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更新日:2022年06月09日
2016年2月22日開催
JATAは2月22日、東京・六本木の“六本木アカデミーヒルズ49”で「JATA経営フォーラム2016」を開催しました。「交流大国への挑戦-担い手としての旅行業の役割-」をメインテーマに掲げ、今年で24回目と迎えたフォーラムには、会員企業など116社から415人が参加。基調講演や特別講演に加えて、4つの分科会が行われました。 今日的な経営課題として注目されているテーマについて、講演、議論が行われ、参加者らが熱心に耳を傾けました。
田川 博己JATA会長
年明けから株価や為替レートが乱高下し、中国経済の減速をめぐる懸念が高まる一方で、日本銀行がマイナス金利の導入に踏み切るなど、不確実な要素が錯綜する予測が難しい状況になっている、という認識を示しました。
2015年における日本人渡航者数が前年比4・1%減の1621万人にとどまった海外旅行市場については、昨年11月に発生したパリ同時多発テロ事件がヨーロッパ旅行全体に与えた影響が大きかったことから、JATAとしてパリへの緊急ミッションを派遣したのに続き、旅行需要の復活に向けたプロモーション活動を積極的に進めていく方針を表明。JATAとして「今後も国際紛争やテロ、感染症など、海外旅行市場を取り巻く環境の変化には迅速に対応していく」考えを強調しています。
また、今年2月に起きた軽井沢でのツアーバス事故について、検討委員会が設置され再発防止のための議論が重ねられていることに言及し、検討委員会に参加しているJATAとして旅行会社が取り組むべき課題については積極的に発言すると同時に、関係機関にも要望を伝えていることを明らかにしました。「安心安全こそ旅の基本」と訴えた田川会長は、「シートベルトの着用運動などには直ちに着手し、決められた対策については速やかに実施して、バスツアーへの信頼を回復させたい」と決意を示しました。
同時に、「海外旅行復活による交流大国への挑戦」がJATAとしての最大のテーマだと指摘。1964年に海外渡航が自由化されて以来、旅行業界として海外旅行商品の企画力を磨いてきた歴史を踏まえ、「この企画力の高度化を目指し、商品力の向上を図ることが海外旅行復活には不可欠であり、 国内旅行や訪日旅行においても旅行会社の存在理由そのものとなる」と訴えています。
田村 明比古観光庁長官
2015年における訪日外国人旅行者数が1974万人に達して、1000万人を超えてから僅か2年で2000万人に迫る規模となったことを踏まえ、「人数よりも、日本で消費される額が3兆5000億円に達していることが重要だ」という認識を示しました。
「輸出産業で見た場合、自動車部品とほぼ同じ規模であり、僅かの差で鉄鋼と電子部品が3兆円台で並んでいることから、観光が非常に大きな輸出産業になってきている」と強調。
今年1月も訪日外国人旅行者数が前年同月比52%増を記録して昨年の勢いを維持するなど、「訪日インバウンドが成長戦略の柱として、さらなる高みを目指していくことが求められていく」と指摘しています。
一方で、海外旅行者数が前年比でマイナスとなりインバウンド市場の規模がアウトバウンド市場を上回ったことについて、「過去に他の分野で一方的に黒字が積み上がって二国間の摩擦になった経緯もあり、相互理解の促進や安全保障という観点からもバランスのとれた双方向交流が非常に重要であることは言うまでもない」と語り、海外旅行復活への期待を示しました。
林 文子氏
米国の経済紙〝ウォールストリートジャーナル〟の「注目すべき世界の女性経営者50人」(2004年)にも名前を連ねた経営者の視点から、「おもてなしの行政」や「現場主義」「信頼と共感の市政運営」など市民本位の行政サービスと行財政改革を実現してきた自身の経験や考え方を語りました。
ファーレン東京(現フォルクスワーゲンジャパン販売)やBMW東京の代表取締役社長、ダイエー代表取締役会長兼CEOなどを歴任し、2009年8月から現職を務める林市長は就任当初、民間と行政の文化の違いに戸惑いながらも、職員一人ひとりに寄り添い「すべては共感と信頼から」という自らの信念と哲学を浸透させることで〝役所の文化〟を変えてきた実績について、具体的な事例を通じて紹介しています。
就任以来、横浜経済の振興に注力してきました。行政に営業マインドを持ち込み、それまで経営実態調査を書類送付で行っていた姿勢を一喝。中小企業の現場を歩くよう指示し、現場主義を徹底したといいます。「横浜経済を支え、持続的な成長を担うのは民間の皆様です」と強調する林市長。「実際に現場に伺い、頭を下げ、民間の皆様に感謝しながら、訊いて回ることで、ようやく実態を深く理解することができるのです」と語りました。また、保育所待機児童ゼロを実現したのも、「明確な目標を掲げ、現場の職員をモチベートしつつ、トップとして、大胆な投資と民間参入を決断し、あらゆる手を尽くしたことで成し遂げたものです」と語り、「信頼と共感の市政運営」の真髄を訴えました。
養老 孟司氏
欧州各地を訪れて楽しんでいる〝お墓参り〟に言及し、ハプスブルク家の墓の場合、一族の者が亡くなると心臓と内臓と、それ以外の遺体の部分を3分割して別々に埋葬し、この埋葬方法を同家最後の皇太子が亡くなった21 世紀まで続けたことを紹介。「理性的で明晰で先進的なはずの西洋文明が、なぜこのようにわけの分からないことを続けてきたのか」に興味を抱いた。「墓や納骨堂の前にたたずむことで何かを感じることができ、言葉にできない何かが伝わる」ことの発見が、その疑問への回答になったと説明しました。
人工物だけの環境下で育った現代人が「本当のところ、世界はわけのわからないことが、いくらでもある」にもかかわらず、「すべての物事の意味が分かる」と考えてしまいがちなことに疑念を提示する。こうした意識の対極にある「感覚」を軽視して「意識」だけを優先させ、言葉と都市化とネット社会の影響下でできあがってしまった現代人の脳を変えることができるとすれば、「唯一の方法が入力を変えることだ」と指摘しています。
人間が外から受け取る情報がすべて五感を介した感覚入力であり、「この感覚入力をし直すのが旅なのです」と説明し、旅こそが感覚入力を更新する絶好のチャンスだと強調。人工的な環境である現代都市で育ち、生きている現代人にこそ、旅に出るという行動が求められているという考え方を示しました。
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