海外旅行関連情報 ロシア研修旅行報告書 |
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更新日:2022年04月14日
2019年11月15日
1. 実施日程:2019年9月28日(土)~10月6日(日)9日間
イルクーツク2泊~バイカルスク1泊~ウランウデ3泊~ノボシビリスク1泊~機中1泊
2. 参加者
お名前 | 会社名・役職 |
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宮本 匡 | JATM(Japan Air Travel Marketing) : 営業本部アシスタントマネージャー |
黒主 康貴 | (株)JTB |
山之城 忍 | (株)クオニイジャパン : スーパーバイザー |
小山田 雄司 | (株)ミキ・ツーリスト : 部長 |
井上 貴之 | 日新航空サービス(株) : 係長 |
梁取 夕里 | (株)日本旅行 |
松本 花梨 | (株)プロコ・エアサービス |
添田 恵美子 | (株)ロシア旅行社 : 取締役営業部長 |
犬塚 健次郎 | (株)トラベルハーモニー : 課長 |
吉見 智子 | (株)ツムラーレコーポレーション : オペレーションスーパーバイザー |
加藤 智之 | (株)ワールド航空サービス : チーフ |
高柳 佳代子 | (株)ワールドコンパス : アシスタントマネージャー |
Shevalye Tatyana Ms. | S7 Airlines(S7航空) |
Kholova Maria Ms. | S7 Airlines(S7航空) |
保坂 明彦 | (一社)日本旅行業協会 : 海外旅行推進部:副部長 |
3. 目 的
S7航空がシベリア地域への商品造成の拡大を目的に旅行会社を対象に実施。JATAロシアワーキング部会が協力して、より効果を高めるために、事前・事後研修も開催。
4. 日 程
1 日目 9月28日(土)
9月28日(土)NRT/VVO S7 6282 15:40/19:05 VVO/IKTS7 6201 20:35/22:45
2 日目 9月29日(日) イルクーツク~バイカル湖~イルクーツク
ホテル 09:00~イルクーツク駅~3つの教会(スパスカヤ・バガリャブリェーンスキー・ポリスキー教会)とキーロフ広場・永遠の火~130地区散策~イルクーツク市観光関係者との交流会~ホテル(昼食)~タリツィの木造建築群~バイカル湖展望台~バイカル湖博物館~イルクーツクホテル 20:00
- (1) 市内観光の見どころ : 近年完成した130地区はまだガイドブック等にも詳しく紹介されていないが、伝統的なイルクーツクの木造建築群を復元した町並みで、日本の倉敷美観地区を連想させる。お洒落なショップやカフェ・大型スーパー等が整備され、かつての町並みを散策しながらショッピングも楽しむことができる。60~90分程度の自由散策がお勧め。
- (2) イルクーツク側(市の観光関係者5名と旅行会社代表3名)8名と訪問団13名
- * 市代表(エカテリーナ) : 直行便就航で昨年は3,300名の日本人が訪問、バイカ湖が人気。T-EXPOにも毎年参加。
- * JATA : JL・NHの来春ウラジオ就航により、冬の商品化が今回の訪問目的である点を説明、及び130地区のような魅力ある素材をこの交流会でPRを依頼。
- * 市 : 2・3月がベストシーズン(透明な氷、多数のスポーツイベント:氷上マラソン、犬ぞりレース、ジープツアー、トレッキング、氷上スキー・スケート)、2月末~3月上旬に春を迎える祭り、サンタクロースのイベントあり。
- * イルクーツクへの国別順位:中国、韓国、独、モンゴル、仏、ポーランド、 日本。紅葉・黄葉のシーズンは、バイカル湖沿岸の鉄道を利用した景色がお勧め、時期は10月初め~1週間程度が見ごろ。春のつつじも有名。
- * ホテルの予約が困難な時期は夏場が繁忙期、但し前広な予約で手配は可能(ホテルによりデポ要)
- * タリツィの木造建築群:バイカル湖のリストヴァンカから20㎞程手前にあり、日本の明治村のロシア版。1800年代前後の木造建築群が復元保存されており、民族音楽等(夏期のみ)も楽しむことができ施設も充実している。見学所要時間60~90分程度。バイカル湖への日帰りツアーにはお勧め。
- * Government of Irkutsk Region
Ms. Ekaterina Sliveina, Head of Agency For Tourism of Irkutsk Region
E-Mail : tour@govirk.ru - * Eastland旅行社
Ms. Yulia Kovaleva, Tourism Manager
E-Mail : 250251@eastland.ru - * Baikal Visa Tour
E-Mail : e.snyatinskaya@baikal-visa.ru - * Grand Baikal Group
