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更新日:2025年07月17日
2025年7月4日(金)東京・霞が関の全日通霞が関ビルで、「2025年度 JATA記者懇談会」(主催:JATA広報委員会)を開催しました。 この懇談会は毎年1回、報道各社の皆様へJATA・旅行業界の取組みをご理解いただくとともに意見交換を行い相互交流を深める目的で行っています。今年は「持続可能なツーリズム産業の構築に向けて」というテーマで発表、報道各社からは新聞社(業界紙・一般紙)や通信社より12社/19名の参加がありました。
記者懇談会の様子
■2025年度 JATA記者懇談会 次第■ ※記者会見報告は、こちら 【第一部】 1.全体説明 : 髙橋 広行 会長 -1.インバウンド、アウトバウンドの動向 -2.双方向交流と分散化で創る「持続可能な観光」 -3.ツーリズム産業の発展に向けて -4.北陸支援について -5.「ツーリズムEXPOジャパン2025 愛知・中部北陸」について -6.大阪・関西万博について
2.国内旅行 : 小谷野 悦光 副会長 -1.国内旅行マーケットの現状 -2.北陸復興支援 -3.「休み方改革」推進
3.海外旅行 : 酒井 淳 副会長 -1.海外旅行販売の現状と課題 -2.JATA海外旅行拡大プロジェクト -3.アウトバウンド促進協議会(JOTC)活動
4.訪日旅行 : 百木田 康二 訪日旅行推進委員会委員長 -1.インバウンドの概況 -2.インバウンド急回復による課題 -3.高付加価値化と地方誘客に向けたJATAの取組 -4.訪日旅行の品質向上に向けたJATAの取組
5.人材確保と育成への取組 : 原 優二 副会長 -1.人材確保への取組 -2.人材教育への取組 -3.旅行産業経営塾について
【第二部】 交流会(意見交換会)
【第一部】
1.全体説明 : 髙橋 広行 会長 冒頭、高橋会長は「今年は2026年度から新たにスタートする国の『第5次観光立国推進基本計画』の策定が行われる重要な年。JATAでは、観光業の将来にわたる諸課題とその解決策を盛り込んだ提言書をまとめ、これを基本計画に反映させるべく、観光庁や外務省、文科省などの関係省庁やその他関係先に精力的に働きかけを行っているところ」と述べ、その上で、特に重要な項目についてその概要を以下の通り説明しました。
髙橋会長
まず、直近のインバウンド・アウトバウンドの状況について、「2024年、訪日旅行客が過去最高の約3,687万人を記録する一方で、日本人の出国者数は1,300万人、2019年比では65%と依然低調な状況が続き、その乖離がより一層顕著となっている。今年(2025年)の動向を見ても、訪日旅行客については5月までの累計が1,814万人、前年比125%と昨年をさらに上回るペースで拡大する一方で、日本人出国者数の累計は556万人で、前年比で114%と伸びてはいるものの、2019年比では69%に留まっており、インバウンドとアウトバウンドの不均衡がより一層大きくなっている」とし、この是正が喫緊の課題であるという認識を示しました。
この状況を受け、提言書の一番目に「均衡のとれた双方向交流の実現と旅行需要の分散化・平準化」を盛り込み、その具体策として、「パスポート取得費用の抜本的な見直し」によるパスポート保有率の向上、「国際便の就航支援やチャーター便の運航促進を図るための助成制度の拡充」によるや地方空港の国際化促進、「18才以下のパスポート取得促進策や国際交流の必修化」による若者の国際教育強化を求めていくとしました。また同様に、「訪日旅行客の地方分散化」や「国内旅行需要の平準化」も重要な課題であり、アドベンチャートラベルガイドの育成、二次交通の整備やキャッシュレス化(観光DX化)、ラーケーション促進による有給休暇取得の拡大などの環境整備についても、2030年に訪日旅行者6000万人の政府目標達成のために急務であるとしました。
今年のイベントについては、愛知県で初開催となる「ツーリズムEXPOジャパン2025 愛知・中部北陸」について触れ、その目的の1つに北陸の復興支援への貢献があるとし、被災地が完全復活するまで寄り添い、様々な支援策を継続的に展開していきたいとの考えを述べました。
そして最後にコンプライアンスの取組について言及し、 JATAでは経営の最優先課題としてコンプライアンスに取り組んでおり、本年度は特に、ガイドラインの更新、事例の共有、全国各支部との意見交換会の開催、階層別研修の実施など、より現場に根差した活動を地道に進め、業界の信頼性の向上に努めていきたいとして締めくくりました。
2.国内旅行 : 小谷野 悦光 副会長
小谷野副会長
