバウンドに向けた英語等ができるガイドによる案内等も含むトレイルの整備が必要。
  • いろいろな植物を見ながら楽しくトレイル出来ました。植物の詳しい案内があると尚良かったと思う。

大島汽船遊覧船

緑の真珠と称される大島にかかる大島大橋の養殖筏が並ぶ唐桑の景色を洋上から眺める1周約50分の遊覧船。

参加者の声

  • 見どころが多く、ウミネコの餌やりもできて、よいコースだった。外洋が荒れている日でも運航できそうなところもよい。
  • 定期船としての役割は終えたが、地域や漁業にまつわる話しを聞くことができるのでとても楽しめた。
  • ガイドによる案内が上手で、魅力が増している。

環境省・地元自治体・観光団体からのプレゼンテーション
(宮城県太平洋沿岸の観光資源等についての紹介)

セミナー形式で、まず環境省より「みちのく潮風トレイル」の概要とその魅力、全コースが開通した旨を説明いただいた。 続いて、気仙沼観光コンベンション協会より気仙沼市における観光資源の概要、見どころ等を、最後に東日本大震災遺構・伝承館より今年3月に開館した「伝承館」を紹介いただいた。

地元観光関係者とJATA参加者との交流会

気仙沼市 留守洋平副市長をはじめ、気仙沼市の宿泊施設などの地元観光関係者27名と参加者が、トレイルを通じた観光による復興支援や宮城県沿岸部の観光資源の魅力発掘・発信などに関して意見交換を行った。

来賓挨拶 : 気仙沼市  留守 洋平副市長

「いま、観光や地域の振興にかかせない交通体系の整備が進んでいる。森・川・海と雄大な自然に恵まれた宮古市にとって、みちのく潮風トレイルを活用した観光振興がますます重要性を増している。」と観光客の来訪に期待を示された。

主催者挨拶 : 国内旅行推進委員会  委員長 坂巻 伸昭JATA副会長

「トレイル参加により宮城県気仙沼市を初めとした宮城県太平洋沿岸地域の観光の現状をしっかりと認識及び発信して、観光客に来てもらい、一緒になって地域を盛り上げたい。」と呼びかけました。

10月4日〔2日目〕

大島大橋

「復興のシンボル」として、整備を進め平成31年4月7日に開通。

「みちのく潮風トレイル」浄土ヶ浜展望台~潮吹穴(宮古市北部~宮古市中部ルート)体験トレイルウォーキング

雨の為トレイルウォーキングを中止し、龍舞崎を見学。大島の最南端にある大島を代表する景勝地の一つ。クロマツ林に覆われた遊歩道を進むと、岬の先端に灯台があり、海食による奇岩が見られる。

参加者の声

  • 観光資源としては、震災遺構に近いのが良い。
  • 遊歩道の先にある灯台からの眺めがとても良かった。
  • 雨のため行程変更があったことは残念だったが、当初の予定のコースの一部をご案内いただき、良い景色を見れた。
  • 1日目に見た巨釜~半造の奇岩地帯が印象深かったので、インパクトは小さいと感じた。
  • 周辺環境が少し寂しい。

岩井崎

のうねりが高い日は吹き潮を観察でき、津波に残った松が龍の形に見える「龍の松」がある。

参加者の声

  • 荒天のため、汐吹岩を見ることができとても良かった。
  • 遊伝承館とセットで充分な魅力がある。

【選択プログラム】塩づくり体験

雨昔の塩づくりの方法が学べる体験・教育旅行プログラム。岩井崎周辺は、かつて仙台藩御用塩場として、塩づくりが盛んにおこなわれていた場所。

参加者の声

  • ファミリー向けには非常に楽しめるプログラムでしたが、夏は暑くて大変そうに思いました。
  • 海水を汲む、海水濃度を上げる工程を一部でも体験出来ると尚良いと思う。

【選択プログラム】東日本大震災遺構「伝承館」視察

2019年3月10日オープン。将来にわたり震災の記憶と教訓を伝え、警鐘を鳴らし続ける「目に見える証」として活用。気仙沼市が目指す「津波死ゼロのまちづくり」に寄与することを目的としている。

参加者の声

  • 交通の便をどうするかが課題
  • 購買できるようなグッズがあれば尚良い。
  • 心に響いた。ツアーの最初にあるのがよいのか、最後にあるのがよいのかについては判断に迷うところ。
  • 今のままで十分、商品価値があると思った。
  • 地域らしさがあるのかについては疑問。地域でやる理由を組み込めると良い。
  • ただ外から眺めるのではなく、博物館のように震災遺構の中を巡ることができるということに感動した。映像とガイドの組み合わせ、流れも理解が深まり良かった。
  • 施設も綺麗、わかりやすい解説もあり商品になる。
  • 貴重な震災遺構であり、必ず訪れるべきだと思う。
  • 私は伝承館だけでも魅力的だが、修学旅行を考えると(伝承館だけでは重くなってしまうので)塩づくり体験とセットにすることで、さらに魅力なコンテンツになると思う。

南三陸さんさん商店街

東日本大震災で大被害を受けた志津川地区の事業者が集まり、2012年に仮設商店街として開設後、2017年に本設商店街に移行。28店が軒を連ね、賑わいの再生拠点となっている。

参加者の声

  • 食べ歩きができるような、ちょっとした軽食等があると良い。
    復興のシンボル的な存在とも言えるので立ち寄り先としては良いと思う。
  • もはや「仮設商店街」ではなく、魅力ある観光地の一つだと感じました。旅行商品にする場合は、買い物で立ち寄るだけではもったいないので、複数のグループに分かれて昼食をとるようにしたい。
  • 以前の商店街より敷地が広いので、事前にマップをお配りしたら購買意欲を掻き立てられるのではないかと思う。
  • 天気が悪い場合は、まち歩きは、(交通量も少なかったので)バス車内案内等に振替出来ると良いのではないか。

以上