E-Mail : booking@grandbaikal.ru - * Siberian Baikal Association of Tourism
Ms. Anna Semona, Executove Director
E-Mail : Anna_Semina_Baikal@mail.ru
- (3) 食事
昼食 : ホテルのレストランにて牛タンサラダ・ボルシチと牛肉料理・デザート
夕食 : ホテルのレストランにてサラダ・鮭料理・デザート - (4) イルクーツクホテル
使い勝手もよく清潔感があり問題なし。室内に水と湯沸かし器の設置を希望 - (5) 日本語ガイド
女性のアナスタシアが担当。日本語が堪能で通訳としてのレベルもかたい。
イルクーツクには日本語専攻の大学もあるため、レベルの高い日本語ガイドの確保は比較的容易。
3 日目 9月30日(月)
イルクーツク 10:00~バイカルスク 12:45(ホテル視察とリフト展望台での昼食)~ホテル 17:30 特筆すべきものは特になし。
昼食 : 展望レストランにてサラダ・サリャンカ(スープ)・ポテトとビーフ・デザート
夕食 : ホテルレストランにて牛タンサラダ・ライスとビーフ・デザート
ホテル : グランドバイカルスクホテル(スキー場リフト乗り場の横に位置するリゾートホテル)
4 日目 10月1日(火)
ホテル 8:00~バイカル自然保護センター・ビジターセンター~修道院~ウランウデ 18:15
ロシア国内のバスでの長距離移動の問題点(トイレの未整備)を痛感。
- (1) バイカル自然保護センター・ビジターセンター(120分)
バイカルスク市から北に40㎞・ブリヤート共和国・タンホイにある自然保護センター。バイカル湖に関連する動植物の展示と、尾瀬沼のような木造遊歩道を散策するコースあり。散策のベストシーズンは5~8月で花が非常にきれいとのこと。その後保護センターからバス5分の距離にあるビジターセンターを訪問。ここには保護動物のクロテン飼育施設やバイカル湖の動植物の多様性を理解できるよう整備されている。昨日のリストビアンカでの博物館と競合する点もあり、どちらか一つの見学で十分か? - (2) ポソリスカヤ村の男性修道院(60分)
ビジターセンターから北に約90分に位置するポソリンスカヤ村の修道院。見学後の印象としては、ツアーに組み込むべき必然性は少ないと思われる。 - (3) ホテルと食事
ホテル:Mergen Batur(★★★★★) 市の中心に位置し近代的で快適に滞在できる。
食事 : 昼食は保護区ビジターセンター。メニューはサラダ・ボルシチ・鮭と野菜のパイ。夕食はウランウデ中心にあるプラザホテルでの食事。メニューはロシアンサラダ・豚のステーキ・シガ(バイカル湖の魚料理)・馬肉・チョコレートケーキ - (4) 日本語ガイド
男性のエルデニが4日間担当。彼もホスピタリティ溢れた堪能な日本語を駆使し、通訳としてのレベルも高い。ウランウデには彼と同レベルのガイドは6名程度、但しレベルにこだわらなければ手配は容易。宗教・文化・歴史等の説明が多いため、ハイレベルのガイド確保が望まれる。
5 日目 10月2日(水)
ホテル 08:30~ホテル視察(3か所)~アツァガト村(ダツァン、博物館、民俗村とフォークロアショー)~バイカル湖民族博物館~ホテル視察~夕食~ホテル
- (1) ホテル視察:市内の以下の3つ星と4つ星ホテルを視察。シャワーのみ等ホテルによって設備のばらつきはあるが、清潔感・設備等は3つ星でも日本人のニーズに十分対応できている。4つ星は更に豪華さや部屋の広さ等を差別化している。市心はレーニン頭部像の広場。
視察ホテル : Ulan-Ude park Hotel(★★★市心)、Buryatia(★★★市心)、Reston(★★★★市心からバス5分)、
Sagaan-Morin Hotel(★★★★市心から徒歩10分) - (2) アツァガト村のダツァンの知名度は少ないものの、博物館の説明や民族舞踊及びコサック民族との共生は非常に印象的だった。バイカル湖民族博物館は木造建築物の展示と子供向けの動物園であり、ツアーに組み込むべき価値は低いと思われる。
- (3) 食事 : 昼食はアツァガド村でブリヤートの麺入りスープやブーズの名物料理、夕食はウランウデでボルシチ・ビーフストロガノフ。
6 日目 10月3日(木)
ホテル 8:50~バレー劇場~イボルギンスキー・ダツァン~デシャトニコヴォ民族村~旅行会社との交流会(Mergen Batourホテルにて)
- (1) ダツァンと民族村はウランウデで必須の観光箇所。特に民族村では村人の歓待を受 け、昼食・歌やダンスを一緒に楽しむことができることが最大の目玉。
- (2) 食事 : 昼食は民族村での手作り家庭料理、夕食はホテルにてサラダ・チキンロールカツ・ビーフストロガノフ
- (3) 旅行会社との交流会
- * 観光大臣挨拶
次回は冬のブリヤートを見ていただきたい。2020年の日本人来訪者拡大を期待している。アジア市場では日本、韓国、中国が重要な国。日本人を6位から3位にしたい。観光客391,000人のうち7万人が外国人。モンゴル、中国、韓国、独、仏、日本。 - * 貿易大臣挨拶