小谷野副会長(国内旅行推進委員会 委員長)は、マーケットの現状、平日旅行推進、北陸復興支援、休み方改革、について説明をしました。国内マーケットの現状については、2024年は2019年(コロナ前)レベルまで回復しているものの、旅行の個人手配化(OTAの伸長)や旅行販売店舗の縮小・廃止により旅行会社の取扱はマーケットの伸びを捕捉できていないとの見解を示した上で、旅行会社は「代売」から脱却した「価値ある商品の企画・販売」「地域と連携した発着双方の視点での需要創出・価値創出」を目指す必要があると訴えました。 そして、その事例として「北陸復興支援」と「休み方改革」をあげ、「北陸復興支援」では石川県が推進している「今行ける能登」の取組に賛同しJATA会員会社によるツアー企画が多数行われ、2024年の都道府県別延べ宿泊者数の伸び率(2019年比)で石川県は129%(全国2位)にも表れていること、「休み方改革」では全国の都道府県知事へ要望書の提出(日本観光振興協会、全国旅行業協会との連盟)を実施するなどその取組を強化していることを紹介しました。
3.海外旅行 : 酒井 淳 副会長
酒井副会長
酒井副会長(海外旅行推進委員会 委員長)は、マーケットの現状と今後の販売拡大にむけた取組・施策について説明をしました。 まず、旅行者数が2019年比で7割弱にとどまっている要因とその課題について述べ、要因については「仕入環境の変化」「円安や現地コストの高騰」、旅行会社が抱える課題については「人材不足と社員育成」「多様化するニーズへの対応」であるとし、その対策として、JATA海外旅行推進委員会で「海外旅行リエンジニアリングワーキンググループ」を立ち上げ、今後5~10年の海外レジャー市場を取り巻く環境の可視化とその具体的打ち手(海外パッケージツアーの新たな価値提案モデルの策定)の検討を行っていくとしました。 次に、現在の取組として、「JATA海外旅行拡大プロジェクト」「アウトバウンド促進協議会(JOTC)」を紹介。「JATA海外旅行拡大プロジェクト」では、アウトバウンドのさらなる機運醸成として、アーティスト・俳優として活躍中の岩田剛典さんを「JATA海外旅行アンバサダー」として起用、特設Webサイト(下記)を開設し旅行業界全体を巻き込んだ様々なキャンペーンを展開中であること、「アウトバウンド促進協議会(JOTC)」では、教育旅行やクルーズなど海外旅行素材として有益な情報を商談会やワークショップなどを通じて提供、サプライヤーと旅行会社のマッチング機会の創出・拡大を図っていることを報告しました。
JATA海外旅行拡大プロジェクトクト「もっと!海外へ」
4.訪日旅行 : 百木田 康二 訪日旅行推進委員会委員長
百木田訪日旅行推進委員会委員長
百木田訪日旅行推進委員会委員長は、訪日旅行の概況と課題、これからの訪日の旅のあり方について説明をしました。 まず全体概況では、2024年の旅行者数・消費額は過去最高を記録しており、この伸び率を維持すれば政府が目標とする2030年までに旅行者数6000万人は2030年より前に達成される可能性があるとの見込みを示しました。しかし、旅行予約方法を見ると、旅行会社を介した取扱額(主要43社取扱額)は、2024年度であっても2019年度を超えるには至っていないとし、OTA型にシフトする流れをどう取り戻すかが課題であるとしました。 さらに、JATAが行った観光事業者への3回の意識調査の結果から「人手不足や人材不足」「オーバーツーリズム」「二次交通の整備」「自治体の広域連携拡大」「主要都市から地方へのアクセス」などの課題が浮き彫りになったとも述べました。 そのような中で、JATAでの取組としては、官民連携による「高付加価値化と地方誘客」、説明会やセミナーなどを通じた「ツアーオペレーター品質認証制度(TQJ)」の拡充を図っていくことが重要であるとの考えを示しました。
5.人材確保と育成への取組: 原 優二 副会長
原副会長
人材確保・育成への取組については、原副会長より以下の説明がありました。 人材については、現状について、JATA会員会社の従業員数の減少(2019年約7万人→2025年約4万7千人)も例に、コロナ禍を経て、観光・旅行業界のみならず業界全体の課題であり、優秀な人材確保と育成・維持が喫緊であると述べました。 そして、JATAでは「(株)ジャタとの連携=人材派遣会社との連携による経験者採用のJATA会員会社への斡旋や新卒者を対象とした合同説明会の開催」「JATA旅行未来塾=若手・中堅・管理職と世代別に分けた講習の実施」など、取組を強化していることを紹介しました。 また、自身が塾長を務める「旅行産業経営塾」について 第14期となる今回は大阪で初開催し40名の募集も定員に達したことなどにも触れました。
その後行われた質疑応答では、ホテル予約サイト・Agodaに関して、現在の情報の整理、JATAとしての対応状況などについて質問があり、髙橋会長や担当する役員が回答しました。
【第二部】
交流会(意見交換会)
第一部終了の後、第二部として交流会(意見交換会)を行いました。 髙橋会長はじめ、役員が記者と直接話し、活発な情報交換・意見交換が行われ、会場は賑わい、お互いに理解を深める大変貴重な機会となりました。
左:交流会の様子、中:閉会挨拶をする蝦名JATA理事長、右:開会挨拶をする須山広報委員会委員長
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