ツーリズムの重要性は十分認識している。提供するサービス向上に向け皆さんからの意見を聞きたい。 -
* 旅行会社のプレゼン
Baikal Naran Tour : 「ブリヤートの伝説5日間」アサガット村草原遊牧民の体験、イボルギンスキー・ダツァン寺院、バイカル湖・グレミャンチンスク地区(ウランウデから北西140㎞、バイカルリビエラホテル)、シメンスキー(古宗教民族)
Metropol Express : 「花のツアー」ダルバガダイ村・グルリバ村、他 5~8月がシーズン。花の例:エゾムラサキツツジ、オキナグサ、コガネアヤメ、ネジアヤメ、ジャルキ、シベリアヒナゲシ、イトハユリ、ヤナギラン、オオヒエンソウ等
Siberia Cedar : バイカル湖水中ツアー モナコボ カモメの餌やり・釣り
Baikal Buryatia : 「冬のバイカル」 2~3月東岸ウスチバルジン村~西岸オリホン島を100㎞横断、バルクジンスキー湾
Siberian Tour : 「バードウォッチングとサファリ」湖畔2か所(バイカルリザーブとカバンスキー)と内陸部1か所の3か所。バードキャッチと鳥へのバンド取り付けも可能。
Baikal Partner : 「巡礼ツアー」仏教・シャーマニズム・キリスト教の3つの宗教施設・儀式を訪問・体験
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* 意見交換
JATA : バス移動でのトイレの問題点を指摘
ウランウデ空港 : 「昨年新滑走路を開設し、大型機にも対応可能となった。2021年に新ターミナルが完成。ウランウデ~オリホン島も開設した。
SiLA航空 : ウラウンデ~オリホン島を現在週3便で運航(17席)、将来はデイリーにしたい。滑走路がなくても着陸可能。湖上遊覧も可能。
ミキ小山田 : 広告出稿に関して共和国が費用負担を含め検討可能か?可能な場合はどこが窓口になるのか?
大臣 : 関心あり、具体案を提案してほしい。メトロポールエクスプレスが窓口。SNSでの告知費用はどれくらいか?
ミキ : 大きさにもよるが200万円~1千万円位、WEBのHPに誘導するには効果的だがツアーの申し込みには直結しない。
- * 観光大臣挨拶
7 日目 10月4日(金)
ホテル 09:00~買い物(スーパー2店、土産店1店)~空港 11:30着 ウランウデ/ ノボシビリスク S7 5254 13:15/15:15~ノボシビリスクでの交流会~ホテル
- (1) 旅行会社との交流会:17~19時、ノボシビリスクEXPO会議室にて
- * 参加企業 : S7、ロシア鉄道、鉄道博物館、Okarachiサナトリウム、アジムットホテル、海洋生物センター、クラスノゼルスキーサナトリウム(2か所)、白樺博物館、ノボシビリスク博物館、PARUSサナトリウム、Olympia-Reisen旅行社、Skat旅行社、Globus Tour
- (2) 食事 : 昼は機内、夜はホテルにてビュッフェ(日本食あり)
- (3) ホテル : 宿泊したマリオットはレーニン広場と劇場に隣接した抜群のロケーシ ョンの5つ星ホテル。他にドミナホテル(4つ星)・アジムトホテル(3つ星)・ダブルツリーバイヒルトン(4つ星)を視察。設備・清潔感等問題なし。
- (4) 日本語ガイド : 2日間女性のアリサが担当。プレゼンの通訳もハイレベル。
8 日目 10月5日(土)
ホテル 08:45~動物園~ホテル視察(2軒)~バレー鑑賞~Globus Tour視察~ガレリア ショッピングセンター~ホテル視察・夕食~空港 20:00 ノボシビリスク/成田 S7 5771 22:55/07:35+1
オペラ・バレエ鑑賞を目的にしたツアー造成は検討の価値あり。
- (1) 動物園 : 北極クマが目玉で、他に珍しいものはあまりない。
- (2) バレエ鑑賞 : 演出・舞台装置・ダンサーのいづれもハイレベルで、上演の折には演目にかかわらず鑑賞は必須。
- (3) 食事 : 昼食はボルシチとペリメニ(ロシア風ギョウザ)、夕食はキノコのサラダ・ ボルシチ・ヴァレーニキ・鮭のパイ
5. まとめ
参加各社は常にメモを取る等、非常に熱心に研修視察を行ったのが印象的だった。特に1年を通じての各地の観光素材をいかに商品化させるかを中心に、食事時間等でも情報交換に余念がなかった。また、12月上旬には研修報告会として① ホテル、② 観光素材、③ 食事、④ ショッピングと自由行動の4点を中心に参加者がプレゼン実施予定。
今回のもう一つの目的は、冬のイベントを参加各社が中心になって商品化することであり、イルクーツク・ウランウデ両市からも全面的なサポートを得て、来年2~3月の冬のイベント開催時期に合わせて、メディアも参加するFAMを企画予定。これにより2021年の2~3月の時期に視察したイベントを商品化したツアーを催行予定。
12月上旬に開催予定の報告会の場で、次回のFAM詳細を発表予定。
なお、S7のノボシビリスク線は来年夏ダイヤから現在の週1便から2便に増便予定。